技術顧問・CTO代行のフリーランス面談でよく聞かれる質問と答え方の考え方
公開 2026-11-04 監修:株式会社エージェントベスト
技術顧問・CTO代行の面談でよく聞かれるのは、どの段階の会社で、何を自分で決め、その判断が半年後・1年後にどうなったかです。あわせて、採用や開発体制をどう整えたか、経営陣にどう説明したか、この会社に入ったら最初の3か月で何をするかが問われます。
面談官は技術の知識の量より、「この人に技術の判断を預けたら、うちの段階に合う決め方をしてくれるか」を確かめています。模範解答を覚えるより、自分の経験から判断の場面を3〜4つ選び、どの質問にもそこから答えられるように準備しておくのが近道です。面談全般の答え方の型は業務委託の面談でよく聞かれる質問と答え方で解説しているので、ここでは技術顧問の面談に固有の質問に絞ります。
技術顧問の面談で面談官が見ていること
技術顧問の面談に出てくるのは、多くの場合、社長や役員などの経営陣です。開発の責任者が同席することもありますが、最終的に判断するのは技術者でない人であることが少なくありません。そのため、話の中身に加えて、技術を知らない人にも伝わる話し方かが見られています。
面談官が知りたいのは、おおむね次の3点です。
- 会社の段階との相性:自社と同じ段階の会社で、同じ種類の困りごとを扱ったことがあるか
- 判断の質:何を基準に選び、何をあきらめ、結果をどう見届けたか
- 任せ方の相性:どこまで自分で決め、どこから経営陣に決めてもらう人か
以下の質問は、この3点のどれかを確かめるためのものです。質問の意図が分かれば、答えの中心に何を置くかも決まります。
よく聞かれる質問と答え方の考え方
ここで示す答えの例は、組み立て方を伝えるための架空の例です。そのまま使うのではなく、ご自身の経験に置き換えて準備してください。
1. 「これまで関わった会社の段階と、あなたの役割を教えてください」
確かめたいのは、自社の段階との相性です。創業期・成長期・既存企業のどれか、従業員数と開発チームの人数の目安、関わり方(社員としてか、顧問としてか、月数回か週数日か)を短く伝えます。肩書きと実際の役割がずれている場合は、最初に分けて話すと、後の質問との食い違いが起きません。
架空の例:「成長期の会社で、開発チーム15名ほどの技術方針と採用の責任者を務めていました。肩書きは開発部長で、経営会議には月1回出ていました」
2. 「自分で決めた技術判断で、印象に残っているものは何ですか」
最もよく掘り下げられる質問です。次の順番で組み立てると伝わりやすくなります。
- そのとき会社が何に困っていたか
- どんな選択肢を並べ、何を基準に比べたか
- 何を選び、何をあきらめたか
- 誰に、どう説明して合意を得たか
- 半年後・1年後にどうなったか。見直したことはあるか
「◯◯を導入しました」だけでは、選ぶまでの考え方が見えません。あきらめた選択肢と、その理由まで話せると、判断の質が伝わります。
3. 「うまくいかなかった判断と、その後どうしたかを教えてください」
技術顧問を頼む会社は、何かに困っていることが多く、同じ失敗を避けたいと考えています。うまくいかなかった判断を隠さず、気づいたきっかけ、見直した内容、次に生かしたことを話します。他人のせいにする話し方は、相手に「自分たちも同じように言われるのでは」と受け取られやすいので避けましょう。
4. 「採用や開発体制で、何をしましたか」
人と組織の判断を担ったことがあるかを確かめる質問です。面接に入った経験だけでなく、求める人物像を言葉にした、面接官どうしの評価のずれをなくす仕組みを作った、チームの分け方を変えた、といった仕組みを作った話があると、組織の判断を担った経験として伝わります。
5. 「技術のことを知らない経営陣に、どう説明してきましたか」
経営陣が面談官のときによく出る質問です。実際に説明した場面を一つ選び、何を伝えるために、どんな言葉や資料を使い、相手が何を決めたかを話します。この質問への答え方そのものが、説明の力を示す材料にもなります。専門用語を使わずに話せているかを、準備の段階で確かめておきましょう。
6. 「当社に入ったら、最初の3か月で何をしますか」
案件の資料を読んだうえで聞かれることが多い質問です。面談の段階で分かる情報は限られているので、断定的な計画を語るより、何を確かめてから判断するかを順に示すほうが信頼されます。
