iOSエンジニアのフリーランス面談でよく聞かれる質問と答え方
公開 2026-11-04 監修:株式会社エージェントベスト
フリーランスのiOSエンジニアの面談でよく聞かれるのは、どのアプリでどこを担当したか、Swiftの並行処理やSwiftUIにどう向き合ってきたか、審査とリリースにどこまで関わったか、不具合をどう調べて直したかの4つです。面談官は知識の量より、「この人に今のコードを渡したら、壊さずに前へ進めてくれるか」を確かめようとしています。
準備では、模範回答を覚えるより、自分の経験から「判断した場面」を3〜4つ選び、どの質問にもそこから答えられるようにしておくのが近道です。面談全般の答え方は業務委託の面談でよく聞かれる質問と答え方にまとめているので、ここではiOSの面談に固有の点に絞ります。
iOSの面談で面談官が見ていること
iOS案件の面談に出てくるのは、発注元のテックリードやiOSチームのリーダー、PdMであることが多くあります。テックリードは技術の深さを、PdMは進め方や話の通じやすさを見ています。どちらも気にしているのは、おおむね次の3点です。
- 今のコードに入れるか:アプリの規模、UIKitとSwiftUIの比率、最低対応OSなど、自社の状態に近い経験があるか
- リリースを任せられるか:TestFlightでの配布、審査への提出、リリース後のクラッシュへの対応を経験しているか
- チームで動けるか:レビューの受け方と出し方、デザイナーやサーバー側の開発者とのやり取りが自社のやり方に合うか
以下の質問は、この3点のどれかを確かめるためのものです。意図が分かれば、答えの中心に何を置くかも決まります。
よく聞かれる質問と答え方の考え方
答えの例は組み立て方を示すための架空の例です。ご自身の経験に置き換えて準備してください。
1. 「直近で担当したアプリと、あなたの役割を教えてください」
確かめたいのは、自社のアプリに近いかどうかです。アプリの種類、利用者の規模感、チームの人数、自分の担当範囲、UIKitとSwiftUIの比率、最低対応OSを短く伝えます。社名やアプリ名は伏せてかまいません。
架空の例:「会員向けの予約アプリで、iOSは3名のチームでした。画面の新規開発はSwiftUI、既存画面はUIKitで、比率は半々くらいです。私は予約と決済の画面を担当し、レビューも受け持っていました」
2. 「Swiftの並行処理(async/await、actor)はどう使っていますか」
並行処理への理解は、iOSの面談でよく掘り下げられる点です。言葉の説明より、既存のコールバックやCombineの処理をどう置き換えたか、データの競合をどう避けたかといった場面を話すと伝わります。Swift 6の言語モードへの移行を経験していれば、どの層から手をつけ、警告やエラーをどう減らしたかが話の材料になります。技術の背景はiOSエンジニアのスキルの記事で整理しています。
3. 「SwiftUIとUIKitを、どう使い分けていますか」
正解を聞いている質問ではありません。自社のアプリが混在している場合に、どちらかに偏らず判断できるかを見ています。「新しい画面はSwiftUIで作り、複雑なリストや既存の部品はUIKitを残して、境目はこう包んだ」のように、使い分けた理由と境目の扱いを話しましょう。
4. 「画面とデータの分け方(設計)はどうしていましたか」
MVVMなどの名前を挙げるだけでは、判断の中身が見えません。チームの規模や画面の数に対して、なぜその分け方にしたのか、テストをどこまで書いたのかを話します。自分で決めた方針なのか、既存の方針に従ったのかも分けて伝えると、誇張していない印象になります。
5. 「App Storeの審査で指摘を受けたことはありますか」
審査とリリースへの関わりを確かめる質問です。指摘の内容、どう直したか、再提出までの流れを話します。Appleの審査ガイドラインは安全性・パフォーマンス・ビジネス・デザイン・法的事項の5章で構成され、アカウント作成ができるアプリにはアプリ内でのアカウント削除が求められています(2026年10月時点、Appleの案内による)。こうした要件を前もって確かめていた経験があれば、あわせて話すと伝わりやすくなります。提出を社員が担っていた場合は、自分がどこまで準備したかを正確に伝えます。
6. 「リリース後に大きな不具合が出たとき、どう対応しましたか」
クラッシュの報告や利用者の声から、原因をどう絞り込み、どの順番で直したかを話します。次の順で組み立てると伝わりやすくなります。
