エージェントベストジョブ フリーランスフリーランスのエンジニア・コンサル向け案件紹介

トップ › お役立ち記事 › フリーランス新法・下請法

フリーランス新法・下請法

報酬は60日以内に支払う決まり|フリーランス新法の支払期日

公開 2026-10-29 監修:株式会社エージェントベスト

フリーランス新法(第4条)では、従業員を使う発注者は、フリーランスの給付を受領した日から数えて60日以内の、できる限り短い期間内で報酬の支払期日を定め、その日までに支払わなければなりません。支払期日を決めていない場合は受領した日が、60日を超える日を決めた場合は受領日から60日を経過する日の前日が、支払期日とみなされます。

仲介会社などを通じた再委託では、一定の事項を明示すれば、元の発注者からの支払期日から30日以内とする例外もあります。60日の数え始め(起算日)と例外を押さえておくと、自分の契約の支払条件が法律に沿っているかを確かめられます。

60日ルールの基本

対象になる発注者

この義務を負うのは「特定業務委託事業者」、つまり従業員を使用する個人や、役員が2人以上いるか従業員を使用する法人です。従業員のいないフリーランス同士の取引では、第4条の義務はかかりません。その場合も、報酬の額と支払期日は取引条件として明示する必要があります(第3条)。

支払期日の決まり方

「考え方」では、支払期日は次のように決まると整理されています。

契約での定め方法律上の支払期日
受領日から60日以内に支払期日を定めた定めた支払期日
支払期日を定めなかった給付を受領した日
受領日から60日を超えて支払期日を定めた受領日から60日を経過した日の前日

60日は「給付を受領した日」を1日目として数えます。発注者が検査(検収)をするかどうかは関係ありません。検収に時間がかかっても、起算日は受領日のままです。

なお、Q&Aでは、60日ルールができたことを理由に、それまでより遅い支払期日を新たに設定することは問題だとしています。60日は上限であり、できる限り短い期間で定めることが求められています。

「給付を受領した日」はいつか

起算日は、業務委託の種類によって考え方が違います。

プログラムやドキュメントの作成(情報成果物)

成果物のデータを受け取った日、またはオンラインで発注者のコンピュータに記録された日が受領日です。作成の途中で内容確認のためにデータを渡すこともあるため、「一定の水準を満たしていると確認した時点で受領とする」とあらかじめ合意していれば、途中の受け渡しを受領とは扱いません。ただし、取引条件として明示された納期に発注者の手元にあれば、確認が終わっているかどうかにかかわらず、その納期が起算日になります。

準委任での稼働(役務の提供)

役務の提供では、個々の役務の提供を受けた日が受領日です。日数がかかる役務は、一連の提供が終わった日になります。

フリーランスの準委任案件で多い月額契約については、次の3つをすべて満たす場合、月単位で設定した締切期間の末日に役務が提供されたものとして、そこから60日(2か月)以内に支払えばよいとされています。

  1. 月単位の締切期間の末日までに提供した役務に対して支払うことを、あらかじめ合意して取引条件に明記している
  2. その期間の報酬の額、または単価が決まった算定方式を取引条件に明記している
  3. 連続して提供する役務が同じ種類のものである

たとえば「月末締め・翌月末払い」であれば、締切期間の末日から2か月以内に収まります。

やり直しをさせた場合

フリーランスの責任でやり直しをさせた場合は、やり直した後の成果物を受け取った日(役務の場合は提供した日)が起算日になります。

再委託の場合は「元委託の支払期日から30日以内」も可能

仲介会社などが、元の発注者(元委託者)から受けた業務をフリーランスに再委託する場合、仲介会社は次の3つを取引条件と一緒に明示すれば、フリーランスへの支払期日を「元委託の支払期日から30日以内」で定めることができます。

この3つが明示されていなければ、通常どおり受領日から60日以内のルールが適用されます。元委託者が予定より早く支払った場合でも、フリーランスへの支払期日が前倒しになるわけではありません。また、元委託の支払期日から30日の期間が60日ルールより先に終わる場合でも、60日以内に支払えば足りるとされています。

