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独立・開業の準備

自宅を仕事場にするときの環境づくり|机・回線・セキュリティの整え方

公開 2026-10-29 監修:株式会社エージェントベスト

自宅を仕事場にするときは、①無理のない姿勢で長時間作業できる机と椅子、②オンライン会議が途切れない回線、③家族と分けた端末とWi-Fiの設定の3つを優先して整えます。高価な家具をそろえるより、作業の場所と時間を生活から切り分けることの方が大切です。

この記事では、厚生労働省のテレワーク向けチェックリストを参考に、場所・机・回線・セキュリティの順に整え方を整理し、費用を経費にするときの考え方にも触れます。

最初に決めるのは「どこで仕事をするか」

机や回線より先に、仕事をする場所を決めます。選ぶときの観点は次のとおりです。

観点確かめること
広さ手足を伸ばせるか、ストレッチできる余裕があるか
音オンライン会議の声が聞き取れるか。生活音や外の騒音が入らないか
映り込みカメラに家族や私物が映らないか
明るさ・温度照明は足りているか、エアコンや換気は使えるか
切り替え仕事が終わったら片付けられるか、生活と分けられるか

専用の部屋が取れれば理想的ですが、リビングの一角でも、会議の時間だけ静かな部屋に移る、カメラの背景を固定するなどの工夫で回せる場合もあります。家族と時間や場所を決めておく話は家族に独立を相談するときの記事で触れています。

机・椅子・照明は厚生労働省のチェックリストを参考にする

厚生労働省は、テレワークのガイドラインの関連資料として、自宅の作業環境を働く人自身が確かめるためのチェックリストを公開しています。労働者向けの資料ですが、フリーランスが自宅の環境を見直すときの観点としても使えます。主な項目は次のとおりです。

エンジニアの仕事は長時間の画面作業になりやすいため、とくに椅子と画面の高さは優先して整えたいところです。ノートパソコン1台だけで作業すると、画面を見下ろす姿勢が続きやすくなります。外付けのディスプレイやキーボードを使うと、姿勢を調整しやすくなります。

回線は「会議が途切れない」を基準に選ぶ

在宅の作業では、オンライン会議、リポジトリへのアクセス、大きなファイルのやり取りが日常的に発生します。回線は、カタログの速度より、混む時間帯でも会議が途切れないかを基準に考えます。

案件によっては、発注者のVPNやリモートデスクトップを使うことがあります。参画前に、必要な接続方式や推奨環境を確かめておくと、初日から作業を始めやすくなります。リモート案件で参画前に確かめたいことはフルリモート案件の記事にまとめています。

セキュリティは「家族と分ける」から始める

自宅で取引先の情報を扱う以上、セキュリティの対策は欠かせません。詳しい対策は自宅で働くときの情報セキュリティ対策の記事で扱うため、ここでは環境づくりの段階で決めておきたいことに絞ります。

端末とアカウントを家族と共用しない

仕事に使うパソコンは、家族と共用しないのが基本です。共用すると、家族が誤ってファイルを消したり、取引先の情報が目に入ったりするおそれがあります。発注者から端末が貸与される場合は、その端末の利用ルールに従います。

自宅のWi-Fiルーターの設定を見直す

総務省は、家庭でWi-Fiを使う人に向けて、次の点を挙げています。

  1. 暗号化方式はWPA2またはWPA3を選ぶ
  2. 推測されにくいパスワードにし、他人に教えない
  3. サポートが終了していないルーターを使う
  4. ファームウェアを最新の状態に更新する
  5. ルーターの設定を定期的に確認する

何年も前に設置したルーターをそのまま使っている場合は、独立を機に設定と機種を見直すとよいでしょう。

画面と書類の置き場所

オンライン会議の背景に、ホワイトボードや書類が映り込まないようにします。紙の資料を扱う場合は、鍵のかかる引き出しなど保管場所を決め、使い終わったら契約に沿って返却・廃棄します。

データの置き場所とバックアップ

自宅の端末が故障したり、盗難にあったりしたときに作業が止まらないよう、データの置き場所も決めておきます。取引先の資料やソースコードは、発注者が指定する保存先(リポジトリや共有ストレージなど)に置き、私用のクラウドや外付けの記録媒体に勝手にコピーしないのが基本です。自分の請求書や帳簿などの事業の書類は、別にバックアップをとっておきます。

仕事と生活の区切りをつける

自宅で働くと、通勤がない分、仕事を始める時刻と終える時刻があいまいになりがちです。会社員のように決められた勤務時間はないため、区切りは自分で作ります。

稼働時間を記録しておくと、精算の根拠になるだけでなく、働きすぎに気づくきっかけにもなります。体調の整え方は働きすぎを防ぐ体調管理の記事で扱っています。

環境づくりの費用と経費の考え方

仕事のために買った机や椅子、ディスプレイ、回線の費用は、事業の経費にできる場合があります。

10万円未満かどうかで扱いが変わる

国税庁によると、使用可能期間が1年未満のもの、または取得価額が10万円未満のものは、業務に使い始めた年に全額を必要経費にします。10万円以上のものは原則として減価償却で、数年に分けて経費にします(令和8年4月1日現在法令等)。青色申告者が使える少額減価償却資産の特例など、選べる方法は減価償却の記事で解説しています。

生活と共用の支出は按分する

自宅の家賃・電気代・回線費のように、生活と仕事の両方に使う支出は、業務に使った部分だけを経費にします。国税庁は、業務の遂行上必要な部分を明らかに区分できる場合に、その部分を必要経費にできるとしています。割合の決め方は家事按分の記事をご覧ください。

なお、実家など生計を一にする親族の家の一室を仕事場にして家賃を払っても、その家賃は原則として必要経費になりません(国税庁 No.2210)。親と同居している場合などは注意が必要です。

よくある質問

ノートパソコン1台でも仕事はできますか?

作業そのものはできますが、長時間になると画面を見下ろす姿勢が続きやすくなります。外付けのディスプレイやキーボードを用意すると、姿勢を調整しやすくなります。案件によっては発注者から端末が貸与されるため、参画が決まってから買い足す方法もあります。

自宅の回線費は全額経費にできますか?

私用と仕事の両方に使っている場合は、仕事に使った割合だけを経費にします。使用時間など説明できる基準で割合を決め、根拠を残しておきます。仕事専用の回線を別に契約している場合は、その回線の費用を按分せずに経費にしやすくなります。割合の決め方は家事按分の記事で解説しています。

賃貸住宅で在宅の仕事をしても問題ありませんか?

賃貸借契約では、使用目的が「住居」と定められていることが一般的です。在宅でのパソコン作業が問題になるかは契約の内容によるため、契約書の使用目的や禁止事項を確かめておくと安心です。来客を迎える、看板を出すなど住居以外の使い方をする場合は、事前に管理会社や貸主に相談してください。

参考にした公的情報・資料

記事の内容は公開日時点の情報にもとづきます。制度や税率は変わることがあるため、手続きの前に必ず各機関の最新情報をご確認ください。

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