面談で年齢やキャリアの長さについて聞かれたとき|質問の背景と答え方
公開 2026-10-29 監修:株式会社エージェントベスト
面談で年齢やキャリアの長さを聞かれたら、事実を短く答えたうえで、その質問の背景にある心配に、直近の経験で答えるのが基本です。年齢そのものを長く説明したり、ごまかしたりする必要はありません。発注側が知りたいのは、多くの場合「この人にこの役割を任せられるか」です。
聞かれ方は、経験の浅い人と長い人で違います。この記事では、聞かれ方ごとの背景と答え方の型、そして雇用の年齢に関するルールが業務委託の面談にどこまで関わるのかを整理します。
聞かれ方と、その背景にある心配
年齢やキャリアの長さに関わる質問は、形はいろいろでも、背景にある心配はいくつかに絞られます。
| 聞かれ方の例 | 背景にありやすい心配 |
|---|---|
| 「エンジニア歴は何年ですか」 | 案件で求める水準の経験があるか |
| 「キャリアが長いですね。最近も手を動かしていますか」 | 直近の技術ややり方に触れているか |
| 「チームは若いメンバーが中心ですが、大丈夫ですか」 | 年下のリーダーの方針で動けるか |
| 「まだお若いですが、リーダーの経験はありますか」 | 任せる範囲を、経験で支えられるか |
| 「今後どのくらい続けるお考えですか」 | 長く参画してもらえるか、稼働が安定するか |
どの質問も、年齢の数字を知りたいというより、技術の新しさ、関わり方、経験の厚み、稼働の見通しのどれかを確かめたいことが多いです。どの心配に当たるかを考えてから答えると、話がずれにくくなります。
答え方の型:事実 → 直近の経験 → この案件での役割
答えは3つの順番で組み立てます。
- 事実を一文で:年数や年代を、聞かれたとおりに答える
- 直近の経験で心配に答える:最近の案件で何をしたかを具体的に話す
- この案件で担えることにつなぐ:だからこの役割を任せてほしい、で締める
以下は架空の例です。
キャリアの長さを聞かれた場合
開発に関わって20年ほどになります。直近の2年は、クラウド上の業務システムで、コンテナを使った開発とレビューを担当していました。今回の案件でも、設計から実装まで手を動かす役割でお役に立てると考えています。
経験の浅さを気にされた場合
実務の経験は3年です。そのうち直近の1年は、5人のチームで画面の設計から実装、テストまでを一通り担当しました。今回の担当範囲のうち、実装とテストは自分で進められます。設計の判断は、リーダーの方と相談しながら進めたいと考えています。
どちらも、年数を答えたあと、すぐに具体的な仕事の話に移っています。年数の長さや短さを弁解する言葉は入れていません。面談の回答の組み立て方全体はよく聞かれる質問の記事で解説しています。
経験年数を聞かれたときの注意
経験年数は、数え方によって変わります。会社員としての期間、フリーランスとしての期間、その技術を使っていた期間は、それぞれ違います。面談の前に、次のことを決めておきます。
- 「エンジニア歴」として何を数えるか(運用や保守の期間を含めるか)
- 技術ごとの年数(実務で使った期間だけを数える)
- 途中で離れていた期間をどう扱うか
数え方を決めたら、スキルシートの記載とそろえます。面談で口頭の年数とシートの年数が違うと、どちらが正しいのかを確かめられ、話がそこで止まってしまいます。年数の数え方は経験年数の数え方の記事で整理しています。
経験が浅い人が聞かれたとき
若手が聞かれやすいのは、「任せる範囲を経験で支えられるか」という心配です。答えるときのポイントは次のとおりです。
- 一人で進められる範囲と、相談しながら進める範囲を分けて話す:何でもできると言うより、信頼されやすくなります
- 規模や関わった工程を具体的に話す:チームの人数、担当した画面や機能の数など、話せる範囲で
- 分からないときの動き方を話す:調べ方、相談のタイミング、記録の残し方
経験の短さは、面談の場で変えられません。変えられるのは、今の経験で何を任せられるかを、相手が判断しやすい形で示すことです。20代でフリーランスになる前に考えたいことは20代の記事にまとめています。
キャリアが長い人が聞かれたとき
