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フリーランスにプロジェクトマネージャ試験は役立つ?評価される場面と準備

公開 2026-10-29 監修:株式会社エージェントベスト

プロジェクトマネージャ試験は、フリーランスのPM案件で参画を決める資格ではありませんが、国内の公共系や大手企業の案件では、プロジェクトマネジメントの知識を持つことの裏付けとして見られることがあります。PM案件の多くは資格を条件にしておらず、面談では担った局面と判断の中身が先に問われます。

この試験の特徴は、最後の科目で自分のプロジェクト経験をもとに論述することです。そのため、準備の過程が、そのまま経歴の整理にもつながります。現行の試験は2026年度で終わる予定で、2026年度の後期(2027年2月〜3月の実施期間)が、現行制度で受けられる最後の機会になる見込みです(2026年10月時点)。PMの役割全体はPMのスキルの記事で扱っているため、この記事では試験の位置づけと準備に絞ります。

プロジェクトマネージャ試験が想定している人

IPA(情報処理推進機構)は、この試験の対象者像を、組織の戦略の実現に寄与するシステム開発プロジェクトで、プロジェクトマネジメント業務を責任をもって担う高度IT人材としています。業務と役割には、次のような項目が挙げられています。

期待する技術水準には、目標に応じてライフサイクルと開発アプローチを選び、プロセスを修整できることも含まれています。特定の手法に偏らず、状況に合わせて進め方を選ぶ力を問う試験です。

試験の構成と2026年度の実施方式

4つの科目と論述式

IPAの案内(2026年10月時点)による試験の構成は次のとおりです。

科目試験時間出題形式出題数・解答数
科目A-150分多肢選択式(四肢択一)30問・30問
科目A-240分多肢選択式(四肢択一)25問・25問
科目B-190分記述式3問・2問
科目B-2120分論述式2問・1問

科目A-1は、応用情報技術者試験や高度試験に合格している人、または科目A-1で基準点以上を取った人が、2年後の同時期の試験まで免除を申請できます。

2026年度は後期にCBT方式で実施

2026年度の高度試験は、紙の筆記試験ではなく、CBT方式(会場のコンピュータで受験する方式)で前期と後期に分けて実施されます。プロジェクトマネージャ試験は後期に実施されます。

項目期間(2026年度後期)
申込受付期間2027年1月27日〜2月27日
科目A-1・A-2の実施期間2027年2月20日〜3月2日
科目B-1・B-2の実施期間2027年3月16日〜3月28日

CBT方式では、会場ごとの予約枠から受験する日時を選びます。科目Aと科目Bで実施期間が分かれているため、2つの日程を案件の予定と重ならないように押さえる必要があります。

2027年度からの制度移行

IPAは、現行の試験制度を2026年度の実施で終え、2027年度から新しい制度に移る予定と案内しています。2026年3月公表の検討状況では、応用情報技術者試験と高度試験を大くくりにして、プロフェッショナルデジタルスキル試験(仮称)の「マネジメント」「データ・AI」「システム」の3区分に再編する案が示されています。プロジェクトマネージャ試験が新しい区分とどう対応するかは、このページからは読み取れません。名称や内容は検討中で、変わる可能性があります。

IPAのよくある質問では、試験合格に有効期限はなく、過去の合格が無効になることはないとされています。一方で、過去の制度の合格が新しい試験の合格に移行するわけではないとも案内されています。受験の前に、IPAの公式ページで最新の内容を必ずご確認ください。

フリーランスの案件で効く場面

公共系・大手企業の案件で体制を説明するとき

公共系や大手企業のシステム更改では、発注側がプロジェクトの体制を説明する事情から、案件票の歓迎条件に情報処理技術者試験の区分名が出ることがあります。この場合、PMの役割と名前が重なるプロジェクトマネージャ試験は、書類の段階で目に留まりやすくなります。案件票の条件の読み方は案件票の読み方の記事をご覧ください。

PL・PMOからPMへ役割を移すとき

チームリーダーやPMOの経験から、計画と判断を担うPMに移りたい場面では、試験の範囲がそのまま「PMとして何を見るか」の説明に使えます。役割の移し方は開発者からPM・PMOへ役割を移す進め方で扱っています。

経験を言葉にする力を示したいとき

科目B-2の論述は、自分が関わったプロジェクトの状況・課題・取った手を、決められた時間で筋道立てて書く試験です。合格していることは、経験を整理して説明できることの一つの目安として受け止められることがあります。

効きにくい場面

場面効きにくい理由
外資系・海外拠点との案件国内の国家試験のため、海外の関係者には伝わりにくい
自社サービスのアジャイル開発スクラムなどの実践経験のほうが直接見られやすい
業界の業務知識が条件の案件業界の業務や規制の経験が先に問われる

外資系や海外との案件では、国際的に知られたPMPのほうが伝わりやすい場合があります。違いはPMPの記事で整理しています。

実務経験との組み合わせ方

論述式の準備は、経歴の整理と相性がよい作業です。過去のプロジェクトを一つ選び、次の観点で書き出しておくと、試験とスキルシートの両方に使えます。

  1. プロジェクトの概要:目的、期間、規模、自分の立場(発注側の支援か、受託側か)
  2. 起きたこと:遅延、要件の変更、品質の問題、関係者の対立など
  3. 判断:何を情報として集め、どの選択肢を比べ、誰と合意したか
  4. 結果と振り返り:どうなったか、次のプロジェクトに何を持ち越したか

ここで書き出したことは、試験の対象者像にある「計画と実績を評価し、改善に生かす」という役割とも重なります。ただし、試験の論述とスキルシートでは、書く分量と目的が違います。スキルシートでは、1件あたり数行で、局面・規模・判断の要点だけを残します。

スキルシートでの書き方

資格欄には「プロジェクトマネージャ試験 合格(20XX年X月)」のように、正式名称と合格年月を書きます。合格に有効期限はないため、期限を書く必要はありません。

経歴欄では、試験で問われる役割と重なる経験を具体的に書きます。架空の例を挙げます。

PMのスキルシートの全体の組み立てはPMのスキルシートの記事で紹介しています。

案件と並行して準備するときの進め方

2026年度後期の申込受付は2027年1月下旬から始まる予定です。案件と並行して準備する場合は、次の順で進めると時間を配分しやすくなります。

学習時間の作り方は学習時間の作り方の記事をご覧ください。

よくある質問

この試験がないとPM案件には入れませんか?

入れる案件は多くあります。PM案件で見られるのは、参画した局面、規模、立場、判断の経験です。案件票の必須条件に区分名が書かれている場合は別ですが、多くの場合は歓迎条件として扱われます。

PMPとどちらを優先すべきですか?

狙う案件によって変わります。国内の公共系や大手企業の案件が中心ならプロジェクトマネージャ試験、外資系や海外拠点との案件が多いならPMPが伝わりやすい傾向があります。PMPは受験に実務経験と研修が必要で、3年ごとの更新もあります。両方の負担と、狙う案件票に出てくる名前から考えるとよいでしょう。

2027年度の新制度を待つべきですか?

一概には言えません。新しい制度の区分や内容は、2026年10月時点で検討中の部分があります。現行の試験に合格すれば、「プロジェクトマネージャ試験」として合格が残り、有効期限もありません。準備に使える時間と、狙う案件の時期から判断するとよいでしょう。

参考にした公的情報・資料

記事の内容は公開日時点の情報にもとづきます。制度や税率は変わることがあるため、手続きの前に必ず各機関の最新情報をご確認ください。

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