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確定申告・所得税

フリーランスの住民税|計算の仕組みと支払いのタイミング

公開 2026-10-29 監修:株式会社エージェントベスト

フリーランスの住民税は、前年1年間の所得をもとに、所得に比例してかかる「所得割」(標準税率10%)と、定額の「均等割」を合わせた額です。会社員のように給与から天引きされないため、6月ごろに市区町村から届く納税通知書で、原則として6月・8月・10月・翌年1月の4回に分けて自分で納めます(2026年10月時点)。

所得税の確定申告をしていれば、住民税の申告は別に出す必要はありません。確定申告の内容が市区町村に伝わり、住民税が計算されます。

住民税は「前年の所得」に「今の住所」でかかる

住民税は、その年の1月1日に住んでいる市区町村で、前年1年間の所得に対してかかる税金です。たとえば2027年度の住民税は、2027年1月1日の住所地で、2026年の所得をもとに計算されます。

このため、所得と住民税の支払いには1年のずれがあります。

時期起きること
2026年1〜12月所得が発生する(報酬を受け取る)
2027年2〜3月確定申告をする
2027年6月ごろ市区町村から住民税の納税通知書が届く
2027年6月〜2028年1月4回に分けて納める

独立した年に会社員時代の高い給与があると、独立の翌年は、会社員時代の所得をもとにした住民税を自分で納めることになります。退職後の切り替えは退職後の手続きの記事で解説しています。

住民税の計算の仕組み

総務省の資料によると、住民税の所得割は次の流れで計算します。

  1. 所得を計算する:前年の収入から必要経費などを差し引いて所得を出す。この部分は所得税と同じ計算
  2. 所得控除を差し引く:基礎控除、社会保険料控除、扶養控除などを差し引いて課税所得を出す。控除の額は住民税独自に決まっている
  3. 税率をかける:課税所得に標準税率10%(道府県民税4%、市町村民税6%)をかける。指定都市は市民税8%、道府県民税2%
  4. 税額控除を差し引く:調整控除、住宅ローン控除などを差し引く

この所得割に、均等割を加えた額が1年間の住民税です。

区分標準的な額補足
所得割課税所得×10%道府県民税4%+市町村民税6%
均等割年4,000円道府県民税1,000円+市町村民税3,000円
森林環境税年1,000円2024年度から、均等割とあわせて徴収される国税

均等割は、自治体によって独自に上乗せしている場合があります。たとえば和歌山県は、県民税の均等割に500円を加算しています。自分の住む地域の額は、市区町村の案内でご確認ください。

住民税の控除は所得税より少ない

所得控除の額は、所得税と住民税で違います。総務省の資料によると、令和8年度税制改正の後も、住民税の基礎控除は最高43万円のままです。所得税の基礎控除は令和8年分から引き上げられ、最高104万円になりました(基礎控除の改正は確定申告の流れの記事で解説しています)。

控除住民税所得税
基礎控除最高43万円最高104万円(令和8年分以後)
扶養控除33万円38万円
特定扶養控除45万円63万円

総務省は、住民税が「地域社会の会費」という性格を持つため、控除の額を所得税より低く設定していると説明しています。そのため、所得税がかからない程度の所得でも、住民税はかかることがあります。

支払い方法は「普通徴収」

住民税の納め方には、給与から天引きされる「特別徴収」と、自分で納める「普通徴収」があります。フリーランスは普通徴収です。

市区町村から届く納税通知書には、4回分の納付書が付いています。和歌山県の案内では、普通徴収の納期を6月、8月、10月、1月としています(市区町村によって納期が違う場合があります)。市区町村によっては、1年分をまとめて第1期に納める方法も案内されています。

支払い方法は市区町村によって違いますが、金融機関の窓口、口座振替、コンビニ、スマートフォンの決済アプリなどが使えることが多くあります。口座振替にしておくと、納め忘れを防げます。

確定申告をすれば住民税の申告は不要

住民税にも申告の制度がありますが、所得税の確定申告をした人は、住民税の申告は不要です。確定申告書の情報は税務署から市区町村に送られ、住民税の計算に使われます。

確定申告書の第二表には「住民税・事業税に関する事項」の欄があります。ここには、住民税の計算に必要な情報(給与以外の所得の住民税の納め方など)を書きます。会社員が副業で業務委託を受けている場合、副業の分の住民税を自分で納める方法を選ぶ欄もあります。副業と住民税の関係は副業の住民税の記事で解説しています。

なお、確定申告をしない場合でも、所得があるなら住民税の申告が必要になることがあります。申告をしないと、所得が把握されず、国民健康保険料の軽減などが受けられないこともあります。

住民税を抑えるためにできること

住民税は所得に比例するため、所得を正しく計算し、使える控除を漏れなく申告することが基本です。

一方、所得を減らすために私的な支出を経費に入れることは認められません。判断に迷う場合は、税理士・税務署にご相談ください。

住民税と一緒に考えたい税金・保険料

住民税と同じく、前年の所得をもとに決まる負担があります。

いずれも確定申告の内容が基になるため、確定申告を正しく出すことが、住民税や保険料を正しく計算してもらうための前提です。

よくある質問

独立した年の住民税は、どの所得で計算されますか?

住民税は前年の所得で計算されます。独立した年の住民税は、会社員だった前年の給与所得をもとに計算されます。退職すると給与からの天引きができなくなるため、残りを普通徴収で自分で納めるか、退職時に一括で納めることになります。

住民税の納付書が届かないのはなぜですか?

前年の所得が一定以下で住民税がかからない場合や、引っ越しで通知の届け先が変わった場合などが考えられます。住民税は1月1日に住んでいた市区町村から届くため、年の途中で引っ越した場合は、前の住所地の市区町村に問い合わせてください。

住民税を期限までに納められない場合はどうすればよいですか?

納期限を過ぎると延滞金がかかることがあります。期限内に納めるのが難しい場合は、早めに住所地の市区町村の住民税担当窓口に相談してください。分割納付などの相談に応じてもらえる場合があります。

参考にした公的情報・資料

記事の内容は公開日時点の情報にもとづきます。制度や税率は変わることがあるため、手続きの前に必ず各機関の最新情報をご確認ください。

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