e-Taxで確定申告する方法|マイナンバーカードでの準備と送信の流れ
公開 2026-10-29 監修:株式会社エージェントベスト
フリーランスがe-Taxで確定申告するなら、マイナンバーカードと、カードを読み取るスマートフォン(またはICカードリーダライタ)を用意し、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」で申告書を作って、そのまま送信するのが基本の流れです。税務署に行かずに申告でき、青色申告で65万円の控除を受ける条件の一つにもなります。
これまで使えた「ID・パスワード方式」は、2025年10月1日から新規発行が止まっています。これから初めてe-Taxを使う人は、マイナンバーカード方式で準備することになります(2026年10月時点)。
e-Taxで申告する方法は3つ
e-Taxは、国税庁の電子申告・納税システムです。個人が所得税の確定申告を送る方法は、主に次の3つです。
| 方法 | 向いている人 | 補足 |
|---|---|---|
| 確定申告書等作成コーナー | 自分で申告書を作るフリーランスの多く | 画面の質問に答えて作成し、そのまま送信できる。所得税・消費税・贈与税に対応 |
| 会計ソフトから送信 | 会計ソフトで帳簿と決算書を作っている人 | ソフト側の機能でe-Taxに送る。対応範囲はソフトごとに違う |
| e-Taxソフト | 作成コーナーで扱えない申告がある人 | 国税庁は、作成コーナーを使えない場合に所得税・消費税はe-Taxソフトで作成・送信できるとしている |
どの方法でも、送信するには本人確認の手段が要ります。いまの中心はマイナンバーカード方式です。会計ソフトの選び方は会計ソフトの記事で解説しています。
準備するもの
国税庁のe-Taxサイトでは、マイナンバーカード方式で必要なものとして次のものが示されています。
- マイナンバーカード(または、スマートフォンに搭載した「スマートフォンのマイナンバーカード」)
- カードの読み取り手段:マイナンバーカードの読み取りに対応したスマートフォン、またはパソコンにつなぐICカードリーダライタ
- 電子証明書のパスワード:下の表の2つ
| パスワード | 桁数 | 使う場面 | ロックされる条件 |
|---|---|---|---|
| 署名用電子証明書 | 英数字6〜16文字 | 申告データへの電子署名・本人確認 | 5回続けて間違える |
| 利用者証明用電子証明書 | 数字4桁 | e-Taxへのログイン | 3回続けて間違える |
ロックされた場合は、国税庁の案内では、JPKI暗証番号リセットアプリとコンビニなどのキオスク端末で初期化できるとされています。申告期限の直前にロックすると慌てるため、早めに一度ログインして確かめておきましょう。
電子証明書の有効期限に注意
マイナンバーカードの電子証明書の有効期間は5年です。期限が切れていると送信できず、更新は市区町村の窓口で行います。確定申告の時期は窓口が混み合うことがあるため、年内に有効期限を確かめておくと安心です。
利用者識別番号
e-Taxを使うには、16桁の「利用者識別番号」が必要です。国税庁の案内では、個人はe-Taxソフト(WEB版)でマイナンバーカードを読み取ってアカウントを登録する方法や、マイナポータルから連携する方法などで取得できます。すでに番号を持っている人がマイナンバーカード方式を登録しても、番号は変わりません。
ID・パスワード方式は新規発行が止まった
ID・パスワード方式は、税務署で本人確認を受けて発行されたIDとパスワードで、作成コーナーから電子署名なしで送信できる方式です。国税庁は、マイナンバーカードが普及するまでの暫定的な対応として運用してきました。
国税庁のお知らせでは、2025年10月1日から新規発行を停止しています。すでに届出をしている人は、引き続き使えます。ただし、e-Taxのヘルプデスクの案内では、令和9年分の確定申告からは利用できなくなる予定とされています(予定であり、最新の案内をご確認ください)。
いまID・パスワード方式で申告している人も、令和8年分の申告の前後でマイナンバーカード方式に切り替えておくと、翌年に慌てずに済みます。
申告書を作って送るまでの流れ
確定申告書等作成コーナーを使う場合の大まかな流れは次のとおりです。
- 帳簿を締めて決算書の数字をそろえる:売上・経費を集計し、青色申告なら青色申告決算書(損益計算書・貸借対照表)の数字を用意する
- 作成コーナーで提出方法に「e-Tax」を選ぶ:マイナンバーカードを読み取り、ログインする
- 決算書を作る:会計ソフトで作った数字を入力する
- 申告書を作る:所得の金額、所得控除、源泉徴収税額などを入力する
- 送信する:署名用電子証明書のパスワードで送信する
- 受信通知を確かめる:メッセージボックスに届く受信通知を保存する
