VBA・Excelマクロ開発者のフリーランスはリモートで働ける?案件の傾向と探し方
公開 2026-10-29 監修:株式会社エージェントベスト
VBA・Excelマクロ開発者の仕事は、仕様が決まっていてテスト用のデータを用意してもらえる開発や改修なら、リモートで進めやすい仕事です。一方で、本番のファイルや社内のファイルサーバー、データベースにつながないと確かめられない場面や、利用者の端末で動くかを確かめる場面では、出社や貸与端末での作業が条件になりやすくなります。
VBAのツールは、利用者のパソコンの上で、社内のファイルを相手に動きます。リモートで受けられるかどうかは、ツールそのものより、ツールが触るファイルとデータに、外からどこまで届くかで決まります。
リモートで進めやすい仕事
| 仕事 | 進めやすい理由 |
|---|---|
| 仕様の決まった新規開発 | 入力と出力の見本があれば、手元で作って確かめられる |
| 処理の速さの改善 | 同じ形のテスト用のデータで、直す前と後を比べられる |
| 既存マクロの解析と仕様書づくり | ファイル一式を受け取れれば、読み解く作業は場所を選ばない |
| 64ビット版への対応 | Declareステートメントと型の見直しは、コードを読んで進められる |
| 打ち合わせと進捗の報告 | 画面共有で動きを見せながら確かめられる |
Microsoft Learnでは、64ビット版のOfficeで動かすには、WindowsのAPIを呼ぶDeclareステートメントにPtrSafeキーワードを付け、ポインターなどを扱う型をLongPtrなどに直す必要があると説明されています(2026年10月時点)。こうした改修は、コードを手元で読んで直す作業が中心になるため、リモートと相性がよい仕事です。
出社や貸与端末が条件になりやすい場面
本番のファイルに個人情報や取引の情報が含まれる
給与・顧客・取引先などの情報を含むブックは、社外に持ち出せないことが多くあります。テスト用に加工したデータを用意してもらえない場合、社内の端末か、発注元が用意したリモートの接続先でしか作業できません。
社内のファイルサーバーやデータベースにつなぐ
ツールが社内のファイルサーバー上のフォルダや、社内のデータベースを相手にしている場合、外からは同じ環境を再現しにくくなります。発注元のネットワークに入れる手段が用意されているかどうかが分かれ目です。
利用者の端末で動くかを確かめる
利用者の端末のOfficeの版、32ビット版か64ビット版か、マクロの設定は、部署や人によって違うことがあります。Microsoft Learnによると、Office 2019とMicrosoft 365からは64ビット版が既定ですが、それ以前から使われている端末が32ビット版のこともあります。最後の確認は、利用者の端末か、それと同じ設定の端末で行う必要があります。
締めの時期に立ち会う
月次や年次の締めに使うツールは、初めて本番で動かすときに立ち会いを求められることがあります。止まったときにその場で原因を切り分けるためです。
ファイルの受け渡しで気をつけること
リモートの案件で見落としやすいのが、マクロを含むファイルの受け渡しです。Microsoft Learnによると、Windows版のOfficeでは、インターネットから取得したファイルに含まれるVBAマクロは既定でブロックされます(2026年10月時点)。メールの添付やブラウザーでのダウンロードで受け取ったファイルには、Windowsが「Mark of the Web」と呼ばれる印を付け、それが判定に使われます。
このため、外から納めたファイルが、受け取った側で動かないことがあります。同じページでは、次のような扱いが説明されています。
- ファイルのプロパティで「ブロックの解除」を選ぶと、マクロを動かせるようになる(組織の設定で止められていない場合)
- OneDriveやSharePointのファイルを「デスクトップ アプリで開く」で開いた場合や、同期のクライアントでダウンロードした場合は、Mark of the Webが付かない
- 社内のファイルサーバーをIPアドレスで開くと、信頼済みサイトなどに入っていない限りマクロがブロックされる
どの方法を使ってよいかは、発注元の情報セキュリティの決まりしだいです。受け渡しの経路と、受け取った側での手順を、最初の打ち合わせで決めておくと、納品のたびに「動かない」という連絡が来るのを避けられます。
リモートで信頼を得る進め方
