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広告・メディア業界の経験をスキルシートで伝える書き方|立場・領域・数字の扱いをそろえる

公開 2026-10-29 監修:株式会社エージェントベスト

広告・メディア業界の経験をスキルシートで伝えるときは、立場、領域、扱ったデータと指標、担当した工程の4点をそろえて書くのが基本です。「広告システムの開発」だけでは、発注側はどの案件に合うかを判断できません。「広告主側の計測基盤、成果の数え方の変更に合わせた集計の改修を担当」まで書くと、経験の中身が伝わります。

一方で、広告の経歴は、媒体や広告主、キャンペーンの時期を書くだけで取引先が推測されやすい分野です。配信の実績値や広告費は、取引先にとって営業上の秘密にあたることもあります。この記事では、4点のそろえ方、書かない情報の線引き、記入例を紹介します。スキルシート全体の構成はスキルシートの基本、守秘義務の一般的な考え方はスキルシートに書いてよいこと・いけないことで扱っているので、ここでは広告・メディアの経験に固有の書き方に絞ります。

要約の1行目で「立場」と「領域」を示す

広告・メディアの案件は、広告を買う側か、売る側か、中身を届ける側かで求められる経験が大きく違います。スキルシートの冒頭の要約で、この立場と領域を1行で示すと、読み手がすぐに案件と照らし合わせられます。立場と領域の分け方は広告・メディアのIT案件の記事で説明しています。

複数の立場を経験している場合は、次に入りたい案件に近い順に並べます。買う側と売る側の両方を知っていることは強みになりやすいので、要約の中で両方に触れておくと伝わりやすくなります。

プロジェクト欄は4点をそろえる

項目書き方の例避けたい書き方
立場と事業の種類「ニュース系Webメディア」「広告主側の運用代行」「動画配信サービス」媒体名、広告主名、サービス名
領域「広告枠の配信」「成果の計測とレポート」「有料会員の課金」「広告関連」だけ
扱ったデータと指標「配信記録と成果のデータを日次で集計」「表示回数の数え方の変更への対応」実際の表示回数や広告費の金額
担当した工程「タグの設計と設置、計測の検証、レポートの自動化」「開発」だけ

指標は「定義」で書き、「値」は書かない

広告の経験で評価されやすいのは、指標をどう扱ったかです。ただし、実際の表示回数、クリック率、成果の件数、広告費などの値は、取引先の営業上の情報にあたることが多いため書きません。代わりに、どの指標の、どんな定義や数え方に関わったかを書きます。

成果を数字で示したい場合は、「集計にかかる時間を短縮した」「手作業のレポート作成をなくした」のように、自分の作業の改善を示す表現にすると、取引先の情報に触れずに済みます。数字を入れる場合も、取引先の売上や広告の成果ではなく、自分が担った処理や作業の範囲にとどめます。

利用者の情報の扱いは「どう管理したか」で書く

計測やデータ基盤の案件では、利用者の情報の扱いに関わった経験も評価されます。総務省の外部送信規律は、タグなどで利用者の情報を外部に送る場合に、送信される情報の内容、送信先の名称、利用目的などの通知・公表を求めています。また、個人情報保護委員会のガイドラインは、Cookieなどの端末識別子を通じて収集された閲覧履歴を、個人関連情報の例として挙げています。

こうしたルールへの対応に関わった経験は、次のように書くと伝わります。

規制の中身は広告・メディアの規制の記事で扱っています。法的な判断そのものを担ったように読める書き方は避け、技術や運用の面で何をしたかに絞ります。

広告・メディアの経歴で書かない情報

広告の経歴は、一つひとつは問題なくても、組み合わせると取引先が特定できることに気をつけます。大きなキャンペーンや新しいサービスの開始は、公表されていることも多いためです。

書かない情報代わりの書き方
媒体名、広告主名、サービス名事業の種類(「ニュース系Webメディア」「大手の消費財メーカーの広告」など特定しにくい表現)
キャンペーンの時期を月単位で、商品やサービスと組み合わせたもの時期は年単位、「季節の大型キャンペーンの計測」など一般的な表現
表示回数、成果の件数、広告費、売上などの実績値指標の定義や、自分の作業の改善の度合い
入札のロジックや配信先の選び方の具体的な中身「入札の条件を調整する仕組みの開発」
送信先の事業者の一覧、データの持ち方の詳細「外部送信の管理の仕組みづくり」
障害の発生日と、影響した配信や利用者の数「配信障害の原因調査と再発防止策の検討」

