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MA・CRMツールのエンジニアのフリーランスの将来性とキャリアの広げ方

公開 2026-10-29 監修:株式会社エージェントベスト

MA・CRMツールのエンジニアの将来性は、配信やシナリオを作る作業の量ではなく、データと同意の記録、送信元の信頼性を整え、ツールに組み込まれつつあるAIにどこまで任せるかを決められるかで変わります。大手のメールサービスは送信者に技術的な要件を示すようになり、MAの製品はAIによるメールやキャンペーンの作成を打ち出しています(2026年10月時点)。

作業の一部はツールが肩代わりするようになっても、何を誰に送ってよいか、どのデータを正とするかを決める仕事は残ります。この記事では、公式の発表から読み取れる変化と、経験の段階に応じた広げ方を整理します。

公式の動向から見える3つの変化

送信者に求められる技術的な要件がはっきりした

Googleは「メール送信者のガイドライン」で、2024年2月1日以降、個人用のGmailアカウントに送るすべての送信者に送信元の認証などを求め、大量に送る送信者にはDMARCの設定やワンクリックでの登録解除も求めています。Yahooも送信者向けのページで、大量に送る送信者に同様の認証とワンクリックの登録解除を求め、2024年2月から段階的に適用を始めたと説明しています(いずれも2026年10月時点の記載)。

これにより、配信の土台の設定は「できれば整えたいもの」から「整っていないと届きにくくなるもの」に変わりました。認証の設定や配信停止の反映、迷惑メールとして報告される割合の監視は、マーケティング部門だけでは扱いにくく、技術の分かる人が求められる領域です。要件の中身はMA・CRMのスキルの記事で解説しています。

MAの製品にAIエージェントが組み込まれつつある

HubSpotの製品ページでは、Marketing Hubに、ブログやランディングページの作成を支援するエージェント、目標からキャンペーンを計画するエージェント、コンタクトごとにメールを作るエージェントなどを備えると説明しています。あわせて、マーケティングの施策がCRMのデータを使ってメールやコンテンツを個別に出し分けること、営業や顧客サポートの製品と同じ基盤でつながることを打ち出しています(2026年10月時点)。

ここから読み取れるのは、文面の作成や配信の組み立てといった作業の一部を、ツールの機能が担う方向に進んでいることです。一方で、個別の出し分けの質は、もとになるCRMのデータの質を超えません。データの定義をそろえ、重複を片づけ、使ってよいデータの範囲を決める仕事の重みは、むしろ増していきます。製品の名前や機能の範囲は変わりやすいため、最新の内容は各社の公式ページでご確認ください。

同意と外部送信のルールは前提として残る

広告や宣伝のメールには、特定電子メール法により、同意の取得と記録の保存、受信を拒否した人に送らないこと、送信者の表示などが求められています。AIが文面を作るようになっても、誰に送ってよいかを決めるこの前提は変わりません。計測のタグや閲覧履歴の扱いには、外部送信規律や個人関連情報のルールも関わります。これらは広告・メディア業界の規制の記事で扱っています。

仕事の中身がどう変わるか

担う範囲ごとに、これまでの中心と、加わりやすい仕事をまとめると次のようになります。

担う範囲これまでの中心加わりやすい仕事
運用メールやフォームの作成、配信設定、リストの抽出AIが作った文面と出し分けの確認、配信停止や同意の記録の点検
シナリオ・スコアリング設計分岐とスコアの条件の設計AIに任せる範囲と人が決める範囲の線引き、効果の測り方の設計
データ連携・開発CRMや基幹システムとの同期、APIの開発AIが使うデータの取り込み範囲と鮮度の設計、連携の監視
全体設計ツールの構成、データモデル、運用のルール送信元の信頼性と同意の管理を含めた配信の土台の設計

どの範囲でも共通しているのは、「何を作ったか」より「何を決めたか」を問われる場面が増えることです。

経験の段階に応じた広げ方

運用を中心に担ってきた方

配信の作業は、ツールの機能が少しずつ肩代わりしていく部分です。運用の経験を生かしつつ、次のどれかに手を広げると、選べる案件が増えます。

連携や開発を担ってきた方

MAとCRM、データ基盤をつなぐ仕事は、AIの機能が使うデータの土台になるため、今後も求められやすい領域です。データの加工や基盤の設計に広げる道はデータエンジニアの将来性の記事、生成AIを組み込む開発に広げる道は生成AIエンジニアの将来性の記事が参考になります。

設計や導入の取りまとめを担ってきた方

部門をまたいだ合意を取りまとめてきた経験は、AIに任せる範囲を決める場面でそのまま生かせます。ツールの選定や、複数のツールをまたぐ全体の構成、運用のルールづくりといった上流の仕事に広げる考え方は上流工程の記事で解説しています。

変化に合わせて今からできること

大きな学び直しをしなくても、日々の案件の中で備えられることがあります。

  1. 公式の更新情報を定期的に読む:ツールの製品ページやリリースの案内、メールサービスの送信者向けのページは、要件や機能が更新されます。案件で使っているツールの情報だけでも、月に一度は目を通しておくと、変更に気づくのが早くなります
  2. データの定義を書き残す:見込み客の段階や主な項目の意味を、誰が読んでも分かる形で残します。AIの機能を入れるときも、人が引き継ぐときも、同じ資料が土台になります
  3. 検証の環境で新しい機能に触れる:本番の配信には使わず、試せる環境で動きを確かめておくと、面談で話題に出たときに具体的に答えられます
  4. 配信の健全さを数字で見る習慣をつける:配信停止の申し出の増え方や、迷惑メールとして報告される割合など、配信の健全さを示す数字を定期的に確かめます

どれも、今の案件の価値を上げながら、次の案件で話せる材料にもなります。

隣の領域への広げ方

MA・CRMの経験は、隣の領域とつながっています。どの方向に広げるかで、足す知識が変わります。

広げ方を選ぶときは、今の経験と重なる部分が大きい方向から始めると、案件の面談で話せる材料をそろえやすくなります。

よくある質問

AIの機能が増えると、MA・CRMのエンジニアの仕事は減りますか?

現時点で言い切ることはできません。文面の作成や配信の組み立てなど、作業の一部はツールが担うようになっていますが、データを整え、送ってよい相手を決め、配信の土台を保つ仕事は残ります。作業の量より、決める役割に寄せていくことが、変化への備えになります。

どのツールを覚えておけば将来も安心ですか?

特定のツールを選べば安心、ということはありません。製品の機能や名前は変わりやすく、案件で使うツールも発注側の事情で決まります。見込み客の単位、同期の方式、配信停止の反映といった、ツールが替わっても通用する考え方を身につけておくほうが、長く生かせます。

他の職種からMA・CRMに移ることはできますか?

CRMやWebの開発、データの分析、マーケティング部門での運用などの経験は、MA・CRMの案件でも生かせます。独立の進め方はMA・CRMツールのエンジニアがフリーランスになるにはで解説しています。

参考にした公的情報・資料

記事の内容は公開日時点の情報にもとづきます。制度や税率は変わることがあるため、手続きの前に必ず各機関の最新情報をご確認ください。

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