VBA・Excelマクロ開発者のスキルシートの書き方|面談で評価される実績の見せ方
公開 2026-10-29 監修:株式会社エージェントベスト
VBA・Excelマクロ開発者のスキルシートは、スキル一覧にOfficeの版と連携先を添え、案件ごとに「新規開発・改修・引き継ぎ」のどれだったか、そのツールが業務の中で何を担っていたか、自分が判断したことを書くのが基本です。VBAの経験は社内向けのツールが多く、成果物を見せられないため、シートの文章だけで「どの規模の、どんなツールを、どこまで任せられるか」が伝わるように書く必要があります。
独立までの準備はVBA・Excelマクロ開発者がフリーランスになるには、案件で問われる技術の中身はVBA・Excelマクロ開発者のスキルの記事で扱っています。この記事では、それをシートの上でどう見せるかに絞って解説します。
スキル一覧は「何と組み合わせたか」まで書く
「Excel VBA(5年)」とだけ書くと、記録したマクロを直す経験も、データベースとつないだ業務のツールを作る経験も、同じに見えます。読み手が知りたいのは、どの製品と、どの仕組みと組み合わせてきたかです。
記入例(架空):
| 区分 | 書き方 |
|---|---|
| 言語 | Excel VBA(7年。直近3年は他人が作ったマクロの改修と引き継ぎが中心)、Access VBA(4年) |
| Office製品 | Excel・Access(Microsoft 365、Office 2016から移行)、Outlook・Wordの操作 |
| データ | SQL(Accessのクエリ、外部のデータベースへの接続と取得)、CSV・固定長テキストの取り込み |
| 環境の違いへの対応 | 32ビット版から64ビット版への対応(Declareステートメントと型の見直し) |
| 配布 | ファイルサーバーでの共有、アドイン形式での配布、マクロのブロックへの対応の相談 |
| 隣の技術 | Office スクリプト(検証で使用)、Power Automate(学習中) |
ポイントは、経験年数のうち、直近がどの種類の仕事だったかを一言添えることです。改修や引き継ぎの経験は、新規開発と同じくらい、あるいはそれ以上に求められることがあるため、はっきり書いておきます。
案件ごとに「仕事の種類」を明記する
VBAの案件は、仕事の種類で求める経験が大きく違います。案件ごとに、次のどれだったかを書きます。
- 新規開発:要望を聞き、一から作って納めた
- 改修:すでにあるツールに機能を加えた、不具合を直した
- 引き継ぎ・解析:作った人がいないツールを調べ、仕様を書き起こした
- 移行・版上げへの対応:Officeの版や環境の変化に合わせて、動作を確かめ直した
1つの案件で複数を担った場合は、「解析から始め、改修と仕様書の作成まで担当」のように、順番が分かるように書くと伝わります。
「業務の中での役割」を書く
ツールの名前や機能の一覧を並べても、読み手にはその重さが伝わりません。そのツールが業務のどこで、何のために使われていたかを書きます。
| 書き換え前 | 書き換え後(架空) |
|---|---|
| 売上集計マクロを作成 | 各営業所から届く売上のファイルを集め、月次の報告用の表を作るツールを作成。締めの作業の一部を担う |
| 在庫管理Accessの改修 | 倉庫の入出庫を記録するAccessのデータベースで、入力画面の追加と月末の集計クエリの修正を担当 |
| 請求書作成ツールの保守 | 請求のデータからWordの請求書を差し込みで作るツールで、取引先の追加に伴う修正と問い合わせの対応を担当 |
業務の中での役割が分かると、読み手は「止まったら何が困るツールだったか」を想像でき、任せられる責任の重さを判断しやすくなります。
自分が判断したことを一言添える
差がつくのは、担当した範囲に加えて、自分が判断したことを書けているかです。
| 書き換え前 | 書き換え後(架空) |
|---|---|
| 処理速度を改善 | セルを1つずつ読み書きしていた処理を、配列でまとめて扱う形に改め、処理時間を短くした |
| エラー対応 | 取り込むファイルの列が欠けているときに途中で止まっていたため、確かめる処理を先に置き、欠けている列を利用者に知らせる形にした |
