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Web制作・デザインWordPressエンジニアのフリーランス案件|報酬の決まり方と単価を上げる考え方
公開 2026-10-29 監修:株式会社エージェントベスト
WordPressエンジニアのフリーランス案件の報酬は、新しくサイトや機能を作る仕事か、運用中のサイトを守る仕事か、ブロックやプラグインを自分で作れるか、WordPress本体とPHPの更新を任せられるかで大きく変わります。そこに契約の形(準委任か請負か)、稼働日数、リモートの可否、商流が重なります。WordPressの単価に公的な統計はなく、案件によって大きく変わります。
WordPressは使う人が多く、管理画面で組み立てられる部分も広いため、「WordPressでサイトを作れる」だけでは条件の差になりにくい分野です。この記事では、WordPressの案件で報酬が上がる理由と下がる理由、条件の見直しで示せる材料を整理します。
何を任されるかで報酬の考え方が違う
WordPressの案件は、任される仕事によって報酬の考え方が変わります。
| 任される仕事 | 主な中身 | 報酬に効きやすい点 |
|---|---|---|
| サイトの構築 | テーマの開発、カスタム投稿タイプの設計、公開までの作業 | 設計の確かさ、納期どおりに仕上げる力、修正への対応 |
| 機能の開発 | 独自のブロックやプラグイン、外部サービスとの連携 | 既製のプラグインで足りない要件を満たせるか |
| 保守・運用 | 本体・プラグイン・PHPの更新、不具合と障害への対応 | 更新でサイトを止めない段取り、原因を突き止める力 |
| 移行・立て直し | 古い環境からの移行、作り込みすぎたサイトの整理 | 影響範囲の見極め、移行の計画 |
同じ「WordPressの案件」でも、構築と保守では発注元が評価する点がまったく違います。ここでは、どの仕事で報酬が動くかに絞ります。
報酬が上がりやすい役割
更新を止めずに進められる
WordPressの公式サイトでは、正式にサポートされるのは最新版だけで、古い版へのセキュリティ修正は好意で移植していると説明されています(2026年10月時点)。また、公式の推奨環境はPHP 8.3以上で、PHP 7.4以上でも動くものの、それらはサポートが終わった版で脆弱性にさらされるおそれがあるとしています。
PHPの側も、2026年10月時点でサポートされているのは8.2〜8.5で、8.2のセキュリティサポートは2026年12月31日に終わります。WordPress本体、プラグイン、PHPの3つの更新が重なるため、更新の前に影響を調べ、検証環境で確かめ、問題があれば戻せる段取りを組める人は、運用中のサイトを持つ発注元から重宝されます。PHPの版ごとの扱いはPHPエンジニアの報酬の記事でも触れています。
既製品で足りない部分を自分で作れる
WordPressは既製のテーマとプラグインで多くのことができます。その分、案件で報酬の差になりやすいのは、既製品では満たせない要件を、独自のブロックやプラグインで作れるかです。ブロックエディタに合わせた入力画面を作る、外部の業務システムとAPIでつなぐ、といった仕事は担える人が限られます。
サーバーと表示速度まで持てる
WordPressの案件では、サーバーの設定、キャッシュ、データベースの調整まで頼まれることがあります。遅いサイトの原因を、テーマ・プラグイン・サーバーのどこにあるかまで切り分けて直せると、任される範囲が広がり、条件にも表れやすくなります。
報酬が伸びにくくなるパターン
WordPressは入口が広い分、次のような状態が続くと条件が上がりにくくなります。
- 既製テーマの設定とプラグインの組み合わせだけで仕上げている:コードを書く場面が少なく、ほかの人にも頼みやすい
- 小さな構築の請負を数多く受けている:1件の金額が小さく、修正のやり取りに時間を取られる
- 保守の範囲があいまいなまま受けている:更新の確認や急な対応が増えても、報酬が変わらない
- クラシックエディタ前提の作り方から移れていない:ブロックエディタを前提にした案件に応募しにくい
