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副業の確定申告|所得20万円のルールの正しい理解と、住民税の申告が別に要る理由

公開 2026-10-29 監修:株式会社エージェントベスト

副業の所得が20万円以下なら所得税の確定申告をしなくてよい、というルールは、給与を1か所から受けて年末調整を受けている会社員などに限った、所得税だけの特例です。20万円は報酬の額(収入)ではなく、経費を差し引いた所得で判定します。

一方、住民税にはこの20万円の基準がありません。所得税の確定申告をしない場合でも、市区町村への住民税の申告が必要になることがあります。また、医療費控除やふるさと納税などで確定申告をするときは、20万円以下の副業の所得も含めて申告します(2026年10月時点)。

20万円のルールが使える人・使えない人

国税庁の「給与所得者で確定申告が必要な人」(令和8年4月1日現在法令等)では、給与所得者のうち、次の人は確定申告が必要とされています。

区分確定申告が必要になる条件
給与の年間収入が2,000万円を超える人副業の有無にかかわらず必要
給与を1か所から受け、全部が源泉徴収の対象の人給与所得・退職所得以外の所得の合計が20万円を超える
給与を2か所以上から受け、全部が源泉徴収の対象の人年末調整されなかった給与の収入と、給与・退職所得以外の所得の合計が20万円を超える

つまり、20万円の判定は「本業の会社で年末調整を受けている」ことが前提です。副業でアルバイトをして2か所目の給与を受けている場合は、その給与の収入も20万円の計算に入ります。

また、このルールは確定申告をすれば税金が還付される人を除いた話です。還付を受けたいときは、20万円以下でも申告できます。

20万円は「所得」で数える

業務委託の副業で受け取る報酬は、国税庁の案内で雑所得の例として挙げられている「副業に係る所得」にあたることが多くあります。雑所得の金額は、総収入金額から必要経費を差し引いた額です。

例報酬(収入)経費所得確定申告
A30万円12万円18万円20万円以下のため、所得税の申告は不要になり得る
B30万円5万円25万円20万円を超えるため必要

報酬が20万円を超えていても、経費を差し引いた所得が20万円以下なら、所得税の確定申告は不要になる場合があります。反対に、経費として認められない支出を差し引いて20万円以下にすることはできません。経費の範囲は経費にできるものの記事で確認してください。

給与以外の所得はすべて合計する

20万円は、副業1件ごとではなく、給与・退職所得以外の所得を合計した額で判定します。業務委託の副業が2件ある場合や、副業のほかに一時的な所得がある場合も、それぞれの所得を合算して考えます。

よくある3つの思い違い

20万円のルールは、次のように取り違えられやすい点があります。

  1. 「報酬が20万円以下なら申告不要」:判定するのは報酬ではなく、経費を差し引いた所得
  2. 「20万円以下なら税金がかからない」:申告が不要になるだけで、住民税はかかる。所得税も、申告をすれば20万円以下の分も課税の対象として計算される
  3. 「会社員なら誰でも使える」:年末調整を受けていない人、給与が2,000万円を超える人などは使えない

特に2つ目は、「非課税」と「申告不要」の違いです。20万円以下の所得に税金がかからないわけではない点を押さえておきましょう。

住民税には20万円の基準がない

所得税の確定申告が不要でも、住民税の扱いは別です。鹿児島市の案内では、所得税は所得が生じた時点で源泉徴収されていることなどから20万円以下なら確定申告が不要とされているのに対し、個人住民税は所得の多少にかかわらず申告が必要とされています。

確定申告をした人は、その内容が市区町村に伝わるため、住民税の申告は別に出さなくて済みます。確定申告をしない人は、住所地の市区町村に住民税の申告書を出します。横浜市の案内のように、住民税の申告書で副業分の住民税を「自分で納付(普通徴収)」にする欄を設けている自治体もあります。

