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ブロックチェーンエンジニアのフリーランス案件の選び方|契約前に確かめたいこと

公開 2026-11-04 監修:株式会社エージェントベスト

ブロックチェーンエンジニアのフリーランス案件を選ぶときは、報酬や稼働日数に加えて、担う領域の実態、鍵と本番操作の責任、検証と監査の体制、契約の形と責任の範囲、発注元の事業の実態、報酬の支払い方、公開と障害時の稼働の7点を契約前に確かめておくことが大切です。

特に見落としやすいのは、取り消せない操作の責任が、誰に、どの手順で置かれているかです。ほかの開発では直せば済む誤りも、チェーンの上では資産の流出につながることがあります。この記事では、ブロックチェーンの案件に固有の確認点を整理します。契約書全般の確認点は業務委託契約書のチェックポイントで解説しています。

ブロックチェーンの案件選びで差が出る理由

ブロックチェーンの案件は、案件票の言葉が「Web3開発」「ブロックチェーンエンジニア募集」のように広く、参画してから想定との違いに気づくことが少なくありません。よくあるずれは次のようなものです。

こうしたずれは、面談と条件の確認の段階で多くを防げます。

契約前に確かめたい7つの点

1. 担う領域の実態

最初に、自分が担う仕事の中身を確かめます。コントラクトの設計か実装か、周辺開発か、企業向けの分散台帳か、監査か。チェーンに関わる作業が全体のどのくらいかを聞くと、実態が見えやすくなります。種類ごとの働き方はブロックチェーンエンジニアの仕事内容で整理しています。

2. 鍵と本番操作の責任

フリーランスが本番の操作を担う場合は、手順書と複数人での確認があるかを確かめます。手順がないまま一人で操作する形は、誤りが起きたときの責任が自分に寄りやすくなります。

3. 検証と監査の体制

テストの方針、レビューの体制、外部の監査を受ける予定と時期を確かめます。監査の予定がない案件を避ける必要はありませんが、その場合は安全の確認をどこまで自分が担うのかをはっきりさせておきます。

4. 契約の形と、負う責任の範囲

開発の支援は準委任契約で受けることが多く、その場合は成果の完成ではなく、専門家として求められる注意を払って業務を行うことが約束の中身になります。確かめたいのは、契約書の書き方がこの考え方と合っているかです。

監査を請負で受ける場合は、成果物に対する責任を負うことになります。違いは準委任契約と請負契約の違い、賠償への備えはフリーランスの賠償責任保険の記事で解説しています。

5. 発注元の事業の実態

発注元がどんな事業をしていて、その事業に必要な登録などを済ませているかを確かめます。金融庁は、国内で暗号資産と法定通貨の交換サービスを行うには暗号資産交換業の登録が必要だと案内し、登録を受けた事業者の一覧を公開しています(2026年10月時点)。暗号資産の交換などに関わる案件なら、発注元の事業が登録とどう関わるかを確かめておくと安心です。登録の要否などの判断は、発注元や専門家に確かめてください。

6. 報酬の支払い方

報酬を円で受け取るのか、一部でも暗号資産で受け取る話があるのかを確かめます。暗号資産で受け取る場合は、その時点の価格の扱いや税務が複雑になります。考え方はブロックチェーンエンジニアの報酬の記事で扱っています。海外の発注元の場合は、支払いの通貨や手数料の負担も確かめておきましょう。

7. 公開と障害時の稼働

チェーンの上の異常は、時間を問わず起きます。待機や時間外の対応の扱いを決めておかないと、責任感から無償で対応し続けることになりかねません。精算の仕組みは精算幅の記事をご覧ください。

確かめた内容を書面と照らし合わせる

面談や事前の確認で聞いた内容は、契約の前に書面と照らし合わせます。公正取引委員会は、フリーランスに業務を委託した発注事業者は、直ちに書面または電子メールなどで取引条件を明示する義務があると案内しています(2026年10月時点)。報酬の支払期日は、受け取った日から数えて60日以内のできる限り短い期間で定めることとされています。明示される事項はフリーランス法で明示される取引条件をご覧ください。

ブロックチェーンの案件では、特に次の点が書面に反映されているかを確かめます。

  1. 業務の内容に、担う範囲(設計、実装、テスト、周辺開発、レビューなど)が書かれているか
  2. 本番の操作や鍵の管理を担うかどうかが、業務の範囲としてはっきりしているか
  3. 完成や無事故を約束する書き方になっていないか、賠償の範囲はどうか
  4. 報酬の額と支払い方(通貨を含む)、支払期日
  5. 契約期間と更新の時期

契約期間は、公開や監査の時期と合わせて見ておきます。公開の直前に契約の更新時期が来ると、最も大事な局面を見届けられないことがあります。なお、6か月以上継続して委託している場合に契約を解除したり更新しなかったりするときは、発注事業者は少なくとも30日前までに予告する必要があります(2026年10月時点、公正取引委員会の案内による)。

面談で聞いておくとよい質問はブロックチェーンエンジニアの面談でよく聞かれる質問と答え方の逆質問の項目で紹介しています。一般的な逆質問の考え方は面談で聞いておくべき逆質問をご覧ください。

よくある質問

外部の監査を受けない案件は避けたほうがよいですか?

避ける必要はありません。ただし、その場合は安全の確認をどこまで自分が担うのかがあいまいになりやすいため、テストとレビューの体制、責任の範囲を契約の前に確かめておくことをおすすめします。

本番の鍵の操作を任されそうなときは、どうすればよいですか?

手順書があるか、誰の承認で行うか、複数人で確かめる仕組みがあるかを確かめます。そのうえで、操作を担うことが業務の範囲として書面に書かれているかを確かめましょう。手順が整っていない場合は、まず手順づくりから関わる形を提案する方法もあります。

報酬の高い案件と、体制の整った案件で迷ったらどうしますか?

一概には言えませんが、検証や鍵の体制が整っていない案件では、確認の手間と責任が自分に寄り、稼働が増えやすくなります。報酬の額だけでなく、担う責任の範囲と稼働の見込みをあわせて比べるとよいでしょう。リモートの条件も含めた比べ方はブロックチェーンエンジニアのリモート案件の記事が参考になります。

参考にした公的情報・資料

記事の内容は公開日時点の情報にもとづきます。制度や税率は変わることがあるため、手続きの前に必ず各機関の最新情報をご確認ください。

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