とくに保守では、最初に決めた範囲のまま、年を追うごとに管理するプラグインやサイトが増えていくことがあります。どれも経験が無駄になるわけではありません。ただ、発注元は「どこまで任せられるか」で条件を決めるため、隣の役割へ一つずつ広げていくことをおすすめします。
保守の契約は範囲で報酬の意味が変わる
WordPressの保守は、月ごとに定額で受ける形がよく見られます。このとき、何が範囲に入るかで、同じ金額でも時間あたりの報酬が大きく変わります。
| 範囲に入るかを確かめたい作業 | 確かめる理由 |
|---|---|
| 本体・プラグイン・テーマの更新 | 頻度と、更新前の検証を含むか |
| PHPの版の更新 | サーバー会社の都合で急に必要になることがある |
| 更新で起きた不具合の修正 | 原因がプラグイン側でも直す責任を負うのか |
| 改ざん・不正アクセスへの対応 | 夜間・休日の対応と、復旧の範囲 |
| 記事の入稿や小さな修正 | 「ついで」の依頼が積み重なりやすい |
範囲を決めずに受けると、作業が増えても請求の根拠がなくなります。準委任か請負かでも扱いが変わるため、準委任契約と請負契約の違いと、作業範囲が変わったときの対応もあわせてご覧ください。月額を時間に直して比べる方法は月額を時給に換算するときの注意点で解説しています。
単価を上げるために足したい経験
- ブロックを一つ自分で作る:block.jsonで定義し、編集画面と表示の両方を作った経験は、ブロックエディタ前提の案件で話せる材料になります
- 更新の手順を書き出しておく:検証環境での確認、バックアップ、戻し方まで含めた手順は、保守の案件でそのまま強みになります
- PHPの版を上げた経験を持つ:サーバーのPHPを上げ、動かなくなったプラグインやテーマを直した経験は、古いサイトの移行で評価されます
- 表示速度の改善を前後で比べて残す:何を変えて、どれだけ良くなったかを残しておくと評価につながります
求められる技術の中身はWordPressエンジニアのスキルの記事で、経験の段階ごとに整理しています。
条件の見直しで示せる材料
条件を見直す話は、作業の記録があるほど進めやすくなります。
契約の更新前や、担当範囲が広がったときは、条件を見直す相談がしやすい時期です。WordPressの場合、次のような事実が材料になります。
- 構築だけでなく、保守や更新の判断まで任されるようになった
- 既製のプラグインに頼っていた部分を、独自のブロックやプラグインに置き換えた
- PHPや本体の更新を、自分が中心になって止めずに進めた
- 保守の範囲を超える依頼が、毎月のように発生している
提示額を比べるときは、発注元との間に何社が入っているかでも、手元に届く金額が変わります。伝え方は単価交渉の記事、報酬の仕組みの全体像はフリーランスの単価の決まり方で解説しています。
よくある質問
WordPressエンジニアの単価の相場はいくらですか?
WordPressの単価に公的な統計はなく、任される仕事、担う範囲、契約の形、稼働日数、商流によって大きく変わります。金額を比べるより、自分が担える仕事のうち、ほかの人に任せにくいものは何かを整理しておくことをおすすめします。
Webデザインもできると報酬は上がりますか?
デザインから実装まで一人で担えると、小さなサイトの構築では頼みやすい相手になります。ただ、報酬はどちらの仕事に重心があるかで考え方が変わります。デザインの側の報酬の考え方はWebデザイナーの報酬の記事で扱っています。
保守の案件と構築の案件は、どちらが条件がよいですか?
一概には言えません。構築は1件ごとの金額が見えやすい一方、修正が重なると時間あたりの報酬が下がることがあります。保守は継続しやすい一方、範囲があいまいだと作業が増えても報酬が変わりません。どちらも、範囲と契約の形を確かめて比べることが大切です。
参考にした公的情報・資料
- Requirements(WordPress.org)
- PHP Compatibility and WordPress Versions(Make WordPress Core)
- Security(WordPress.org)
- Supported Versions(PHP公式サイト)
記事の内容は公開日時点の情報にもとづきます。制度や税率は変わることがあるため、手続きの前に必ず各機関の最新情報をご確認ください。