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Web制作・デザインUI/UXデザイナーのフリーランスの将来性とキャリアの広げ方
公開 2026-10-29 監修:株式会社エージェントベスト
UI/UXデザイナーは、公的な人材の整理と行政のガイドラインの両方で、役割がはっきり書かれるようになった職種です。2026年4月に公開されたデジタルスキル標準ver.2.0では「UX/UIデザイナー」がDXを進める役割の一つとして定義され、デジタル庁のユーザビリティのガイドラインでは、試作を使った評価やアクセシビリティへの対応が行政の情報システムに求められています。
一方で、画面を作る作業だけを担う働き方は、任される範囲が限られやすくなります。今後の広げ方は、調査と評価で使いやすさを判断する力を軸に、サービス全体の設計、デザインの仕組みづくり、アクセシビリティ、AIを組み込んだ機能の設計のどれかへ深めていくことです。この記事では、2026年10月時点で公式に確かめられる動向をもとに整理します。
デジタルスキル標準で示されたUX/UIデザイナーの位置づけ
IPA(情報処理推進機構)と経済産業省は、2026年4月16日にデジタルスキル標準ver.2.0を公開しました。DXを進める人材を6つの類型に分け、そのうち「デザイナー」の類型には、サービスデザイナー、UX/UIデザイナー、コミュニケーションデザイナーの3つのロールが置かれています。
デザイナー編の分冊版では、UX/UIデザイナーについて次の点が示されています。
- 顧客・ユーザー体験を設計し、情報設計や機能、情報の配置、外観、動きのデザインを行う役割である
- UXを切り離して設計すると価値を実現できないおそれがあるため、UXデザインとUIデザインを一体のロールとして定義している
- DXをこれから始める企業が特に優先してそろえたほうがよいと考えられるロールである
ver.2.0では、デザイナーの類型にコミュニケーションデザイナーが加わり、組織の変革をデザインの手法で進める「デザインマネジメント実践」のスキルも追加されました。デザイナーに期待される範囲が、画面やサービスの設計から、組織や伝え方にまで広がっていることが読み取れます。
発注側が人材の要件を考えるときにこうした整理を参照すると、「デザイナー」という言葉の中身を役割ごとに分けて考えやすくなります。フリーランスにとっては、自分の経験がどのロールに当たるかを説明する材料になります。
行政のガイドラインで使いやすさが要件になっている
デジタル庁は、行政の情報システムの使いやすさについて、守るべきガイドラインと参考にするガイドブックを公開しています。2026年10月時点の主な文書は次のとおりです。
| 文書 | 位置づけと時点 |
|---|---|
| DS-670.1 ユーザビリティガイドライン | 守るべき文書。2025年9月30日策定、2026年6月12日改定 |
| DS-671.1 ユーザビリティ導入ガイドブック | 参考の文書。2026年6月1日改定 |
| DS-671.2 ウェブアクセシビリティ導入ガイドブック | 参考の文書。2025年10月16日改定 |
| デジタル庁デザインシステム | 参考資料。β版で、2026年10月21日にv2.18.2へ更新 |
DS-670.1では、各府省が、画面の基本的な機能や遷移、レイアウトを確かめるために段階的に試作を作り、実装の前後で利用者による模擬操作を通じて評価するよう努めることが書かれています。ユーザビリティテストやヒューリスティック評価など、評価の方法を計画することも求められています。
デジタル庁デザインシステムは、行政機関や地方自治体、公共性の高い組織などのウェブサイトやサービスで使われることを想定して作られ、「リビングスタンダード」として更新が続いています。こうした共通の部品と決まりが整うと、デザイナーに求められる仕事は、部品を一から作ることよりも、決まりを個々のサービスや業務に合わせて当てはめ、足りない部分を利用者の調査にもとづいて補うことへ移っていくと考えられます。
こうした文書は行政の情報システムを対象にしたものですが、調査と試作による評価を開発の工程に組み込む考え方は、民間の業務システムにも通じます。公共分野のIT案件の特徴は公共・官公庁業界の記事で解説しています。
アクセシビリティへの対応が広がる
アクセシビリティは、公共の分野に限らず求められる場面が増えています。障害者差別解消法の改正により、事業者による障害のある人への合理的配慮の提供が義務となり、改正法は2024年4月1日に施行されました(内閣府)。ウェブサイトやアプリでどこまでの対応が求められるかは個別の判断が必要なため、発注側の方針と専門家の見解を確かめながら進めることになります。
