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セキュリティコンサルタントのフリーランス案件の仕事内容|案件の種類と働き方

公開 2026-11-04 監修:株式会社エージェントベスト

フリーランスのセキュリティコンサルタントの仕事は、組織の情報をどこまで、どの順番で守るかを決め、それを規程や体制、記録の形にして、現場で回る状態まで持っていくことです。ただ、同じ「セキュリティコンサル」の募集でも、現状の評価を任されるのか、規程を作るのか、認証の審査に向けて準備するのかで、1日の過ごし方も、向き合う相手も、残る成果物も大きく変わります。

この記事では、フリーランスのセキュリティコンサルタントの案件を5つの種類に分け、それぞれの1日と1か月の流れ、関わる相手、成果物を整理します。必要な経験と独立の手順はセキュリティコンサルタントがフリーランスになるには、スキルの中身はセキュリティコンサルタントのスキルの記事で扱っているので、ここでは「参画したら実際に何をしているか」に絞ります。

仕事の中身は「局面」と「相手の規模」で決まる

セキュリティコンサルタントの案件で働き方の違いを生むのは、主に次の2つです。

この2つを組み合わせると、フリーランスの案件はおおむね次の5種類に分けられます。

案件の種類主な相手時間を多く使う仕事
現状評価・リスク評価情報システム部門、各部門の責任者聞き取り、資料の読み込み、評価のまとめ
規程・体制づくり情報システム部門、総務・法務、経営層規程の起案、部門との調整、承認の段取り
認証の取得・維持支援事務局の担当者、各部門の推進役管理策の整備、記録の準備、内部監査、審査の対応
委託先・取引先の管理調達・購買部門、取引先の担当者質問票の設計と回収、評価、改善の依頼
全社施策の推進支援セキュリティ責任者、各部門、グループ会社施策の進捗管理、会議の運営、経営層への報告

以下では、それぞれの典型的な流れを例として紹介します。時間の配分は案件ごとに違うため、目安として読んでください。

現状評価・リスク評価の案件

1日の流れ(例)

午前は部門ごとの聞き取りに充てます。どんな情報を持ち、誰が触れ、どこに保管し、外部とどうやり取りしているかを、事前に送った質問票の回答をもとに確かめます。午後は、聞き取りの内容と既存の規程やネットワーク構成の資料を照らし合わせ、規程と実態がずれている箇所を拾います。夕方は、その日に分かったことを評価の表に落とし、翌日の聞き取りで確かめる点を整理します。

1か月の流れ(例)

成果物

情報資産の一覧、評価の基準、リスク評価の結果、課題の一覧、優先順位をつけた改善計画、経営層向けの報告資料などです。評価の案件は期間を区切ったプロジェクトになりやすく、報告で終わる場合と、次の規程づくりにそのまま続く場合があります。

規程・体制づくりの案件

1日の流れ(例)

既存の規程を読み、方針・規程・手順・記録の様式の役割が重なっていないかを確かめながら、新しい体系の案を作ります。起案した規程は、情報システム部門や総務・法務の担当者と読み合わせ、現場の業務で守れるかを一緒に確かめます。午後は、規程の対象になる部門に出向いて、手順どおりに作業すると業務が止まる箇所がないかを聞き、直す点を持ち帰ります。

1か月の流れ(例)

成果物

基本方針、規程類、手順書、記録の様式、役割分担と承認の流れを示した体制図、周知の資料、教育の教材などです。規程の案件では、文書を作ることより、決裁を通して現場に届けるまでの段取りに多くの時間を使います。

認証の取得・維持支援の案件

1日・1か月の流れ(例)

ISMS適合性評価制度では、情報マネジメントシステム認定センターが認定した認証機関が組織を審査し、認証基準への適合を評価します。支援の案件では、発注元の事務局と一緒に、審査に耐える仕組みと記録を整えます。

1日の中では、管理策ごとの対応状況を確かめ、足りない手順や記録を各部門に依頼し、集まった記録の中身を点検します。1か月の単位では、事務局との定例、各部門の推進役との打ち合わせ、内部監査の計画と実施、マネジメントレビューの準備が回ります。審査の時期が近づくと、審査員からの質問に備えた想定問答や、当日の進行の準備が加わります。

認証の基準は改訂されることがあり、2026年10月時点の認定センターの案内では、ISO/IEC 27001:2022に追補(Amd 1:2024)を併せて適用する形が示されています。版の移行に伴う見直しも、維持支援の案件の仕事になります。