副業の住民税が会社にどう伝わるか、納め方をどう選ぶかは副業の住民税の記事で解説しています。

確定申告をするなら20万円以下の所得も含める

熊本国税局の案内では、給与以外の所得が20万円以下の人は確定申告は不要としたうえで、医療費控除やふるさと納税(寄附金控除)などの適用を受ける場合は、所得が20万円以下であっても確定申告が必要としています。

確定申告をすると決めたら、申告不要の特例は使わず、20万円以下の副業の所得も含めて申告します。次のような年は、副業の所得の記録を必ずご確認ください。

源泉徴収された報酬は申告で精算できる

業務委託の報酬のうち、原稿料や講演料など、所得税法で決められた一定の報酬は、支払う側が所得税を源泉徴収してから支払います。源泉徴収された税額は、確定申告で精算されます。

所得が20万円以下で申告不要の人でも、源泉徴収された税額のほうが本来の税額より多ければ、確定申告(還付申告)をすることで差額が戻ることがあります。国税庁は、確定申告をすれば還付される人を申告が必要な人の条件から除いているだけで、還付を受けるための申告はできます。どの報酬が源泉徴収の対象になるかは源泉徴収の記事で整理しています。

副業が赤字のときの扱い

副業の所得が雑所得の場合、赤字になっても給与所得と差し引くことはできません。国税庁の損益通算の説明では、損益通算の対象は不動産所得・事業所得・譲渡所得・山林所得の4つで、雑所得の損失はほかの所得から控除できないとされています。

事業所得にあたる場合は、赤字をほかの所得と差し引ける可能性があります。また、青色申告特別控除(55万円・65万円・10万円)は、不動産所得や事業所得が対象で、雑所得には使えません。副業の所得がどちらにあたるかは、事業として営んでいるかどうかで判断されるため、税理士・税務署にご相談ください。青色申告の条件は青色申告の記事で解説しています。

確定申告が必要な場合の進め方

20万円を超えて確定申告が必要になった場合は、次の順で進めます。

  1. 1年分の報酬と経費を集計する:請求書の控え、入金記録、領収書をそろえる
  2. 本業の源泉徴収票を受け取る:年末調整後に勤務先から渡される
  3. 申告書を作る:給与所得と副業の所得をまとめて申告する。e-Taxや国税庁の作成コーナーを使える
  4. 住民税の徴収方法を選ぶ:第二表で副業分を「特別徴収」か「自分で納付」か選ぶ
  5. 期限までに提出・納付する:原則として翌年2月16日から3月15日まで

確定申告の全体の流れと準備するものは確定申告の流れの記事、電子申告の手順はe-Taxの記事をご覧ください。

よくある質問

副業の報酬が25万円で、経費が10万円の場合は確定申告が必要ですか?

所得は25万円から10万円を差し引いた15万円です。給与を1か所から受けて年末調整を受けている人で、ほかに給与以外の所得がなければ、所得税の確定申告は不要になる場合があります。ただし、住民税の申告は必要になることがあります。医療費控除などで確定申告をする場合は、この15万円も含めて申告します。

年末調整を受けていない場合も20万円のルールは使えますか?

国税庁の案内では、20万円のルールは給与の全部が源泉徴収の対象になる給与所得者についてのものです。年の途中で退職して年末調整を受けていない場合などは、確定申告で精算が必要になることがあります。ご自身の状況に当てはまるかは、税務署や税理士にご確認ください。

20万円以下の副業を申告しなかったら、どうなりますか?

所得税の確定申告が不要な条件を満たしていれば、所得税の申告をしなくても問題はありません。ただし、住民税の申告は別に必要な場合があり、申告をしないと市区町村から問い合わせを受けることがあります。また、条件を満たしていないのに申告しなかった場合は、後から申告と納税を求められ、加算税などがかかることがあります。

参考にした公的情報・資料

記事の内容は公開日時点の情報にもとづきます。制度や税率は変わることがあるため、手続きの前に必ず各機関の最新情報をご確認ください。

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