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副業は会社に知られる?住民税の仕組みと「自分で納付」の選び方

公開 2026-10-29 監修:株式会社エージェントベスト

会社員の住民税は、原則として給与から天引きされる「特別徴収」で納めます。市区町村は税額を計算して勤務先に通知するため、副業の所得があると、勤務先に届く住民税額が給与だけの場合より大きくなり、そこから副業に気づかれることがあります。

業務委託など給与以外の副業であれば、確定申告書で副業分の住民税を「自分で納付(普通徴収)」に選べる場合があります。ただし、選んでも特別徴収になるケースがあり、アルバイトなど給与の副業は選べないのが原則です。副業を隠す方法としてではなく、就業規則に沿って副業をしたうえで、納め方を選ぶ仕組みとして理解しておくのが安全です(2026年10月時点)。

会社員の住民税は会社を通じて納めている

総務省の説明では、個人住民税の納め方には次の2つがあります。

納め方仕組み主な対象
特別徴収給与の支払者が給与から差し引いて市区町村に納める会社員など給与を受ける人
普通徴収市区町村から届く納税通知書で本人が納めるフリーランス・個人事業主など

千葉市の案内によると、特別徴収の流れは次のとおりです。

  1. 勤務先が毎年1月に、前年の給与の額を書いた「給与支払報告書」を市区町村に出す
  2. 市区町村が税額を計算し、5月上旬に勤務先へ税額の決定通知書を送る
  3. 勤務先が6月から翌年5月までの12回に分けて給与から差し引き、市区町村に納める

住民税は、前年1年間の所得をもとに、その年の1月1日に住んでいる市区町村が計算します。給与だけでなく、確定申告や住民税の申告で伝わった副業の所得も合わせて計算されます。住民税そのものの計算の仕組みはフリーランスの住民税の記事で解説しています。

副業が住民税から分かる理由

特別徴収では、副業の所得の分の住民税も、何もしなければ給与からまとめて差し引かれます。勤務先は、自分が払った給与の額をもとにおおよその住民税額を想像できるため、通知された税額が大きいと「給与以外の所得がある」と分かることがあります。

ここで押さえておきたいのは、住民税の通知は副業を会社に知らせるための仕組みではないという点です。あくまで税金を正しく集めるための仕組みで、その結果として所得の存在が表に出ることがある、というものです。

業務委託の副業なら「自分で納付」を選べる場合がある

確定申告書の第二表には「住民税・事業税に関する事項」の欄があり、給与・公的年金等以外の所得に係る住民税の徴収方法として「特別徴収」か「自分で納付」かを選べます。業務委託の報酬による雑所得や事業所得は、この「給与以外の所得」にあたります。

国税庁のe-Taxのよくある質問によると、確定申告書等作成コーナーでは、計算結果の確認後に表示される「住民税等に関する事項」の画面で選びます。給与・公的年金等の所得だけの人は、原則として特別徴収となり、この選択の項目は表示されません。

「自分で納付」を選ぶと、副業分の住民税は、市区町村から自宅に届く納税通知書で納めることになります。給与分の住民税はこれまでどおり給与から差し引かれます。

選んでも特別徴収になることがある

文京区の案内では、次のような場合は「自分で納付」を選んでも特別徴収になることがあるとされています。

また、文京区は、納め方を変えても納める住民税の額は変わらないと案内しています。扱いは市区町村によって違うことがあるため、住所地の市区町村の住民税担当で確かめてください。

給与の副業は原則として選べない

アルバイトやパートなど、副業先でも給与を受け取る場合、その分は給与所得です。e-Taxの案内のとおり、給与の所得は原則として特別徴収の対象で、給与以外の所得のように納め方を選ぶ欄はありません。副業の形が業務委託か雇用かで、住民税の扱いが変わる点を押さえておきましょう。