キャリアの長い人が聞かれやすいのは、「直近の技術に触れているか」「チームの中で役割に応じて動けるか」という心配です。
- 直近の数年に話の重心を置く:長い経歴を順番に話すより、最近の案件の話を厚くします
- 役割の幅を示す:リーダーとして決める場面と、メンバーとして方針に沿って動く場面の両方を話します
- 稼働の見通しを先に伝える:続けたい期間や、稼働日数の希望をはっきりさせておきます
年代ごとに求められやすい経験や案件の傾向は、40代の記事、50代の記事、60代の記事で扱っています。
年齢に関するルールは、業務委託にどこまで関わるか
雇用の募集・採用には、年齢のルールがある
労働施策総合推進法では、事業主は、労働者の募集・採用について、年齢にかかわりなく均等な機会を与えなければならないとされています(同法第9条)。厚生労働省は、この定めにより、事業主は労働者の募集・採用で年齢制限を設けることが原則として禁止されていると案内しています。ただし、例外として年齢制限が認められる場合も定められています(厚生労働省、2026年10月時点で確認)。
業務委託の面談には、そのまま当てはまるとは限らない
このルールの対象は、事業主が行う労働者の募集・採用です。業務委託は雇用ではなく、事業者どうしの取引の形をとるため、業務委託の面談に、このルールがそのまま当てはまるとは限りません。
また、フリーランス法には募集情報を正確に表示するルールがありますが、公正取引委員会のQ&Aで示されている誤解を生じさせる表示の対象は、募集する者の名称や連絡先、業務の内容、場所、報酬などの項目です(2026年10月時点で確認)。年齢についての質問を扱う定めではありません。募集のルールは募集情報の的確表示の記事で解説しています。
一方で、契約の名前が業務委託でも、働き方の実態によっては労働者と判断される場合があります(労働者性の記事)。また、正社員の転職と並行している場合、転職先の採用面接は雇用の募集・採用にあたります。どのルールが関わるかは場面によって違うため、扱いに疑問があるときは、専門家や公的な相談窓口に相談してください。
自己紹介の段階で、質問を先回りする
年齢やキャリアの長さを聞かれる前に、自己紹介の中で心配に先に答えておく方法もあります。たとえば、キャリアが長い人なら最初に直近の案件の話から始める、経験が浅い人なら一人で担った範囲を最初に示す、といった形です。
自己紹介で直近の経験がはっきり伝わっていれば、年齢やキャリアの長さの質問自体が出ないこともあります。自己紹介の組み立て方は自己紹介の記事で解説しています。
答えたくない質問を受けたとき
業務と関わりの薄い質問(家族の状況、結婚の予定など)を受けて、答えたくないと感じることもあります。その場合は、角を立てずに業務の話に戻す言い方があります。
業務に関わる点でしたら、お答えします。稼働の日数と時間帯については、週◯日、◯時から◯時まで対応できます。
稼働の見通しを聞きたいだけの質問であれば、この答えで相手の心配は解消されることが多いです。案件紹介サービスを通している場合は、面談のあとで担当者に、どんな質問があったかを伝えておくと、次の面談の参考にしてもらえます。
よくある質問
生年月日や年齢をスキルシートに書く必要はありますか?
提出先の様式に欄があれば、その指示に従います。自分で作るスキルシートでは、求められていなければ載せない選択もあります。ファイルに載せる個人情報の考え方はスキルシートの形式と送り方の記事をご覧ください。
年齢を理由に見送られたと感じたら、どうすればよいですか?
見送りの理由は、担当者を通じて聞ける範囲で確かめます。実際には、求める技術や稼働の条件が合わなかったことが理由になっている場合もあります。理由の聞き方と振り返り方は見送られる理由の記事で解説しています。
「あと何年くらい続けますか」と聞かれたら、どう答えればよいですか?
続けたい期間の見通しと、稼働の条件をそのまま伝えます。先のことが決まっていなければ、「少なくとも次の契約期間は、この稼働で続けられます」のように、確かに言える範囲で答えます。
参考にした公的情報・資料
記事の内容は公開日時点の情報にもとづきます。制度や税率は変わることがあるため、手続きの前に必ず各機関の最新情報をご確認ください。