架空の例:「最初の1か月は、経営陣と開発の責任者に困りごとを伺い、コードと構成、開発の進め方を確かめます。2か月目に優先して扱う課題を3つほどに絞って提案し、3か月目にその一つ目に着手して、進め方を一緒に確かめたいと考えています」
7. 「どこまで自分で決め、どこから経営陣に任せますか」
任せ方の相性を確かめる質問です。技術の選定や設計の方針は自分で決める、費用や人員が大きく変わる判断は経営陣に選択肢を示して決めてもらう、のように線の引き方を伝えます。顧問の立場では、最終的な判断は会社に残ることが多い点を理解していることも示せます。
8. 「ほかにも顧問先がありますか。どのくらい時間を割けますか」
複数社を並行して受けているかどうかと、自社への応答の早さを確かめる質問です。顧問先の社名は伏せたうえで、並行している数の目安、自社に割ける稼働日数や時間帯、チャットへの応答の範囲を正直に伝えます。ここをあいまいにすると、参画後に期待とのずれが起きやすくなります。
準備は「判断の場面」を3〜4つに絞る
上の質問は数が多く見えますが、答えの材料は共通しています。準備は次の手順で進めると効率的です。
- 場面を選ぶ:技術選定、うまくいかなかった判断、採用や体制づくり、経営陣への説明など、性質の違う場面を3〜4つ選ぶ
- 場面ごとにメモをつくる:会社の段階、困りごと、選択肢、選んだ理由、説明した相手、その後の結果を書き出す
- 規模の言い方をそろえる:従業員数、開発チームの人数、関わった期間を、どの場面でも同じ言い方で話せるようにする
- 2分版と5分版をつくる:最初は2分で話し、掘り下げられたら詳しく話す
- スキルシートと照らし合わせる:シートに書いた「決めたこと」「その後」と話の内容が一致しているかを確かめる
面談官はシートを見ながら質問するため、話とシートがずれると、どちらも信用されにくくなります。シートの書き方は技術顧問・CTO代行のスキルシートの記事、冒頭の自己紹介の組み立て方は面談の自己紹介の記事で解説しています。
面談の相手によって重心が変わる
| 面談の相手 | 重く見られやすい点 |
|---|---|
| 社長・経営陣 | 説明の分かりやすさ、会社の段階との相性、任せ方の線 |
| 開発の責任者 | 技術判断の基準、設計の見立ての深さ、チームとの関わり方 |
| 人事・採用の担当者 | 採用の要件づくり、面接と評価の仕組み |
経営陣と開発の責任者が同席する面談では、同じ質問でも聞きたいことが違います。技術判断の話をするときは、まず経営陣に向けて結論と結果を話し、開発の責任者から掘り下げられたら技術の中身に入る、という順番にすると、両方の関心に応えやすくなります。
技術顧問ならではの逆質問
逆質問は、印象づくりより参画後のずれを防ぐ確認に使います。技術顧問の案件では、次の点を聞いておくと判断がしやすくなります。
- 今いちばん困っていることと、それが解決したと言える状態
- 自分に任される判断の範囲と、報告する相手
- 開発の責任者やリーダーの有無と、役割の分担
- 前任の技術顧問やCTOがいた場合、交代の経緯(答えられる範囲で)
- 定例の回数、チャットへの応答の範囲、現地に行く場面
一般的な逆質問の考え方は業務委託の面談で聞いておくべき逆質問にまとめています。聞いた内容は、契約前の確認にもそのまま使えます。案件を選ぶときの確認点は技術顧問・CTO代行の案件の選び方で整理しています。
よくある質問
CTOの肩書きがなくても、面談で不利になりませんか?
肩書きより、何を自分で決め、その結果がどうだったかが見られます。開発部長やテックリードとして担った判断を、組織や経営への影響まで含めて話せれば、経験として受け止められることが多くあります。肩書き以上の役割を語ると掘り下げられたときに答えに詰まるため、決めた範囲は正確に伝えましょう。
面談で技術的な課題や設計の問題を出されることはありますか?
既存システムの構成図を見せて意見を求められる、仮の状況でどう選定するかを聞かれる、といった形で出ることがあります。正解を一つ答えるより、確かめたい点を挙げてから考えを示すほうが、顧問としての進め方が伝わります。
面談で見送られやすいのはどんなときですか?
会社の段階を考えずに過去のやり方を勧める、どの質問にも抽象的な答えが続く、応答できる時間の説明があいまい、といった場合に見送られやすい傾向があります。理由の全体は面談で見送られる理由の記事で解説しています。