確定申告をしない場合の住民税の申告

給与を1か所から受けて年末調整を受けている人で、副業の所得が20万円以下なら、所得税の確定申告は不要とされる場合があります。ただし、鹿児島市の案内のように、個人住民税は所得の多少にかかわらず申告が必要とする市区町村があります。20万円のルールは副業の確定申告の記事で詳しく整理しています。

確定申告をせずに住民税の申告だけをする場合も、副業分の納め方を選べることがあります。横浜市の案内では、市の住民税申告書の右下にある「自分で納付(普通徴収)」の欄にチェックをして提出する方法が示されています。様式や手続きは市区町村によって違うため、住所地の案内を確認してください。

副業でどれくらい住民税が増えるか

総務省の説明では、住民税の所得割の標準税率は10%(道府県民税4%、市町村民税6%)です。基礎控除などの所得控除を給与の側ですでに使い切っている会社員の場合、副業の所得が増えた分には、おおむね10%の所得割が上乗せされると考えられます。

たとえば、業務委託の副業で報酬が50万円、経費が10万円なら、副業の所得は40万円です。この場合、住民税の所得割はおよそ4万円増える計算になります。実際の額は、ほかの控除や自治体の税率によって変わります。

この増えた分が、特別徴収なら給与からの天引き額に、「自分で納付」が通れば自宅に届く納税通知書に反映されます。副業の報酬を受け取った年ではなく、翌年の6月以降に負担がやってくる点に注意が必要です。所得税の確定申告で納める額と合わせて、報酬の一部を取り分けておくと慌てずに済みます。

申告から納付までの流れ

業務委託の副業がある会社員の、住民税に関する1年の流れをまとめます。

時期すること・起きること
1〜12月副業の報酬と経費を記録する
翌年2月16日〜3月15日確定申告をし、第二表で副業分の住民税の徴収方法を選ぶ
翌年5月ごろ市区町村から勤務先に、給与分の住民税の決定通知書が届く
翌年6月以降給与分は給与から差し引かれる。「自分で納付」が通った場合、副業分の納税通知書が自宅に届く

e-Taxで申告する場合、画面の流れによっては徴収方法の選択を見落としやすくなります。e-Taxの使い方はe-Taxの記事、確定申告全体の流れは確定申告の流れの記事をご覧ください。

普通徴収の納め忘れに注意

「自分で納付」を選んだ場合、副業分の住民税は自分で期限までに納める必要があります。給与天引きに慣れていると、自宅に届く納税通知書を見落としがちです。口座振替やスマートフォン決済など、市区町村が用意している方法で納め忘れを防ぎましょう。納期の回数や日付は、届いた納税通知書で確かめてください。

年の途中で引っ越した場合も、住民税はその年の1月1日に住んでいた市区町村から届きます。引っ越し後に通知が見当たらないときは、前の住所地の市区町村に問い合わせると状況を確かめられます。

よくある質問

「自分で納付」を選べば、副業は会社に知られませんか?

知られないとは言い切れません。「自分で納付」は住民税の納め方を選ぶ仕組みで、副業を隠すための制度ではありません。申告の内容によっては特別徴収になる場合もあります。副業は勤務先の就業規則に沿って、必要な届出をしたうえで行ってください。

副業が赤字の場合、住民税はどうなりますか?

業務委託の副業の所得が雑所得の場合、国税庁の案内では、雑所得の損失はほかの所得と差し引きできません。事業所得にあたる場合は扱いが変わります。文京区の案内では、給与以外の所得がマイナスの場合、「自分で納付」を選んでも特別徴収になることがあるとされています。個別の扱いは市区町村や税理士にご確認ください。

前年に副業をやめた場合も手続きは必要ですか?

住民税は前年の所得で計算されるため、副業をやめた翌年も、前年に副業の所得があればその分の住民税がかかります。前年分の確定申告や住民税の申告は必要です。やめた年の翌年分からは、副業の所得がなければ給与分だけの住民税になります。

参考にした公的情報・資料

記事の内容は公開日時点の情報にもとづきます。制度や税率は変わることがあるため、手続きの前に必ず各機関の最新情報をご確認ください。

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