英語を使うフリーランス案件|求められる英語力の考え方と面談前の確かめ方
公開 2026-10-29 監修:株式会社エージェントベスト
英語を使うフリーランス案件で求められる英語力は、「どの場面で、どれくらいの頻度で使うか」によって大きく違います。英語の資料を読めれば足りる案件もあれば、海外のメンバーとの会議を自分で進める力が求められる案件もあります。
そのため、案件票に「英語力」と書かれていても、まず何を指しているのかを確かめることが大切です。応募の場面では、試験のスコアだけでなく、業務で英語を使った具体的な場面を示すと、発注側が任せられる範囲を判断しやすくなります。
英語を使う案件の主な型
英語が関わる案件は、おおむね次のような型に分けられます。型によって、英語を使う相手と場面が変わります。
| 案件の型 | 英語を使う相手 | 主な場面 |
|---|---|---|
| 外資系企業の日本拠点の案件 | 本社や他国の拠点の担当者 | 報告、承認の依頼、資料の作成 |
| 海外拠点を含むグローバルなプロジェクト | 各国のメンバー | 定例会議、課題の調整、仕様の合意 |
| 海外の開発チームとの協業 | 開発の担当者 | 仕様の説明、レビュー、チケットのやりとり |
| 海外製の製品・SaaSの導入 | 製品の提供元、サポート窓口 | 製品の資料を読む、問い合わせ |
| 英語の資料が中心の開発 | ほぼなし(資料・コミュニティ) | ドキュメントや技術情報を読む |
同じ「英語あり」の案件でも、最後の型のように読む力が中心のものと、グローバルなプロジェクトのように話す力が欠かせないものでは、求められる水準がまったく違います。
場面ごとに求められる英語力
英語を使う場面を4つに分けると、自分の力と案件の求めるものを比べやすくなります。
1. 読む:資料や技術情報を理解する
製品の資料、技術文書、英語で書かれた仕様書を読み、内容を正しく理解する力です。多くの技術職で、程度の差はあっても求められます。読む力は時間をかければ補える部分もありますが、量が多い案件では、読む速さも作業の進み方に影響します。
2. 書く:メール・チャット・チケットで伝える
チャットやメール、課題管理のチケットで、状況や依頼を短く正確に伝える力です。海外のメンバーと非同期でやりとりする案件では、この力が中心になります。文法の正確さより、誤解のない書き方ができるかが大切です。
3. 聞く・話す:会議で理解し、発言する
会議で相手の話を理解し、自分の意見や状況を伝える力です。相手の国や話し方によって聞き取りやすさが変わるため、慣れが大きく影響します。会議の中で、分からない点をその場で確かめられるかも見られます。
4. 進める:議論をまとめ、合意をつくる
会議を進行し、論点を整理して合意をつくる、交渉する、といった力です。PMやPMO、コンサルの役割で英語を使う案件では、この水準が求められることがあります。英語の力に加えて、役割としての進め方の経験が問われます。
自分がどの場面まで対応できるかを、正直に整理しておくことが、案件選びの出発点になります。
案件票の「英語」を読み解く
案件票では、英語の条件が「ビジネスレベル」「読み書きできる方」「英語に抵抗のない方」のように、幅のある書き方をされていることがよくあります。面談の前や面談の中で、次の点を確かめると、実際の使い方が見えてきます。
- 英語を使う場面:資料、チャット、会議のうち、どれが中心か
- 会議の頻度と英語の割合:週に何回、会議のうちどれくらいが英語か
- 相手の国と時差:どの地域のメンバーとやりとりするか、会議の時間帯はいつか
- 自分の役割:会議に参加するだけか、進行や資料の作成を担うか
- 支援の有無:通訳や、英語に強いメンバーのフォローがあるか
案件票の全体の読み方は案件票の読み方の記事、面談で確かめたいことの全体は面談前に確認しておくべき項目の記事で整理しています。
スコアと実務経験の示し方
試験は測る技能が違う
英語の試験は、種類によって測る技能が違います。たとえば、IIBC(国際ビジネスコミュニケーション協会)が案内しているTOEIC Programでは、TOEIC Listening & Reading Testは聞く・読む力を、TOEIC Speaking & Writing Testsは話す・書く力を測るテストとされています。
