国民年金の保険料と免除・猶予|フリーランスが知っておきたい金額と手続き
公開 2026-10-29 監修:株式会社エージェントベスト
国民年金の保険料は、令和8年度(2026年4月〜2027年3月)が月額17,920円です。令和9年度は月額18,290円になります。所得に関係なく同じ金額で、まとめて前納すると割り引かれます。
収入が減って払うのが難しいときは、免除や納付猶予を申請できます。未納のままにすると、将来の年金だけでなく、障害基礎年金・遺族基礎年金を受け取れない場合もあるため、払えないときは申請を検討することが大切です(2026年10月時点)。
フリーランスは第1号被保険者になる
会社員は厚生年金に加入し、保険料は給与から天引きされます。会社を辞めてフリーランスになると、国民年金の第1号被保険者になり、自分で保険料を納めます(配偶者の扶養に入る第3号被保険者になる場合を除く)。
退職後の手続き
- 期限:退職日の翌日から14日以内
- 提出先:住所地の市区役所・町村役場
- 書類:国民年金被保険者関係届書(申出書)
- 持ち物:基礎年金番号が分かる書類(基礎年金番号通知書など)、またはマイナンバーカード
- 提出する人:本人または世帯主
退職直後の手続きでは、厚生年金の資格を失った日が分かる書類(離職票など)が必要になることがあります。健康保険の切り替えとあわせて済ませておきましょう。手続き全体の流れは退職後の手続きの記事にまとめています。
保険料の金額と納め方
| 年度 | 月額 |
|---|---|
| 令和8年度(2026年4月〜2027年3月) | 17,920円 |
| 令和9年度(2027年4月〜2028年3月) | 18,290円 |
保険料は、所得や年齢に関係なく定額です。納付期限は、法令で納付対象月の翌月末日と決められています(土日祝日などの場合は翌営業日)。
納め方は、納付書、口座振替、クレジットカード、スマートフォンアプリなどから選べます。将来の年金を増やしたい人は、月額400円の付加保険料をあわせて納める方法もあります。付加年金については付加年金の記事をご覧ください。
前納すると割り引かれる
保険料は、6か月分・1年分・2年分をまとめて前納すると割り引かれます。令和8年度の金額は次のとおりです。
| 納め方 | 口座振替 | 割引額 | 納付書・クレジットカード | 割引額 |
|---|---|---|---|---|
| 2年前納 | 417,150円 | 17,370円 | 418,510円 | 16,010円 |
| 1年前納 | 210,530円 | 4,510円 | 211,220円 | 3,820円 |
| 6か月前納 | 106,300円 | 1,220円 | 106,650円 | 870円 |
| 早割(当月末の口座振替) | 17,860円 | 60円 | — | — |
割引額は、毎月納めた場合と比べた金額です。口座振替のほうが割引額は大きくなります。
前納した保険料は、社会保険料控除の対象です。払った保険料は全額が控除の対象になり、確定申告では日本年金機構から届く控除証明書などを使います。2年前納した場合の控除の扱い(納めた年にまとめて控除するか、各年に分けるか)は、国税庁の案内を確認するか、税理士にご相談ください。
払えないときの免除と納付猶予
収入が減って保険料を納めるのが難しいときは、申請して承認されると、保険料の全額または一部が免除されます。50歳未満の人は、納付を先に延ばす納付猶予もあります。
免除・猶予の所得の目安
審査は前年の所得で行います。免除は本人・配偶者・世帯主、納付猶予は本人・配偶者の所得が審査の対象です。
| 種類 | 前年所得の基準 |
|---|---|
| 全額免除 | (扶養親族等の数+1)×35万円+32万円 |
| 4分の3免除 | 88万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等 |
| 半額免除 | 128万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等 |
| 4分の1免除 | 168万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等 |
| 納付猶予(50歳未満) | (扶養親族等の数+1)×35万円+32万円 |
将来の年金額への影響
免除された期間も、年金を受け取るための資格期間に数えられ、年金額にも一部が反映されます。納付猶予の期間は資格期間に数えられますが、年金額には反映されません。
| 種類 | 年金額への反映(全額納付と比べた割合) |
|---|---|
| 全額免除 | 2分の1 |
| 4分の3免除 | 8分の5 |
| 半額免除 | 8分の6 |
| 4分の1免除 | 8分の7 |
| 納付猶予 | 反映されない |
※平成21年3月分までの期間は割合が異なります。
一部免除の場合は、減額された残りの保険料を納めている必要があります。
退職・失業したときの特例
失業や事業の廃止・休止などがあった場合は、その事実を確認できれば、本人の前年所得にかかわらず免除や納付猶予を受けられる特例があります。会社員を辞めた人は雇用保険の離職票の写しなど、事業をやめた人は廃業の届出書の写しなどを添えて申請します。
申請の窓口と期限
申請は、住所地の市区役所・町村役場の国民年金の担当窓口か、年金事務所で行います(郵送や電子申請も可能)。保険料の納付期限から2年を過ぎていない期間であれば、申請時点から2年1か月前までの期間についてさかのぼって申請できます。
後から納める「追納」
免除や納付猶予を受けた期間の保険料は、承認された期間から10年以内であれば、後から納めることができます(追納)。追納すると、その期間は保険料を納めた期間として年金額に反映されます。
収入が戻ってきたら、追納を検討するとよいでしょう。追納した保険料も社会保険料控除の対象です。
会社員との違いと老後への備え
フリーランスが受け取る公的年金は、原則として国民年金(老齢基礎年金)だけです。厚生年金に入っていた会社員と比べると、将来の年金額は少なくなりやすい点を押さえておきましょう。
国民年金に上乗せする方法として、次のような制度があります。
- 付加年金:月額400円の付加保険料を納めると、将来の年金が増える
- 国民年金基金:第1号被保険者が加入できる上乗せの年金
- iDeCo(個人型確定拠出年金):自分で掛金を積み立てて運用する
- 小規模企業共済:個人事業主の退職金にあたる積み立て
それぞれの仕組みは国民年金基金の記事、iDeCoの記事、小規模企業共済の記事で解説しています。
よくある質問
国民年金保険料は所得が多いと高くなりますか?
なりません。国民年金保険料は所得にかかわらず定額で、令和8年度は月額17,920円です。所得に応じて金額が変わるのは国民健康保険料のほうです。国民健康保険料の決まり方は国民健康保険の記事で解説しています。
免除と納付猶予はどちらを選べばよいですか?
自分で選ぶというより、本人・配偶者・世帯主の前年所得などで、どの種類の対象になるかが決まります。免除は年金額に一部が反映されますが、納付猶予は反映されません。また、免除は世帯主の所得も審査されますが、納付猶予(50歳未満)は本人と配偶者の所得で審査されます。どれに当てはまるかは、窓口で確認しながら手続きすると安心です。
配偶者が会社員なら、扶養に入って保険料を払わなくてもよいですか?
会社員などの配偶者に扶養され、条件を満たす場合は第3号被保険者になり、自分で保険料を納める必要はありません。ただし、フリーランスとしての収入が一定以上あると扶養に入れないことがあります。条件は扶養の記事をご覧ください。
参考にした公的情報・資料
- 国民年金保険料(日本年金機構)
- 国民年金保険料の前納(日本年金機構)
- 国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度(日本年金機構)
- 国民年金保険料の追納制度(日本年金機構)
- 国民年金に加入するための手続き(日本年金機構)
- No.1130 社会保険料控除(国税庁)
記事の内容は公開日時点の情報にもとづきます。制度や税率は変わることがあるため、手続きの前に必ず各機関の最新情報をご確認ください。