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Web制作・デザインWordPressエンジニアを目指すには|他の職種からのキャリアチェンジ
公開 2026-11-04 監修:株式会社エージェントベスト
他の職種からWordPressエンジニアを目指すルートは一つではありません。Webデザイナーやコーダー、PHPなどの開発者、Webディレクター、事業会社のWeb担当、サーバーの運用担当など、どこから来ても生かせる経験があります。共通して足りなくなりやすいのは、「WordPressの決まりに沿ってPHPで書き、運用中のサイトを壊さずに更新した経験」です。
そのため、フリーランスとしていきなりWordPressの開発案件に入るより、今の職種のままWordPressに触れる範囲を広げ、自分で作ったテーマやプラグインを手元に持ち、保守や改修の小さな仕事から任される範囲を広げるのが現実的です。この記事では、出発点ごとに生かせる経験と足りない部分、埋める順番を整理します。WordPressエンジニアとしての独立の手順はWordPressエンジニアがフリーランスになるにはで扱っています。
WordPressエンジニアに求められることを先に押さえる
どのルートから目指すにしても、WordPressの案件で問われるのは次の3つです。
- WordPressの決まりに沿って作る:フック、テンプレート階層、カスタム投稿タイプ、ブロックを使い、本体やプラグインのファイルを直接書き換えずに作る
- 運用中のサイトを守る:本体・テーマ・プラグイン・PHPの更新を、検証してから反映し、問題が出たら戻せる
- 入力する人と発注元のことを考える:管理画面で迷わない作りにし、技術の判断を発注元の言葉で説明する
職種によって、このうちどれを既に持っていて、どれが足りないかが違います。詳しい中身はWordPressエンジニアのスキルの記事をご覧ください。
出発点ごとの生かせる経験と足りない部分
| 出発点 | 生かせる経験 | 足りなくなりやすい部分 |
|---|---|---|
| Webデザイナー・コーダー | HTML・CSS、見た目の再現、既製テーマの調整 | PHPで書く力、フックの使い方、更新と保守 |
| PHPなどの開発者 | プログラミング、データベース、Gitやテストの習慣 | WordPress独自の決まり、プラグインの選び方、入力する人の視点 |
| Webディレクター | 要件の整理、発注元との調整、進行の管理 | 自分で書いて直す経験 |
| 事業会社のWeb担当 | 管理画面の運用、更新の現場の困りごと、社内の決裁 | テーマやプラグインのコード、検証環境での作業 |
| サーバーの運用担当 | サーバー、PHPの版、バックアップ、障害の切り分け | テーマの開発、ブロックエディタ、画面側の技術 |
Webデザイナー・コーダーから目指す
もっとも多いルートの一つです。HTMLとCSSでデザインを正確に組める力は、テーマの開発でそのまま生きます。足りなくなりやすいのは、PHPでWordPressの仕組みに沿って書く力と、公開後の更新を担う経験です。既製のテーマの設定やページビルダーでの組み立てが中心だった場合は、ここを意識して埋める必要があります。
埋め方:手元の検証環境で、既存のデザインを一からテーマにしてみます。カスタム投稿タイプで一覧と詳細のページを作り、フックで表示を変える経験を一つ持つと、話せる材料になります。デザインの側の経験の整理はWebデザイナーのキャリアチェンジの記事も参考になります。
PHPなどの開発者から目指す
プログラミングの力とデータベースの理解は大きな強みです。足りなくなりやすいのは、WordPress独自の決まりです。フレームワークの感覚で書くと、WordPressの関数やフックを使わずに作り込み、更新や他のプラグインとの相性で問題を起こすことがあります。既製のプラグインで足りるか、自作すべきかの判断も、WordPressの現場ならではの力です。
埋め方:小さなプラグインを一つ、WordPressの書き方の決まりに沿って作り、公式の開発者向け資料と照らし合わせて見直します。管理画面を使う人の立場で、設定の画面を分かりやすくする工夫も意識すると、WordPressの案件で評価されやすくなります。PHPの側からの広げ方はPHPエンジニアのキャリアチェンジの記事で扱っています。
Webディレクターから目指す
要件の整理と発注元との調整の経験は、WordPressの案件で重宝されます。足りないのは、自分で書いて直す経験です。案件側はエンジニアの役割で入る人には手を動かすことを求めるため、進行の管理の経験だけでは入りにくくなります。
埋め方:担当しているサイトの小さな改修を、自分で検証環境から本番まで通してみる機会をつくります。ディレクションの経験を生かす方向はWebディレクターのキャリアチェンジの記事も参考になります。
事業会社のWeb担当から目指す
