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Web制作・デザインWordPressエンジニアの参画初月にやること|現場で信頼される進め方
公開 2026-11-04 監修:株式会社エージェントベスト
WordPressエンジニアの参画初月は、サイトの構成と版を把握し、検証から本番反映までの流れを確かめ、最初の小さな作業を安全に終えて、月末に「現状の見立て」と「改善の案」を出すところまでを目標にします。最初の1か月で求められるのは、多くの機能を作ることより、この人なら運用中のサイトを任せて大丈夫だと発注元が判断できる材料を示すことです。
参画前の契約・環境の準備は参画が決まってから開始日までにやること、職種を問わない最初の1週間の進め方は参画初日から最初の1週間でやることで解説しています。この記事では、WordPressならではの初月の動き方に絞ります。
初月のゴールを3つに分ける
| ゴール | 中身 | 月末に手元にあるもの |
|---|---|---|
| サイトをつかむ | 本体・PHP・テーマ・プラグインの版と、手が加えられた箇所を把握する | サイトの構成表と、危うい点の一覧 |
| 作業の流れをつかむ | 検証環境、変更の管理、本番への反映、確認してもらう人を知る | 作業の手順のメモ(発注元と共有したもの) |
| 信頼の土台をつくる | 小さな作業を手順どおりに終え、改善の案を出す | 終えた作業の記録と、次の1〜2か月の改善の案 |
この3つを、1週目、2週目、3〜4週目の順に重心を移しながら進めます。
1週目:サイトの構成と版を調べる
最初に確かめること
WordPressの案件では、コードを書く前に、サイトが今どういう状態かを知ることが最初の仕事です。次の順で確かめると、全体像をつかみやすくなります。
- 本体とPHPの版:WordPressの公式の推奨環境は、2026年10月時点でPHP 8.3以上です。サーバーの版がそれより古い場合は、後の更新の計画に関わります
- テーマの種類:クラシックテーマかブロックテーマか、親テーマと子テーマの関係、テーマの中に機能が詰め込まれていないか
- プラグインの一覧:役割、更新が続いているか、有料のものの契約者は誰か
- 手が加えられた箇所:本体やプラグインのファイルが直接書き換えられていないか、管理画面の設定に頼った作りがどこにあるか
- サーバーとバックアップ:どこで動いていて、バックアップがいつ、どこに取られているか
公式サイトのセキュリティのページでは、正式にサポートされるのは最新版だけと説明されています(2026年10月時点)。本体やプラグインが古いまま止まっている場合も、この段階では直さず、一覧に書き留めておきます。
関係者と短く話す
発注元の担当者、記事やお知らせを入力している人、デザイナーや制作会社の窓口と、それぞれ短く話す機会をもらいます。聞くことは次の3つに絞ると、相手の負担になりません。
- このサイトで今一番困っていること
- 管理画面で使いにくいと感じている点
- 過去に起きた不具合や、更新で困った経験
入力している人の困りごとは、資料には出てこない改善の手がかりになります。
2週目:作業の流れを確かめ、最初の作業を終える
検証から本番反映までを一度通す
2週目には、検証環境での作業、変更の管理、本番への反映、発注元に確かめてもらうまでの流れを、小さな作業で一度通します。検証環境がない、Gitを使っていない、といった場合は、すぐに作り替えず、まず今の流れで安全に進められる方法を発注元と確かめます。リモートでの進め方の工夫はWordPressエンジニアのリモートの記事でも触れています。
最初の作業は小さく、記録を厚く
最初に任される作業は、小さな改修や不具合の修正であることが多いです。ここで大切なのは、速さよりも、何を変え、どこで確かめ、何が起きたら戻すかを前もって伝え、終わったら結果を短く報告することです。作業の前後で、変えたファイルと設定を記録しておきます。
権限と個人情報の扱いを決める
管理画面やサーバーのアカウントは自分専用のものをもらい、必要な権限だけにしてもらいます。問い合わせの内容や会員の情報が見える場合は、扱い方を確かめます。考え方は個人情報を扱う業務委託の記事をご覧ください。
3〜4週目:見立てを出し、改善の案に合意を取る
現状の見立てをまとめる
1〜2週目で調べたことをもとに、現状の見立てをまとめます。中身は次のとおりです。
