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業界別の案件

教育業界のフリーランスIT案件|GIGAスクール・校務DX・学習系サービス・LMSの特徴

公開 2026-10-29 監修:株式会社エージェントベスト

教育業界のIT案件は、大きくGIGAスクールの端末とネットワーク、校務DX(校務システムのクラウド化)、教育委員会や学校向けの学習系サービス、大学や教育サービス企業のLMS・EdTechの4つに分かれます。公立学校の案件は国の方針と学年の暦に沿って進み、民間の教育サービスは自社サービスの開発・運用として進む点が、分かれ目になります。

この記事では、案件の種類ごとの中身と特徴を整理します(2026年10月時点の文部科学省の公開資料にもとづきます)。学年暦や校務の業務知識は教育業界の業務知識の記事、経験の書き方はスキルシートの記事、守るべきルールは規制とセキュリティの記事で扱います。自治体の調達や予算年度の一般的な仕組みは、公共・官公庁のIT案件の記事と公共案件の業務知識の記事をご覧ください。

教育業界のIT案件は4つに分かれる

種類主な発注者作業の中心
GIGAスクールの端末・ネットワーク都道府県・市区町村の教育委員会、受注した事業者端末の更新と設定、アカウントと端末の管理、校内ネットワークの改善
校務DX教育委員会、校務支援システムの提供事業者クラウド型校務支援システムへの移行、ネットワーク統合、認証とアクセス制御
学習系サービスデジタル教材・学習アプリの事業者、教育委員会学習アプリの開発、学習eポータルや他サービスとの連携、学習データの活用
LMS・教育サービス大学、学校法人、塾・通信教育・研修などの教育サービス企業LMSや会員向けサービスの開発・運用、動画配信、データ分析

公立の小中学校の案件では、発注者は学校ではなく、学校を設置している自治体の教育委員会になるのが基本です。フリーランスが加わる場合は、受注した事業者やその協力会社を通じた契約が多くなります。契約の経路の見方は商流の記事で解説しています。

GIGAスクールの端末とネットワークの案件

GIGAスクール構想は、1人1台端末と高速大容量の通信ネットワークなどの学校ICT環境を整備・活用し、「個別最適な学び」と「協働的な学び」を実現することを目指す取り組みです。文部科学省の資料(2025年3月)では、2024年3月時点で児童生徒1人当たりの学習者用コンピュータは1.1台、普通教室の無線LAN整備率は96.2%とされています。

整備がひととおり終わったいま、案件の中心は更新と改善に移っています。

端末の更新

同じ資料では、端末について2023年度の補正予算で2025年度までの更新に必要な経費を確保したこと、今後の方向として「共同調達スキームの下での着実な端末更新」を進めることが示されています。文部科学省は、学習者用コンピュータの最低スペック基準や調達等ガイドライン(いずれも2024年4月17日)を公開しています。

フリーランスが関わるのは、次のような作業です。

ネットワークの改善

文部科学省は、GIGA端末はクラウドの利用を前提としており、ネットワーク環境がないと十分に活用できないとしています。2024年4月には、学校規模ごとの帯域の目安(当面の推奨帯域)を公表しました。2025年6月には、自治体の担当者向けの「学校のネットワーク改善ガイドブック」の改定版と、ネットワークアセスメントの実施状況の調査結果をまとめています。

このため、通信の測定と分析、ボトルネックの特定、回線や校内LANの設計の見直しといったネットワークの案件が見られます。

校務DXの案件

校務DXは、成績処理や出欠管理など先生の事務作業を支えるシステムを見直す取り組みです。文部科学省の資料では、2024年3月時点の統合型校務支援システムの整備率は91.4%です。一方で、校務支援システムが自前のサーバに構築され、校務の多くが職員室でしかできないことや、ネットワークが分かれていて学習系と校務系のデータの連携が難しいことが課題とされています。

文部科学省は、クラウド上で校務を行うことを前提にした「次世代校務DX」を進めています。その要素は次の4つです。

  1. 強固なアクセス制御による対策
  2. ネットワークの統合
  3. クラウド型校務支援システムの整備
  4. データの可視化・利活用を行うための機能の整備

