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業界別の案件

物流業界の経験をスキルシートで伝える書き方|領域・立場・現場の規模の示し方

公開 2026-10-29 監修:株式会社エージェントベスト

物流業界の経験をスキルシートで伝えるには、担当した領域、荷主側か物流会社側かの立場、倉庫や拠点の規模と扱う荷物、連携した相手、切り替えの制約の5つをそろえて書きます。「物流システムの開発」とだけ書くと、読み手は倉庫の中の仕事なのか、運ぶ仕事なのか、会社の間をつなぐ仕事なのかを判断できません。

一方で、物流の経験には、届け先の個人情報や荷主の取引の情報など、書いてはいけないものが多く含まれます。この記事では、伝わる書き方と書かない線の引き方をあわせて紹介します。スキルシートの全体の構成はスキルシートの書き方の記事をご覧ください。

物流の案件で読み手が知りたいこと

物流の案件のスキルシートを読むのは、荷主や物流会社の情報システム部門、元請けのPM・リーダーであることが多く、読み手自身が物流の業務を知っています。そのため、次の点を読み取ろうとします。

4つの領域の中身は物流業界のIT案件の記事で整理しています。シートでもこの領域の言葉を使うと、読み手と認識をそろえやすくなります。

プロジェクト欄に足したい5つの項目

基本の型(期間・概要・役割・体制・担当工程・技術)に、物流では次の項目を足します。

項目書き方のポイント例
領域4つの領域のどこか。隣の領域との連携もWMS。荷主の基幹システムと出荷指示・実績を連携
立場荷主側か物流会社側か。物流会社なら荷主の数を大まかに物流会社側。複数荷主の共用倉庫
規模と荷物拠点の数、扱う荷物の種類を大きなくくりで国内の物流センター数拠点。日用品と食品(温度管理あり)
連携した相手設備、協力会社、荷主など仕分け機の制御システム、運送会社の受付システム
切り替えの制約出荷を止められる時間、繁忙期との関係出荷の少ない休日の夜間に切り替え

扱う荷物を書くと、ロットや期限の管理、温度の管理など、どの業務知識を持っているかが伝わります。業務知識の中身は物流業界の業務知識の記事で解説しています。

パッケージと独自システムを区別する

WMSやTMSは、パッケージやクラウドのサービスを使う場合と、会社独自に作り込んだシステムの場合があります。パッケージなら製品名と関わった範囲(設定・追加開発・保守)を書き、独自システムなら「自社開発のWMS(長く使われてきたシステムの刷新)」のように書きます。荷主側の基幹システムでSAPの販売・購買を担当した経験の書き方はSAP SD/MMのスキルシートの記事が参考になります。

記入例(架空)

期間:(例)約1年。うち自分の参画は要件定義から稼働後1か月まで
概要:(例)物流会社の共用倉庫におけるWMSの刷新
領域・立場:WMS。物流会社側。複数の荷主の荷物を1つのシステムで扱う
規模と荷物:物流センター1拠点で先行導入。日用品が中心で、一部に期限管理が必要な品目あり
連携:荷主ごとの出荷指示の受信、運送会社への出荷情報の送信、ハンディ端末とラベル印刷
役割:要件定義と基本設計のサブリーダー。メンバー4名
主な担当:荷主ごとに違っていた出荷のルールを整理し、設定で対応する部分と個別開発の部分を分けた。棚卸のやり方を現場の責任者と決めた
切り替えの制約:出荷の少ない休日に切り替え。現場での立ち会いを担当
技術:(例)Java、Oracle Database、ファイル連携とAPI連携

これは項目の埋め方を示すための架空の例です。実際の経験に置き換えて書いてください。

「主な担当」には現場との判断を書く

物流の案件では、倉庫の責任者、配車の担当者、荷主の担当者など、立場の違う人と決めることが多くあります。誰と何を決めたかを書くと、調整の力が伝わります。

書き方例
伝わりにくいWMSの要件定義を担当
伝わりやすい(例)ケースとバラが混在する品目の入数の扱いについて、現場と荷主の双方の運用を聞き取り、在庫の単位の規則を合意した