成果物

適用範囲の定義、リスク評価とリスク対応の記録、適用宣言書、管理策ごとの手順と記録、内部監査の計画と報告、是正の記録、マネジメントレビューの資料などです。審査の合否は認証機関が判断するため、コンサルタントが担うのは審査に向けた準備の支援である点を押さえておきましょう。

委託先・取引先の管理の案件

1日・1か月の流れ(例)

発注元が業務を委託している会社や、システムを提供している会社のセキュリティの状況を評価する案件です。評価の質問票を設計し、取引先に送り、回答を読み、足りない点について追加の質問や改善の依頼を出します。重要度の高い取引先とは、オンラインでの打ち合わせや訪問で状況を確かめることもあります。

1か月の単位では、評価の対象と順番を調達部門と決め、回答の回収状況を管理し、評価の結果を月次でまとめて報告します。逆に、発注元が取引先から評価を受ける側に立ち、届いた質問票への回答を整える案件もあります。

成果物

評価の質問票、評価の基準、取引先ごとの評価の結果、改善依頼の記録、契約に入れる確認項目の案、委託先の管理の手順などです。

全社施策の推進支援の案件

セキュリティの責任者の下で、全社の施策を進める役割です。PMOに近い働き方で、各部門やグループ会社の取り組みの進捗を集め、課題を整理し、会議を運営し、経営層への報告をまとめます。顧問のように月に数回の助言で関わる形もあります。

1日の多くは、部門ごとの打ち合わせ、課題の追いかけ、資料づくりに使われます。月末には、施策の達成状況と、判断が必要な事項を経営層向けにまとめます。進め方の考え方はPMOの仕事内容の記事とも重なります。

どの案件にも共通する仕事

種類が違っても、次の仕事はほぼすべての案件にあります。

  1. 聞き取り:規程や資料だけでは分からない実態を、現場の担当者から聞く
  2. 優先順位づけ:すべてを「重要」にせず、何から手を付けるかを根拠と一緒に示す
  3. 説明:経営層、現場、技術者のそれぞれに伝わる言葉で、判断の材料を渡す
  4. 記録:決まったこと、例外として認めたこと、その理由を後から追える形で残す

フリーランスならではの仕事として、機密情報の扱いの管理もあります。弱点や事故の情報に触れるため、発注元の端末や保管場所のルールに従い、契約が終わるときの返却や削除まで見通しておく必要があります。

関わる相手と、その相手に出すもの

相手コンサルタントが出すもの頻度の目安
経営層・セキュリティ責任者リスクの全体像、判断が必要な事項、投資の優先順位月次、節目ごと
情報システム部門規程の案、技術的な対策の方針、課題の一覧毎日〜週次
総務・法務・人事規程の文言、就業規則や契約との関係の確認事項起案や改訂のたび
各部門の推進役手順、記録の様式、依頼事項週次、随時
取引先・委託先質問票、改善の依頼評価の時期に集中

技術的な作業の比重が大きい案件は、エンジニアの役割に近くなります。違いはセキュリティエンジニアの仕事内容の記事、事故対応を中心にした働き方はCSIRT・インシデント対応の仕事内容の記事、統制の評価を中心にした働き方はIT監査・内部統制コンサルの仕事内容の記事で解説しています。働く場所の傾向はセキュリティコンサルタントのリモート案件の記事をご覧ください。

よくある質問

セキュリティコンサルタントは、技術的な作業をすることはありますか?

案件によってあります。設定の確認や診断の結果の読み解き、クラウドの権限の点検などを求められることがあります。ただ、多くの案件では、技術的な作業はエンジニアや専門の会社が担い、コンサルタントはその結果を判断と計画に結びつける役割です。どこまで手を動かす想定かは、参画前に確かめておくと安心です。

認証の取得支援の案件は、どのくらいの期間になりますか?

適用範囲の広さや、すでにある仕組みの状態で変わり、案件によって大きく違います。取得までの期間だけで終わる契約もあれば、取得後の維持や更新の審査まで続く契約もあります。契約期間と審査の時期の関係は、参画前に確かめておきましょう。

参画して最初の1か月は何をすることが多いですか?

関係者と役割の把握、既存の規程や評価の資料の読み込み、会議体と承認の流れの確認から始めるのが一般的です。初月の進め方はセキュリティコンサルタントの参画初月にやることで詳しく解説します。

参考にした公的情報・資料

記事の内容は公開日時点の情報にもとづきます。制度や税率は変わることがあるため、手続きの前に必ず各機関の最新情報をご確認ください。

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