- 何から異常に気づいたか(クラッシュの報告、問い合わせ、指標の変化など)
- 再現の手順をどう見つけたか(端末、OSの版、通信の状態)
- 暫定の対処と本来の修正をどう分けたか
- 誰にいつ伝え、修正版をどう出したか
- 再発を防ぐために何を変えたか
7. 「Appleの要件の変化には、どう追従していますか」
App Store Connectへのアップロードには、2026年4月28日からXcode 26以降とiOS 26などのSDKでのビルドが、2026年9月9日からはiOS 13以降を対象にすることが求められています(2026年10月時点、Apple Developerの案内による)。面談官は日付を覚えているかではなく、こうした要件をどこで確かめ、チームでどう対応を計画したかを聞いています。
8. 「なぜフリーランスで、なぜこの案件なのですか」
長く続けてもらえるか、案件との相性はどうかを確かめる質問です。働き方の希望だけでなく、どんな状態のアプリで力を出したいかを添えると、案件との合い方が伝わります。
準備は「判断の場面」と「数字」をそろえる
質問は多く見えますが、答えの材料は共通しています。次の手順で準備すると効率的です。
- 場面を選ぶ:設計の判断、移行、審査の指摘、リリース後の不具合など、性質の違う場面を3〜4つ選ぶ
- 場面ごとにメモをつくる:状況、選択肢、選んだ理由、結果、学びを書き出す
- 規模をそろえる:チームの人数、画面の数、最低対応OS、技術の比率を、どの場面でも同じ数字で言えるようにする
- 画面を共有できる材料を用意する:個人開発のアプリや検証用のコードがあれば、見せられる状態にしておく
- スキルシートと照らし合わせる:面談官はシートを見ながら質問するため、話とシートの内容をそろえる
シートの書き方はiOSエンジニアのスキルシートの記事、冒頭の話し方は面談の自己紹介の組み立て方で解説しています。コードを書く課題やライブコーディングが出る場合の備えは技術面談・コーディングテストへの備え方をご覧ください。
面談の相手によって重心が変わる
| 面談の相手 | 重く見られやすい点 |
|---|---|
| テックリード・iOSのリーダー | 並行処理、設計の判断、レビューの仕方、移行の経験 |
| PdM・事業側の担当者 | 仕様の詰め方、見積もりの出し方、リリースの進め方 |
| 受託会社のPM(受託開発の案件) | 仕様の確認の仕方、納期への向き合い方、報告の仕方 |
テックリードとPdMが同席する面談では、技術の話をした後に「それで利用者や開発の進み方にどう効いたか」を一言添えると、両方に伝わります。
iOSエンジニアならではの逆質問
逆質問は印象づくりより、参画後のずれを防ぐ確認に使います。iOSの案件では、次の点を聞いておくと判断しやすくなります。
- UIKitとSwiftUIの比率、最低対応OS、Swift 6の言語モードへの移行の状況
- 審査への提出とリリースの判断を誰が担うか
- TestFlightでの配布やCIの仕組みが整っているか
- 開発用のMacと検証用の端末の扱い(貸与か、持ち込みか)
- Androidやサーバー側のチームとの仕様のそろえ方
一般的な考え方は業務委託の面談で聞いておくべき逆質問にまとめています。聞いた内容は契約前の確認にもそのまま使えます。確認点の全体はiOSエンジニアの案件の選び方で整理しています。
よくある質問
SwiftUIの経験が少なくても、面談で不利になりますか?
案件によります。UIKitが中心の運用中アプリでは、UIKitの経験が重く見られることもあります。SwiftUIの経験が浅い場合は、個人開発や検証で試した内容と、UIKitとの境目をどう扱うかの考えを話せるようにしておくと、受け止めてもらいやすくなります。
面談でライブコーディングを求められることはありますか?
一部の案件ではあります。短い課題を画面共有で解いたり、既存のコードを読んで改善点を話したりする形が多く見られます。長い時間を要する課題を無償で求められた場合の考え方は、面談で課題の提出を求められたときをご覧ください。
個人開発のアプリは面談で話してよいですか?
話して問題ありません。仕事の経験が少ない技術を補う材料になります。審査を通した経験や、利用者の声を受けて直した経験があれば、実務に近い話として伝わります。個人開発の扱い方はiOSエンジニアがフリーランスになるにはでも解説しています。
参考にした公的情報・資料
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