| 64ビット対応 | APIを呼ぶ処理を洗い出し、PtrSafeの付与に加えて、戻り値と引数の型を見直した |
| 引き継ぎ資料を作成 | モジュールごとの役割、参照しているファイルの場所、毎月の操作手順を一覧にし、社内の担当者が軽い修正をできるようにした |
成果を数字で書ける場合は、処理時間の変化などを、守秘の範囲で書くと伝わりやすくなります。ただし、売上や取引の件数など、発注元の事業に関わる数字は書かないでください。書いてよい範囲はスキルシートと守秘義務の記事で扱っています。
記入例(架空)
次は、書き方の型を示すための例です。業種と規模はぼかしてあり、実在の案件ではありません。
期間:20XX年4月〜同年12月(9か月)
案件概要:製造業の購買部門 発注・検収の管理ツールの引き継ぎと改修
仕事の種類:引き継ぎ・解析、改修、移行への対応
体制・立場:部門の担当者2名と自分。作った人はすでに退職しており、仕様書はなかった
使用技術:Excel VBA、Access(テーブル・クエリ・フォーム)、Outlookの操作、Microsoft 365(64ビット版)
担当内容:Excelのブック5本とAccessのデータベースの関係を調べ、処理の流れとテーブルの関係を図に起こした。64ビット版への入れ替えで動かなくなった処理を洗い出して修正。取引先への発注メールの作成処理を追加
工夫・成果:直す前のファイルを残し、同じデータで直す前と後の出力を比べて確かめる手順を作った。引き継ぎ資料を残し、部門の担当者がマスタの追加を自分で行えるようにした
実際に書くときは、ご自身の経験に置き換えてください。
社内ツールの実績が多いときの書き方
会社員として作ったツールは、社外に出せないものがほとんどです。シートでは、次の点に気をつけます。
- 会社の中での立場を書く:業務部門の担当者として作ったのか、情報システム部門として頼まれて作ったのかで、読み手の受け取り方が変わる
- 使った人の範囲を書く:自分だけ、部署の中、複数の部署など、使う人の広がりを書く(人数を書く場合は、おおまかな範囲にとどめる)
- 使われた期間を書く:作ってから何年使われたか、自分が保守した期間はどれだけか
- コードやファイルは添付しない:会社の業務で作ったものは、会社の側に権利があることが多いため
個人で作ったものを見せたい場合は、業務とは関係のない題材で作り、経歴とは分けて「個人の制作」として書きます。公開するときの考え方はGitHubとポートフォリオの記事を参考にしてください。
要約の欄で軸を示す
シートの冒頭の要約では、自分がどの種類の仕事を軸にしたいかを書きます。
- 「業務部門での経験を生かし、要望の聞き取りから新規開発まで担いたい」
- 「仕様書のないマクロやAccessの解析と引き継ぎを中心に担いたい」
- 「VBAの経験を生かし、Office スクリプトやPower Automateへの置き換えの検討にも関わりたい」
応募する案件の種類に合わせて、要約と案件の並び順を入れ替えると伝わりやすくなります。全体の構成の基本はスキルシートの書き方の基本、自己PRの書き方は自己PRの記事で扱っています。
よくある質問
自分用に作ったマクロしか経験がありません。シートに書けますか?
書けます。何の作業を、どれだけ楽にしたかを、業務の中での役割とあわせて書きましょう。ただ、ほかの人が使う前提で作った経験と区別して読まれるため、同僚が使うようになった、引き継ぎ資料を作ったといった経験があれば、あわせて書いておくと伝わり方が変わります。
経験の多くが古い版のOfficeです。どう書けばよいですか?
版を正直に書いたうえで、版に関係なく生かせる経験を担当内容にくわしく書きましょう。業務の聞き取り、データの扱い、エラー処理、引き継ぎ資料の作成などです。新しい版や64ビット版への対応に関わった経験があれば、移行前と移行後の版が分かるように書くと、版上げの案件で検討の材料になります。
Accessの経験はExcel VBAとは分けて書くべきですか?
分けて書くことをおすすめします。Accessは、テーブルの設計やクエリの扱いなど、Excelとは別の経験として読まれます。スキル一覧で年数を分け、案件の欄では、Excelとどうつながっていたかを書くと、データベースまで含めたツールを扱えることが伝わります。