管理画面での運用、プラグインの設定、社内からの更新の依頼に応えてきた経験は、保守の案件で生かせます。発注元が何に困るかを知っていることも強みです。足りなくなりやすいのは、コードで直す経験と、検証環境を使った作業の流れです。
埋め方:社内のサイトのテーマを子テーマで直す、小さな機能をプラグインとして切り出す、更新の手順を文書にする、といった仕事を引き受けます。フリーランスとしては、まず保守や運用の支援の案件から入ると経験を生かしやすくなります。
サーバーの運用担当から目指す
サーバー、PHPの版、バックアップ、障害の切り分けの経験は、WordPressの保守で強みになります。WordPressの公式の推奨環境は、2026年10月時点でPHP 8.3以上で、データベースはMySQL 8.0以上かMariaDB 10.11以上とされています。こうした環境の要件を読んで、サーバーの側から判断できる人は多くありません。足りないのは、テーマの開発とブロックエディタの経験です。
埋め方:サイトの移転やPHPの版上げで、WordPressの側の動作確認まで自分で担ってみます。そのうえで、テーマの開発を手元で学ぶ順番が無理がありません。
足りない部分を埋める順番
どのルートでも、次の順で進めると無理がありません。
- 手元に検証環境を持つ:自分のパソコンで、WordPressを入れたり壊したりできる環境を用意する
- テーマを一つ自分で作る:既製のテーマを使わず、テンプレート階層とフックを使って一から組む
- 小さなプラグインかブロックを作る:設定の画面か、独自のブロックを一つ作り、なぜその形にしたかを説明できるようにする
- 更新の手順を一度通す:バックアップ、検証、反映、戻し方を、手元のサイトで実際に試す
- 今の仕事か小さな案件で実務にする:手元で試したことを、社内のサイトや小さな改修の案件で使う
手元で作ったものは、スキルシートでは「自主制作」として案件と分けて書きます。書き方はWordPressエンジニアのスキルシートの記事をご覧ください。資格は、WordPressの開発や保守の力を直接示すものが多くないため、作ったものと直した経験をそろえることを優先するのが現実的です。
面談で確かめられやすいこと
他の職種からWordPressの案件に応募すると、面談では「本当に自分で書いて直せるか」を確かめる質問が増えます。たとえば、カスタム投稿タイプをどう設計したか、本体やプラグインのファイルを直接書き換えない理由、更新で不具合が出たときにどう戻したか、といった問いです。
ここで大切なのは、元の職種の言葉のまま話さないことです。デザイナーなら見た目の再現の話を「入力する人が崩しにくい作り」に、サーバーの担当なら環境の話を「WordPressの更新の安全性」に置き換えて話すと、WordPressの仕事に結び付けて受け止めてもらいやすくなります。
年代によって選びやすいルート
20代後半から30代前半は、デザイナーやコーダー、Web担当から段階を踏んで移るルートがとりやすい時期です。構築の補助や保守の案件で、コードを書く場数を増やせます。
30代後半以降は、これまでの職種で積んだ専門性をWordPressの役割に結び付けることが大切です。開発者の出身ならプラグインや外部サービスとの連携、サーバーの担当なら移転や版上げを含む保守、ディレクターの出身なら要件の整理から実装まで一人で担う小さな案件、のように、強みが生きる型を選ぶと移りやすくなります。年代ごとの期待はWordPressエンジニアは40代・50代でも働けるかで整理しています。
よくある質問
プログラミングの経験がまったくなくても目指せますか?
目指すことはできますが、フリーランスとしてWordPressの開発案件に入るには、PHPとHTML・CSSを書いた経験が求められます。まずは会社員として制作や運用の仕事に就くか、今の仕事でWordPressに触れる範囲を広げ、自分で作ったテーマやプラグインを持つ段階を踏むのが現実的です。
Webデザイナーとして独立していますが、WordPressの仕事も受けられますか?
既製テーマの調整や、デザインをテーマに組み込む仕事は受けやすい分野です。ただ、PHPで機能を作る仕事や保守を受ける場合は、更新で不具合が出たときに自分で直せるかが問われます。受ける範囲を契約で区切り、できる範囲を少しずつ広げることをおすすめします。
WordPressエンジニアになるために、先にPHPの資格を取ったほうがよいですか?
資格は、PHPの文法を体系的に学ぶ手段としては役立ちます。ただ、案件側が重く見るのは、WordPressの仕組みに沿って作ったものと、運用中のサイトで直した経験です。資格の勉強だけを先に進めるより、手元でテーマやプラグインを作りながら、その裏付けとして学ぶ順番をおすすめします。
参考にした公的情報・資料
記事の内容は公開日時点の情報にもとづきます。制度や税率は変わることがあるため、手続きの前に必ず各機関の最新情報をご確認ください。