RPAエンジニアのフリーランス面談でよく聞かれる質問と答え方
公開 2026-11-04 監修:株式会社エージェントベスト
RPAエンジニアのフリーランス面談でよく聞かれるのは、どの工程を担い、ロボットをどう動かしていたか、業務の担当者から手順書にない判断をどう聞き出したか、本番で止まったときに何をしたかの3つです。面談官は製品の機能をどれだけ知っているかより、「この人が作ったロボットは、本番で止まらずに使われ続けるか」を確かめようとしています。
準備は、模範回答を覚えるより、自分が関わったロボットの中から性質の違う場面を3〜4つ選び、どの質問にもそこから答えられるようにしておくのが近道です。面談全般の答え方は業務委託の面談でよく聞かれる質問と答え方で解説しているので、この記事ではRPAの面談に固有の質問に絞ります。
RPAの面談で面談官が見ていること
RPAの案件の面談に出てくるのは、推進の担当者、情報システム部門の担当者、業務部門の責任者などです。立場によって関心は違いますが、確かめたいことはおおむね次の3点にまとまります。
- 任せられる工程:聞き取りから本番化まで任せられるか、決まった手順のシナリオ化が中心か
- 止まったときの動き方:例外や操作先の変更に備えた作りにできるか、止まったら原因を切り分けられるか
- 業務の担当者との相性:忙しい担当者から短い時間で必要なことを聞き出し、合意を取れるか
ロボットは、与えられた入力とシナリオのとおりに動くもので、人のようにその場で判断はできません。総務省の「自治体におけるRPA導入ガイドブック」(令和7年7月)も、想定外のデータに備えて例外処理を作り、無理に処理を続けず職員の判断を入れるなどの安全策をとることを勧めています。面談の質問の多くは、この考え方を実務でどう形にしたかを確かめるものです。
よく聞かれる質問と答え方の考え方
ここで示す答えの例は、組み立て方を伝えるための架空の例です。ご自身の経験に置き換えて準備してください。
1. 「直近の案件で担った工程と、ロボットの動かし方を教えてください」
確かめたいのは、任せられる工程と、責任の重さです。聞き取り・開発・運用保守・管理のどこを担ったか、ロボットは担当者のパソコンで人が起動していたか、サーバーや仮想デスクトップで無人で動いていたかを短く伝えます。
架空の例:「経理部門の請求書の登録の自動化で、聞き取りから本番化と保守までを担いました。ロボットは仮想デスクトップで、平日の決まった時刻に無人で動かしていました」
無人で動かしていた場合は、止まったときの通知と再実行の設計まで聞かれる前提で準備しておきます。
2. 「業務の担当者が手順をうまく説明できなかったとき、どう聞き出しましたか」
RPAの面談で特によく聞かれる質問です。手順書がない、または古いという場面はよくあります。実際の操作を画面共有や隣で見せてもらった、条件の分かれ目を図にして見せ、抜けがないかを確かめてもらった、など、自分が使っている聞き出し方の型を話します。
3. 「本番で止まったとき、どう気づき、何をしましたか」
最も掘り下げられやすい質問です。次の順番で組み立てると伝わりやすくなります。
- 何で気づいたか(通知、ログ、担当者からの連絡)
- 原因をどう切り分けたか(入力のデータ、操作先の画面の変更、システムの遅れ)
- その場で何をしたか(手作業への切り替え、再実行、担当者への連絡)
- 再発を防ぐために何を変えたか
ガイドブックは、シナリオに不具合がなくても、操作先の画面や帳票、データの仕様が変わればロボットは意図どおりに動かなくなるとしています。自分の作りの問題か、外の変化かを切り分けた話ができると、保守を任せられるかが伝わります。
4. 「途中で止まったら、どこからやり直す作りにしましたか」
無人で動かす案件や、業務システムのデータを書き換える案件で聞かれます。処理済みの記録をどこに残し、二重に登録しない形で続きから動かす設計にしたか、ロボットが処理しなかった分を一覧にして担当者に渡したかを話します。
5. 「画面の要素は、どう特定していましたか」
製品の使い方そのものより、なぜその方法を選んだかを確かめる質問です。画面の位置や画像で捉えると表示の変化で動かなくなりやすいこと、待ち時間を決まった秒数にすると操作先の遅い日に失敗しやすいことなど、安定させるために考えた点を話します。
6. 「自動化しなかった業務はありますか。理由は何ですか」