国税庁の案内では、送信直後に画面に出るのは形式のチェック結果で、審査の結果(受信通知)は少し時間をおいてメッセージボックスに届きます。すぐに再送信せず、時間をおいてから確かめてください。
e-Taxにすると何が変わるか
青色申告65万円控除の条件になる
国税庁の「No.2072 青色申告特別控除」では、55万円控除の条件に加えて、確定申告書・貸借対照表・損益計算書などを期限までにe-Taxで送信することが、65万円控除の条件の一つとされています(もう一つは優良な電子帳簿の保存)。決算書をPDFなどのイメージデータで送っても、この条件は満たしません。
令和9年分からは控除の区分が変わり、書面で申告した場合の上限は10万円になります。詳しくは青色申告の記事をご覧ください。
控除証明書の提出を省略できる
e-Taxで所得税の確定申告をする場合、社会保険料控除・小規模企業共済等掛金控除・生命保険料控除などの証明書は、記載内容を入力して送れば、税務署への提出や提示を省略できます。
ただし、国税庁は、入力内容の確認のために、法定申告期限から5年間は書類の提示や提出を求めることがあるとしています。求めに応じられないと、添付がなかったものとして扱われます。国民年金・国民年金基金・iDeCoなどの証明書は、送信後も捨てずに保管しておきましょう。
納税もオンラインでできる
e-Taxの電子納税では、次のような方法を選べます。
- ダイレクト納付:事前に届け出た口座から引き落とす
- インターネットバンキング・ATM(ペイジー)
- クレジットカード納付・スマホアプリ納付(国税庁が指定した民間の納付サイトを使う)
- コンビニ納付(QRコード)
納付期限は書面で申告した場合と同じで、所得税は原則3月15日です。期限と日程は確定申告の流れの記事にまとめています。
e-Taxで迷いやすいところ
源泉徴収税額は取引先ごとに入れる
フリーランスの報酬から源泉徴収された所得税は、申告書の「所得の内訳」に、取引先ごとの収入金額と源泉徴収税額を入力します。支払調書が届かない取引先もあるため、請求書と入金額の差から確かめておきましょう。仕組みは源泉徴収の記事で解説しています。
消費税の申告もe-Taxで出せる
インボイスの登録などで消費税の課税事業者になっている人は、所得税とは別に消費税の申告も必要です。作成コーナーは消費税の申告にも対応しています。消費税の申告と納付の期限は3月31日です。流れは消費税の納税の記事をご覧ください。
青色申告にするなら申請の期限が先に来る
65万円の控除を受けるには、e-Taxの準備とは別に、青色申告の承認を受けている必要があります。国税庁の案内では、青色申告承認申請書の期限は原則として青色申告をしたい年の3月15日まで(その年の1月16日以後に開業した場合は開業日から2か月以内)です。開業届の提出期限は、事業を開始した日の属する年分の確定申告期限までとされています。手続きは開業届の記事にまとめています。
よくある質問
マイナンバーカードを持っていない場合、e-Taxで申告できますか?
すでにID・パスワード方式の届出をしている人は、引き続きその方式で作成コーナーから送信できます。ただし、新規発行は2025年10月1日から止まっており、令和9年分の確定申告からは使えなくなる予定です。これから始める人はマイナンバーカードを取得するか、書面での提出を検討してください。
スマートフォンだけで確定申告できますか?
マイナンバーカードの読み取りに対応したスマートフォンなら、作成コーナーでの作成と送信ができます。Androidのスマートフォンに搭載する「スマホ用電子証明書」には氏名や住所などの情報が含まれないため、一部の手続きではカードの読み取りが必要になると国税庁は案内しています。決算書の入力が多い人は、パソコンで作成し、読み取りだけスマートフォンを使う方法もあります。
送信した申告書に間違いが見つかったらどうすればよいですか?
申告期限内なら、正しい内容で作り直した申告書を出し直す方法があります。期限後に税額が少なかったと分かった場合は修正申告、多すぎた場合は更正の請求で直すのが一般的です。どの手続きになるかは、税務署や税理士にご相談ください。
参考にした公的情報・資料
- e-Tax 個人の方(国税庁)
- e-Tax ご利用の流れ(国税庁)
- マイナンバーカード方式について(国税庁 e-Tax)
- マイページ 本人確認(国税庁 e-Tax)
- ID・パスワード方式について(国税庁 e-Tax)
- e-Taxの「ID・パスワード方式」とは何かを知りたい(e-Tax ヘルプデスクFAQ)
- 「確定申告書等作成コーナー」で利用するID・パスワードの新規発行停止について(国税庁)
- 第三者作成書類の添付省略の制度について(国税庁 e-Tax)
- 電子納税(国税庁 e-Tax)
- No.2072 青色申告特別控除(国税庁)
- No.2090 新たに事業を始めたときの届出など(国税庁)
記事の内容は公開日時点の情報にもとづきます。制度や税率は変わることがあるため、手続きの前に必ず各機関の最新情報をご確認ください。