例外の扱いを書くのも効果的です。在庫が合わなかったとき、出荷の直前に注文が取り消されたとき、設備が止まったときにどう扱ったかは、実際に関わった人でないと書けません。

スキル一覧の書き方

スキル一覧には、技術と並べて業務の項目を書く欄を設けると、物流の経験が見えやすくなります。

業務の項目は「経験あり」とだけ書くより、「要件定義から担当」「保守で改修を担当」のように関わり方を添えると判断しやすくなります。

制度への対応に関わった経験の書き方

国土交通省によると、改正物流効率化法により、2025年4月1日から荷主と物流事業者に、荷待ち時間の短縮などの物流効率化の取組の努力義務が課されています。トラックの予約受付や、荷待ち・荷役の時間の記録など、こうした取組に関わる仕組みを作った経験は、「荷待ち時間の把握のため、車両の到着と荷役の開始の時刻を記録する機能を追加」のように、仕組みの役割で書くと伝わります。制度の解釈そのものは取引先が判断することなので、シートには自分が作った機能と関わった範囲を書きます。制度の中身は物流業界の規制の記事で解説しています。

書かないことの線を引く

物流の経験で特に注意したいのは、届け先の個人情報と、荷主の取引の情報です。社名や案件名に加えて、次の情報は書きません。

書かない情報代わりの書き方
荷主の社名、取り扱う商品の具体名「日用品の荷主」「温度管理が必要な食品」など大きなくくり
届け先の名前・住所、出荷の明細「個人宅への配送データを扱う仕組み」
倉庫の所在地、セキュリティの設備や配置「国内の物流センター」
物量・運賃・料金の具体的な値「繁忙期に出荷が大きく増える倉庫」
協力会社の名前と取引の条件「協力会社への運送の依頼を管理」

取引先が個人データの取扱いを外部に委託する場合、個人情報保護委員会のガイドライン(通則編)は、委託元が委託先に必要かつ適切な監督を行うことを求めています。案件で届け先のデータを扱った経験があっても、データの中身をシートや面談で話すことは避けます。委託先として求められることは個人情報を扱う業務の記事で整理しています。

組み合わせで特定されないようにする

荷物の種類、拠点の地域、規模を細かく書くと、社名を書かなくても会社が特定されることがあります。特定の地域で特定の荷物を大きく扱う物流センターが限られている場合などです。提出前に、組み合わせで特定されないかを読み返します。ぼかし方の型はスキルシートと守秘義務の記事、契約上の秘密の範囲は秘密保持契約の記事で整理しています。

面談で口頭で伝えるときのコツ

面談では、1つのプロジェクトについて「どの領域を、どの立場で担当し、現場の誰と、どんな例外をどう扱ったか」を2〜3分で話せるように準備します。荷主の名前や物量を聞かれた場合は、「取引先の情報にあたるため、仕組みの説明にとどめます」と断ってかまいません。線を引いて話せることも、情報の扱いへの意識として受け止められます。PMやリーダーとしての経験の書き方はPMのスキルシートの記事、面談でよく聞かれる質問は面談の質問の記事をご覧ください。

よくある質問

荷主の名前を書かないと、経験の価値が伝わらないのではないですか?

読み手が知りたいのは、荷主の名前より、どの領域で、どんな荷物を、どんな制約の中で扱ったかです。「温度管理が必要な食品」「複数荷主の共用倉庫」のように大きなくくりで書き、業務の流れと自分の判断を具体的に書けば、経験の価値は伝わります。

倉庫で作業者として働いた経験は、書いてよいですか?

書いてかまいません。倉庫の作業の流れを体で知っていることは、WMSや倉庫の自動化の案件で強みになります。どの作業を担当し、どんな改善に関わったかを、荷主や商品の具体名に触れずに書きます。

配車の担当者だった経験は、IT案件で生かせますか?

生かせます。配車の計画を立てる側の判断や制約を知っていることは、TMSや配車の仕組みの要件定義で役立ちます。どんな制約の中で、どう計画を立てていたかを書き、システムを使った経験があれば製品名と使い方も添えます。

参考にした公的情報・資料

記事の内容は公開日時点の情報にもとづきます。制度や税率は変わることがあるため、手続きの前に必ず各機関の最新情報をご確認ください。

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