特に、入札や配信の最適化のロジックは、取引先の競争力の中心にあることが多く、書くこと自体が営業上の秘密の開示になりかねません。どんな仕組みに関わったかは一般的な表現にとどめ、詳しくは面談で、話してよい範囲で口頭で説明します。

契約で秘密とされた範囲を書かないことが基準になります。参画した案件の業務委託契約や秘密保持契約で、経歴への記載について定めがある場合は、その定めに従ってください。秘密保持契約の読み方は秘密保持契約の記事で扱っています。

プロジェクト欄の記入例

以下は書き方を示すための例で、実在の案件や実績ではありません。

例1:広告主側の計測とレポートの自動化

期間:20XX年〜20XX年(1年3か月)
案件概要:広告の運用代行会社における、複数の広告媒体の実績の集計とレポートの自動化
規模・立場:データチーム4名(自分は集計処理の設計と実装の担当)
領域:成果の計測、レポート
扱ったデータと指標:媒体ごとの配信実績と成果のデータ。指標の定義を媒体間でそろえる設計
担当した工程:要件の整理、データの取り込みの設計、集計処理の実装、数字の検証
使用技術:Python、SQL、クラウドのデータウェアハウス、BIツール
工夫・成果:媒体ごとの成果の数え方の違いを一覧にし、レポートの注記として表示する仕組みを入れて、運用担当者からの問い合わせを減らした

例2:Webメディアの広告配信とCMSの改修

期間:20XX年〜20XX年(1年)
案件概要:ニュース系Webメディアの記事ページの表示速度の改善と、記事内の広告枠の配信の改修
規模・立場:開発チーム6名(自分はフロントエンドの担当)
領域:CMS、広告枠の配信
扱ったデータと指標:表示速度の指標、広告の表示の数え方
担当した工程:調査、設計、実装、計測の検証
使用技術:TypeScript、React、CDN
工夫・成果:広告の読み込みの順序を見直し、記事の表示を妨げずに広告の表示を数えられるようにした。変更の前後で広告の表示の数え方が変わらないことを検証する手順を作った

どちらの例も、媒体名、広告主名、実績値、配信のロジックは書いていません。それでも、立場、領域、指標の扱い、工程が書かれていれば、どの案件に合うかは読み手に伝わります。

面談で深掘りされやすい点

広告・メディアの案件で聞かれやすいのは、次のような点です。面談全般の準備は面談でよく聞かれる質問の記事で扱っています。

  1. 数字がずれたとき、どこから調べ、どう原因を切り分けたか
  2. 広告媒体のAPIやブラウザの仕様の変更に、どう気づき、どう対応したか
  3. 営業・編集・広告運用の担当者と、何をどう決めたか
  4. 利用者の情報の扱いで、どんな決まりに沿って作業したか

指標やデータ基盤の書き方は、データエンジニアのスキルシートの記事やMA・CRMのスキルシートの記事も参考になります。

よくある質問

実績値を書かないと、成果が伝わらないのではありませんか?

自分の作業の改善を示す表現と、指標の定義や数え方に関わった内容を書けば、成果は伝わります。発注側が知りたいのは、取引先の広告がどれだけ売れたかより、あなたが数字の仕組みにどう関わったかです。実績値は取引先の営業上の情報にあたることが多いため、書かないのが基本です。

広告運用の担当者として働いた経験も書いてよいですか?

書いてかまいません。エンジニアの案件でも、広告運用の担当者が何を見て判断しているかを知っていることは強みになります。どの立場で、どの指標を使って、何を判断していたかを書き、IT案件で生かせる点(レポートの要件の整理、計測の設計への関与など)を添えると伝わりやすくなります。

個人で運営していたWebメディアの経験は書けますか?

書けます。取引先の秘密に触れないぶん、広告枠の設置、計測、収益の分析などを具体的に書きやすい経験です。ただし、利用者の情報の扱いについては、外部送信の公表など、自分のメディアでどう対応していたかを聞かれることがあるため、説明できるようにしておくと安心です。

参考にした公的情報・資料

記事の内容は公開日時点の情報にもとづきます。制度や税率は変わることがあるため、手続きの前に必ず各機関の最新情報をご確認ください。

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