業務の可視化や対象の選定を任せられるかを確かめる質問です。件数が少ない、判断が多い、手順が頻繁に変わる、などの理由で見送り、手順の見直しや別の手段を提案した経験があれば話します。ガイドブックも、RPAの導入ありきで考えず、業務の棚卸しをして現状を可視化してから対象業務を決める進め方を勧めています。
7. 「ほかの人が保守できるようにするため、何をしましたか」
部品化や命名のルール、仕様と操作方法の文書、手作業に戻す手順などを話します。契約が終わったあと社内で保守できる状態にすることは、外部の人が参画するときの大切な役割です。
8. 「使ったことのない製品の案件ですが、対応できますか」
製品が違っても、例外処理や部品化、台帳での管理の考え方は共通します。今の製品で身につけた設計の考え方と、別の製品を学ぶときの進め方を話します。触ったことがない製品を「使える」と答えるのは避け、学習の状況を正直に伝えましょう。
準備は「ロボットの場面」を3〜4つに絞る
質問の数は多く見えますが、答えの材料は共通しています。準備は次の手順で進めると効率的です。
- 場面を選ぶ:聞き取りで苦労した、本番で止まった、自動化を見送った、引き継いだ、など性質の違う場面を選ぶ
- 場面ごとにメモをつくる:業務の中身、動かし方、起きたこと、選んだ対応と理由、結果を書き出す
- 数字をそろえる:担当したロボットの数、本番で動いていた期間、関わった部署の数を、どの場面でも同じ数字で話せるようにする
- 2分版と5分版をつくる:最初は短く話し、掘り下げられたら詳しく話せるようにする
- スキルシートと照らし合わせる:シートに書いた工程や工夫と、話の中身が一致しているかを確かめる
面談官はスキルシートを見ながら質問するため、話とシートがずれると、どちらも信用されにくくなります。シートの書き方はRPAエンジニアのスキルシートの書き方、冒頭の話し方は面談の自己紹介の記事で解説しています。
面談の相手によって重心が変わる
| 面談の相手 | 重く見られやすい点 |
|---|---|
| 推進の担当者 | 工程の広さ、本番化の進め方、引き継ぎ |
| 情報システム部門 | 認証情報と権限の扱い、実行環境、台帳とルール |
| 業務部門の責任者 | 業務の理解、聞き取りの仕方、担当者の負担の少なさ |
情報システム部門が同席する場合は、ロボットを誰のアカウントで動かしたか、認証情報をどこに保存したかを聞かれることがあります。ガイドブックも、認証情報の保存場所の制限や、正当な権限のない人がロボットを実行できないようにすることを対策として挙げています。発注元のルールに沿って扱った経験を話せるようにしておきましょう。
RPAならではの逆質問
逆質問は、印象づくりより参画後のずれを防ぐ確認に使います。RPAの案件では、次の点を聞いておくと判断しやすくなります。
- 対象の業務は決まっているか、選定から関わるのか
- 業務の担当者への聞き取りの時間を取ってもらえるか
- 開発用の環境とテスト用のデータがあるか
- ロボットの動かし方(人が起動するか、無人で定時に動かすか)と、止まったときの連絡の体制
- 既存のロボットの数と、台帳や開発のルールの有無
一般的な考え方は業務委託の面談で聞いておくべき逆質問にまとめています。ここで聞いた内容は、契約前の確認にもそのまま使えます。確認点の全体はRPAエンジニアの案件の選び方で整理しています。
よくある質問
社内の自動化担当としての経験しかありませんが、面談で通用しますか?
本番で動き続けたロボットを作り、止まったときの対応や引き継ぎまで担っていれば、話せる材料は十分にあります。自分の部署の業務しか扱っていない場合は、初めての業務をどう理解するかを聞かれやすいため、ほかの部署から相談を受けた経験があれば準備しておきましょう。
生成AIの経験は聞かれますか?
聞かれる場面は増えています。評価されやすいのは、使ったこと自体より、AIの出力をそのままロボットに渡さず、どこで確かめる作りにしたかを話せることです。業務のデータを外部のサービスに渡してよいかは案件ごとに決まりが違うため、逆質問で確かめておくと安心です。
技術的な質問にうまく答えられなかったら、見送られますか?
1つの質問だけで決まることは多くありません。分からないことは分からないと伝え、どう調べて解決するかを話すほうが信頼されます。見送られやすい理由の全体は面談で見送られる理由の記事で解説しています。
参考にした公的情報・資料
記事の内容は公開日時点の情報にもとづきます。制度や税率は変わることがあるため、手続きの前に必ず各機関の最新情報をご確認ください。