会議で話す力が求められる案件で、聞く・読む力のスコアだけを示しても、話す場面の力は伝わりにくくなります。スコアを書く場合は、どのテストのスコアかを正確に書き、取得した時期も添えます。
業務で使った場面を書く
スコアよりも発注側の判断に役立つのは、業務で英語をどう使ったかです。スキルシートには、次のような形で場面を書きます。
- 海外の開発チームと、チャットとチケットで仕様のやりとりをした(週◯回の会議に参加)
- 英語の製品資料を読み、設定の手順書を日本語で作成した
- 海外拠点を含む定例会議で、日本側の進捗を英語で報告した
「◯回」「◯名」などは、実際の数字だけを書きます。読む・書く・話す・進めるのうち、どこまでを担ったかが分かるように書くと、案件の求めるものと照らし合わせやすくなります。書き方の基本はスキルシートの書き方の記事をご覧ください。
時差と稼働時間の扱い
海外の拠点やメンバーとやりとりする案件では、会議が早朝や夜の時間帯になることがあります。参画を決める前に、次の点を確かめておきましょう。
- 会議の時間帯:日本時間の何時ごろか。毎週固定か、相手に合わせて変わるか
- 時間外の会議の扱い:通常の稼働時間に含めるか、別の時間帯で調整できるか
- 稼働時間の数え方:早朝や夜の会議の時間を、月の稼働時間にどう含めるか
準委任の案件では、月の稼働時間の幅を決めて精算することが多く、時間外の会議が増えると稼働時間の数え方が問題になります。精算の仕組みは精算幅の記事、稼働の考え方は稼働率の記事で解説しています。取り決めは、口頭だけでなく契約や書面に残しておくと安心です。
翻訳ツールを使うときは取引先のルールに沿う
英語の資料やメールの読み書きに、翻訳ツールや生成AIを使いたい場面もあります。便利な一方で、取引先の資料や顧客の情報を外部のサービスに入力すると、秘密保持の約束に触れるおそれがあります。
参画前や参画直後に、取引先がどのツールの利用を認めているか、入力してよい情報の範囲はどこまでかを確かめておきましょう。認められていない場合は、自分の力で読み書きできる範囲が、そのまま業務の進み方に表れます。秘密保持の考え方は秘密保持契約の記事で解説しています。
英語の力を実務に合わせて伸ばす
英語の力を伸ばしたい場合は、試験の勉強よりも、案件で使う場面に近い練習の方が、実務に結びつきやすくなります。
- 読む・書くから始める:技術文書を英語で読む、自分の作業メモや議事録を英語で書いてみる
- よく使う表現をためる:会議での確認、依頼、状況の報告など、業務でよく使う言い回しを自分用にまとめる
- 小さな場面から話す:会議での短い報告や質問など、準備しやすい発言から慣れていく
英語の比重が小さい案件で経験を積み、少しずつ英語の比重が大きい案件に広げる進め方もあります。学習の時間の作り方は学習時間の作り方の記事を参考にしてください。
よくある質問
英語ができると単価は上がりますか?
英語が使えることで、外資系やグローバルなプロジェクトなど、選べる案件の幅が広がることはあります。ただし、報酬は担う役割、案件の需要、稼働日数、商流などで決まり、案件によって大きく変わります。英語の力だけで報酬が決まるわけではありません。
読み書きはできるが、会話に自信がありません。応募できる案件はありますか?
英語の資料を読む、チャットやチケットでやりとりする、といった場面が中心の案件もあります。案件票の「英語」が会議での発言まで含むのかを確かめ、読み書き中心の案件から経験を積むのも一つの進め方です。対応できる場面を正直に伝えておくと、合う案件を探しやすくなります。
面談が英語で行われることはありますか?
英語の条件がある案件では、面談の一部が英語で行われたり、英語での自己紹介や経歴の説明を求められたりすることがあります。英語で話す準備として、自己紹介と直近の案件の説明を英語でまとめておくと落ち着いて答えやすくなります。オンライン面談の準備はオンライン面談の記事で解説しています。
参考にした公的情報・資料
記事の内容は公開日時点の情報にもとづきます。制度や税率は変わることがあるため、手続きの前に必ず各機関の最新情報をご確認ください。