- 本体・PHP・テーマ・プラグインの版と、更新の遅れ
- 更新の止まったプラグインや、直接書き換えられた箇所などの危うい点
- 入力する人の困りごとと、その原因の見立て
- このまま運用を続けた場合に起きそうなこと
改善の案は優先順位と選択肢で出す
改善が必要な点が多くても、一度にすべてを直す案を出すと、発注元は判断しにくくなります。安全に関わるもの、業務の困りごとに関わるもの、急がないものに分け、それぞれの手間と危うさを示して、どこから手を付けるかを選んでもらう形にします。作り直しを勧めたい場合も、更新で延命する案と並べて出すと、前の制作者の作りを否定する印象を和らげられます。
次の1〜2か月の作業を決める
合意した内容をもとに、次の1〜2か月の作業と、更新の予定を決めて共有します。ここまでできれば、初月の役割は十分に果たせています。
案件の型によって初月の重心は変わる
保守を引き継ぐ案件
前の担当者から引き継ぐ案件では、引き継ぎの資料と実際のサイトの食い違いを探すことが初月の中心になります。資料にないプラグインや設定、サーバーの予約処理などが見つかることもあります。引き継ぎの進め方は引き継ぎの記事も参考になります。
構築の途中から入る案件
制作の途中から入る場合は、デザインとの分担、テーマの作り方の決まり、公開までの日程をつかむことが先です。既に書かれたコードの書き方に合わせ、自分の作り方を持ち込まないことが大切です。
移行や作り直しの案件
古いサイトを新しい版や作りに移す案件では、初月は調査と計画づくりが中心になります。月末には、移す範囲、順番、検証の方法、公開の切り替え方の骨子を出せることを目指します。
初月に避けたい動き
| 避けたい動き | 起きやすいこと | 代わりにすること |
|---|---|---|
| 本番で直接直す | 履歴が残らず、次の更新で消えたり食い違ったりする | 検証環境で直して手順どおりに反映する |
| 本体やプラグインをまとめて更新する | 不具合の原因が絞れなくなる | 状態を記録し、計画を立ててから一つずつ上げる |
| 前の制作者の作りを否定する | 発注元が身構え、情報が集まりにくくなる | 事実と危うさだけを示し、選択肢で出す |
| 使い慣れたプラグインに入れ替える | 発注元の運用が変わり、混乱する | 理由と影響を示し、合意を取ってから進める |
| 範囲外の小さな依頼を抱え込む | 本来の作業が手薄になり、無償の作業が積み重なる | 契約の範囲を確かめ、外れる依頼は窓口と話す |
範囲外の依頼が増えてきたときの扱いは業務範囲が変わったときの記事、WordPressエンジニアがつまずきやすい場面はWordPressエンジニアのフリーランスがつまずきやすい点と対策で整理しています。
1か月の終わりに振り返ること
1か月が過ぎたら、次の点を自分で振り返ります。
- サイトの構成表と危うい点の一覧を、発注元と共有できたか
- 検証から本番反映までの流れを、手順として残せたか
- 終えた作業の記録が残っているか
- 契約で決めた業務の範囲と、実際に担っている作業がずれていないか
- 稼働時間の記録が残っているか
ずれている点があれば、2か月目の早い段階で窓口と話しておきます。
よくある質問
引き継ぎの資料がほとんどありません。何から始めればよいですか?
管理画面のプラグインの一覧、テーマのファイル、サーバーの設定から、サイトの構成表を自分で作るのが近道です。そのうえで、発注元の担当者と入力している人に、今困っていることを聞いてください。資料がない状態そのものも、現状の見立ての一部として報告に含めておくとよいでしょう。
参画初月から大きな改修を頼まれたら、どうすればよいですか?
急ぐ必要がある場合でも、サイトの構成とバックアップの所在を確かめてから着手します。改修の影響が及ぶ範囲と、まだ分かっていない点を示したうえで進め方を発注元と決めておくと、後で問題が見つかったときにも説明しやすくなります。
検証環境がない現場では、どう進めればよいですか?
本番のサイトの複製を作れるかを、まず発注元と確かめます。すぐに用意できない場合は、作業の前にバックアップを取り、変更を小さく区切って記録しながら進めます。検証環境を作ることを、月末の改善の案に入れておくと、2か月目以降の作業が安定します。
参考にした公的情報・資料
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