あわせて、都道府県の教育委員会が主導して、関連するシステムを共同調達・共同利用することが推進されています。2025年4月には「次世代校務DXガイドブック」も公開されました。

案件としては、クラウド型校務支援システムへのデータ移行、認証基盤や多要素認証の設計、校務系と学習系のネットワーク統合の計画、データを見える化するダッシュボードの構築、共同調達の要件整理や移行のPMOなどがあります。

学習系サービスの案件

学習系サービスは、授業や家庭学習で児童生徒と先生が使うソフトウェアです。デジタル教材、ドリル、協働学習のツール、学習記録の管理などが含まれます。発注者は、サービスを提供する民間企業であることが多く、開発の進め方は一般のWebサービスやアプリに近くなります。

教育ならではの点は、国が示す仕組みや標準との連携です。

学習系サービスの案件では、こうした仕組みとの連携、学習データの設計、たくさんの児童生徒が同じ時間に使う前提での性能の確保が求められます。

LMS・教育サービス企業の案件

大学や学校法人、塾・通信教育・社会人向け研修などの教育サービス企業の案件です。LMS(学習管理システム)の導入や改修、オンライン講座の配信、受講者の管理、学習データの分析などが中心になります。

民間企業の自社サービスの案件では、開発の進め方や契約は一般のWeb系の案件に近く、教育特有の手続きは比較的少なくなります。ただし、利用者に未成年が含まれる場合や、学校から委託されて児童生徒の情報を扱う場合は、個人情報の扱いの決まりが厳しくなります。中身は規制とセキュリティの記事で扱います。

また、文部科学省は「初等中等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドライン」(Ver.2.0、2024年12月26日)を公表しています。学習系サービスやLMSで生成AIを使う機能を作る場合は、このガイドラインが学校側の判断の材料になります。

民間の案件と比べたときの特徴

観点教育業界の案件で多い傾向
予定の決まり方公立は会計年度と学年の始まりに合わせて組まれる。切り替えは学年や学期の区切りを意識して計画されることが多い
利用者児童生徒、保護者、教職員と、ITの得意不得意が幅広い
規模1つの自治体でも学校数・端末数が多く、同時に使われる時間が授業時間に集中する
体制都道府県・市区町村の教育委員会、学校、複数の事業者が関わる
ルール教育委員会ごとの教育情報セキュリティポリシーや、個人情報の決まりに従う

公立の案件は、年度で契約が区切られ、年度末に作業が集まりやすい点で、公共の案件と共通しています。長く続く運用保守と、更新や移行のような山のある案件のどちらに入るかで、働き方は変わります。考え方は長期案件と短期案件の記事、案件票の確かめ方は案件票の読み方の記事をご覧ください。

よくある質問

教育業界の経験がなくても、教育の案件に参画できますか?

参画できることはあります。端末管理、ネットワーク、クラウド移行、Webサービスの開発など、技術の役割が合っていれば、教育分野が初めてでも検討されます。そのうえで、校務系と学習系の違いや学年の暦など、教育ならではの前提を学んでいることを伝えると、受け止められやすくなります。学び方は業務知識の記事をご覧ください。

GIGAスクールの案件は、端末の配布が終わってなくなりましたか?

なくなってはいません。文部科学省は、共同調達の下での端末更新、ネットワークの改善、クラウドを使った校務DXを今後の方向として示しています。整備のときとは作業の中身が変わり、更新、運用、改善の案件が中心になっています。

教育サービス企業の案件と、教育委員会の案件はどう違いますか?

教育サービス企業の案件は、自社サービスの開発・運用として進み、一般のWeb系の案件に近い進め方になります。教育委員会の案件は、国の方針、年度の予算、教育委員会のセキュリティポリシーに沿って進みます。同じ学習系サービスでも、どちらの立場の案件かで、求められる手続きや文書が変わります。

参考にした公的情報・資料

記事の内容は公開日時点の情報にもとづきます。制度や税率は変わることがあるため、手続きの前に必ず各機関の最新情報をご確認ください。

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