再委託の例外を使う仲介会社が元委託者から前払金を受け取った場合は、フリーランスが業務の着手に必要な費用を前払金として支払うよう、適切に配慮しなければなりません。

支払期日に関するよくある疑問

請求書を出し忘れたら支払が遅れてもよいのか

Q&Aでは、請求書が提出されていなくても、発注者は定めた支払期日までに報酬を支払う必要があるとしています。請求書を出さないことは、フリーランスの責めに帰すべき事由にはあたりません。とはいえ、経理の手続を滞らせないために、請求書は決められた期限までに出しておきましょう。

口座番号を間違えて伝えた場合

フリーランスが誤った口座番号を伝えていたため支払期日までに受け取れなかった場合は、フリーランスの責めに帰すべき事由にあたります。この場合、発注者は正しい口座番号が伝えられるなど事由が消えた日から60日(再委託の例外の場合は30日)以内に支払えばよいとされています。

支払日が土日祝日にあたる場合

支払日が金融機関の休業日にあたり、順延が2日以内で、翌営業日に順延することをあらかじめ書面や電磁的方法で合意していれば、結果として60日を超えても問題にしないとされています。順延後の支払日が60日以内に収まる場合は、2日を超える順延でも、事前の合意があれば問題ありません。

振込手数料を差し引かれる場合

Q&Aでは、振込手数料を報酬から差し引くことは、合意の有無にかかわらず報酬の減額にあたるとしています(1か月以上の業務委託で禁止される行為)。ただし、フリーランスの都合で振込先を変えたことにより増えた手数料分は、負担させてもよいとされています。

違反が多いのは「期日に支払わない」こと

公正取引委員会が2026年6月に公表した令和7年度(2025年度)の運用状況では、違反行為の類型のうち、期日における報酬の支払義務違反が1,135件で全体の41.6%を占め、最も多くなっています。同年度の勧告は10件でした。

支払の遅れは、発注者側の社内手続の遅れや、支払期日の定め方の誤りから起きることもあります。契約の段階で支払期日が受領日から60日以内に収まっているかを確認し、入金を毎月チェックする習慣をつけておくと、問題に早く気づけます。

契約前に確認したいポイント

  1. 締め日と支払日:月末締めか、何日締めか。支払日は締め日から何日後か
  2. 起算日の考え方:準委任なら月単位の締めで計算するのか。請負なら納品日か検収日か
  3. 再委託かどうか:仲介会社経由なら、元委託の支払期日を基準にする条件になっていないか
  4. 請求書と稼働報告の期限:いつまでに何を出せばよいか
  5. 振込手数料の負担:報酬から差し引かれる定めになっていないか

支払条件の全体像は支払サイトの記事でも解説しています。個別の契約が法律に沿っているか判断に迷う場合は、専門家にご相談ください。

よくある質問

「月末締め・翌月末払い」はフリーランス新法に違反しませんか?

月額の準委任など、月単位で締めて支払う取引で一定の条件を満たす場合は、締切期間の末日から2か月以内に支払えばよいとされています。「月末締め・翌月末払い」はこの範囲に収まります。ただし、報酬の額や算定方式、締めて支払うことが取引条件に明記されている必要があります。

検収が終わるまで支払われないのは仕方ないのですか?

60日の起算日は「給付を受領した日」で、発注者が検査をするかどうかは関係ありません。検収に時間がかかっても、受領日から60日以内に定めた支払期日までに支払う必要があります。成果物の受け渡しの日付は記録に残しておきましょう。

発注者が個人のフリーランスでも60日ルールは適用されますか?

適用されません。60日以内の支払期日の義務は、従業員を使う発注者(特定業務委託事業者)が対象です。従業員のいない個人の発注者から仕事を受ける場合は、報酬の額と支払期日が明示されているかを確認し、支払期日を契約で決めておくことが大切です。

参考にした公的情報・資料

記事の内容は公開日時点の情報にもとづきます。制度や税率は変わることがあるため、手続きの前に必ず各機関の最新情報をご確認ください。

条件に合う案件だけ、知りたい方へ

ご登録は無料です。条件に合う案件だけを、ご本人の了承を得てからご提案します。