離れて作業するVBAの仕事では、相手から作業の様子が見えにくくなります。次のような進め方をすると、任せる側の不安を減らせます。
- 最初に環境の違いを書き出す:受け取ったファイルの版、参照している外部のファイル、設定の値を一覧にし、自分の環境との違いを共有する
- 直す前の状態を残す:直す前のファイルを残し、同じデータで直す前と後の出力を比べた結果を報告に添える
- 動きを画面共有で見せる:文章で説明するより、実際に動かしながら確かめてもらうほうが、食い違いに早く気づける
- 変更の記録を渡す:どのモジュールの、どの処理を、なぜ変えたかを短くまとめて納品物に添える
特に引き継ぎの案件では、利用者に毎月の操作を画面共有で見せてもらい、どこで何を入力し、どのファイルを開くかを記録しておくと、本番での食い違いを防ぎやすくなります。
リモート案件の探し方
仕事の種類で絞り込む
リモートの案件を探すときは、「VBA」「Excelマクロ」という言葉だけでなく、新規開発、改修、解析・仕様書づくり、版上げへの対応といった仕事の種類で見ると、リモートとの相性を判断しやすくなります。本番のデータに直接触れる運用の支援は、出社を前提にしていることが多い傾向があります。
週数日の案件も選択肢にする
VBAの改修や保守は、毎日の作業量が多くない場合があり、週数日の稼働で出されることもあります。在宅で週数日の案件を組み合わせる考え方は、週末・夜だけの業務委託案件の記事も参考になります。
クラウドに置いたブックを扱う案件も見る
Microsoft Learnでは、VBAマクロはExcel on the webでは動かず、Office スクリプトはExcel on the webとPower Automateで動くと説明されています(2026年10月時点)。ブックをクラウドに置いて自動で処理する案件は、作業の場所を選ばない傾向があります。VBAの経験を生かしてこちらに広げる方向は、Power Platformエンジニアのリモートの記事でも扱っています。
面談や契約の前に確かめる点
- 作業の場所と端末:自分の端末で作業してよいか、貸与端末やリモートの接続先を使うのか
- テスト用のデータ:本番のデータを使うのか、加工したデータを用意してもらえるのか
- Officeの版と設定:利用者の端末の版、32ビット版か64ビット版か、マクロの設定
- ファイルの受け渡し:どの経路で受け渡し、受け取った側でどうマクロを有効にするのか
- 出社が要る場面:本番での初回の実行や、締めの時期の立ち会いがあるか
- 連絡の手段と時間帯:止まったときに、誰に、いつまでに連絡するのか
守秘の取り決めは秘密保持契約(NDA)の記事、在宅で作業する環境づくりは自宅を仕事場にするときの環境づくり、フルリモートの案件全般の考え方はフルリモートの案件の記事で扱っています。
よくある質問
フルリモートのVBA案件はありますか?
あります。仕様の決まった開発や、既存マクロの解析と改修は、フルリモートで出されることがあります。ただ、本番での初回の実行や締めの時期だけ出社を求められる案件もあるため、「どの場面で出社が要るか」を面談で具体的に確かめておきましょう。
自分の端末のOfficeと発注元のOfficeの版が違っても大丈夫ですか?
作る段階では進められることが多いものの、最後の確認は利用者と同じ版・同じ設定の環境で行う必要があります。特に32ビット版と64ビット版の違いは、WindowsのAPIを呼ぶ処理で問題になりやすいため、発注元の環境で確かめる手段があるかを最初に相談しておきましょう。
納めたファイルが先方で「マクロが無効」と表示されます。どうすればよいですか?
インターネット経由で受け取ったファイルとしてブロックされている可能性があります。ファイルのプロパティでブロックを解除する、信頼できる場所に置くなどの方法がありますが、どれを使ってよいかは発注元の決まりしだいです。自分で設定を変えるよう案内する前に、発注元の情報システムの担当者と方法を決めておくと安心です。
参考にした公的情報・資料
- インターネットからのマクロは、Office で既定でブロックされます(Microsoft Learn)
- 64 ビット Visual Basic for Applications の概要(Microsoft Learn)
- Office スクリプトと VBA マクロの違い(Microsoft Learn)
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