基準としては、W3CのWCAGが国際的な指針で、2026年10月時点の最新版は2.2です。デジタル庁のDS-670.1では、各府省がアクセシビリティについて準拠すべき基準(JIS X 8341-3、WCAG等)を明らかにするよう努めるとされています。基準を読み、設計の段階で対応を決められるデザイナーは、今後も必要とされやすいと考えられます。
AIを組み込んだ機能の設計という新しい論点
AIを組み込んだ機能の設計も、UI/UXデザイナーが関わる場面として公式の文書に現れています。2026年6月に改定されたDS-670.1には、AIシステムを使うサービスで、利用者が理解し、判断し、操作するために必要な情報が適切に届くよう、設計の過程で評価する項目が入りました。
また、デジタル庁は2026年2月20日に「サービスデザイン関連ガイドライン改訂に係る検討会」の第5回を開き、DS-601.1 サービスデザイン導入ガイドブック、DS-602.1 サービスデザイン実践ガイドブック、DS-651.1 AIにおける人間中心導入ガイドブックについて改訂の方針に関する意見を整理しています。AIの出力をどう見せるか、誤りをどう伝えるかといった設計は、人間中心の考え方が問われる新しい領域です。生成AIに関わる仕事の広がりは生成AIの将来性の記事もご覧ください。
キャリアの広げ方
UI/UXデザイナーとして経験を積んだあとの広げ方は、大きく次の方向に分けられます。どれも、調査と評価で判断する力が土台になります。
| 方向 | 広げる中身 | 向いている人 |
|---|---|---|
| サービス全体の設計 | 画面の外の接点や業務の仕組みまで含めて設計する(サービスデザイナーに近い役割) | 関係者を集めて方針をまとめるのが得意な人 |
| デザインの仕組みづくり | デザインシステムの運用、評価の進め方の整備、チームの育成 | 長く関わる案件で、他の人が同じ質で進められる状態を作りたい人 |
| アクセシビリティ | 基準に沿った設計と評価、改善の計画 | 基準を読み込み、細かく確かめる作業が苦にならない人 |
| AIを組み込んだ機能 | AIの出力の見せ方、誤りの伝え方、利用者の不安への配慮 | 新しい技術に触れながら、使いやすさを考えたい人 |
| プロダクトの判断 | 何を作るかの判断まで担う(PdMに近い役割) | 事業の数字にも関わりたい人 |
PdMの役割に広げる場合の考え方はPdMの将来性の記事、専門を深めるか幅を広げるかの考え方はスペシャリストとジェネラリストの記事にまとめています。
よくある質問
生成AIで画面の案を作れるようになると、UI/UXデザイナーの仕事は減りますか?
画面の案を作る作業の一部は、道具の変化で速くなる可能性があります。一方で、利用者を調べて課題を確かめ、試作を評価して直す工程は、行政のガイドラインでも求められている仕事です。作る作業だけでなく、判断と評価を担える範囲を広げておくことが備えになります。
公共の案件に関わるには何を準備すればよいですか?
デジタル庁が公開しているユーザビリティやアクセシビリティのガイドラインと、デザインシステムに目を通しておくことをおすすめします。そのうえで、評価の計画や記録の残し方を説明できるようにしておくと、話が進めやすくなります。求められるスキルはUI/UXデザイナーのスキルの記事をご覧ください。
40代・50代からでも将来性はありますか?
年齢よりも、担える工程と判断の経験が見られます。業務の知識が深い方は、業務システムの設計や、サービス全体の設計で強みを出しやすくなります。独立の進め方はUI/UXデザイナーがフリーランスになるにはをご覧ください。
参考にした公的情報・資料
- デジタルスキル標準ver.2.0を公開(IPA 情報処理推進機構 プレス発表)
- デジタルスキル標準DSS-P 分冊版 デザイナー編 ver.2.0(IPA 情報処理推進機構)
- デジタル社会推進標準ガイドライン(デジタル庁)
- DS-670.1 ユーザビリティガイドライン(2026年6月12日 デジタル庁)
- 第5回サービスデザイン関連ガイドライン改訂に係る検討会(デジタル庁)
- デジタル庁デザインシステム(デジタル庁)
- 障害を理由とする差別の解消の推進(内閣府)
- Web Content Accessibility Guidelines (WCAG) 2.2(W3C)
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