エージェントベストジョブ フリーランスフリーランスのエンジニア・コンサル向け案件紹介

トップ › お役立ち記事 › 共済・将来への備え

共済・将来への備え

フリーランスのNISA|仕組みと、iDeCo・小規模企業共済との使い分け方

公開 2026-10-29 監修:株式会社エージェントベスト

NISAは、口座の中で得た売却益や配当・分配金が非課税になる制度です。払ったお金が所得控除になる仕組みはありませんが、いつでも売却して引き出せます。これに対して、iDeCoと小規模企業共済は掛金の全額が所得控除になる一方、引き出せる時期が決まっています。

収入の波が大きいフリーランスは、税金が軽くなる大きさだけで選ぶと、案件が途切れたときに使えるお金が足りなくなることがあります。この記事では、NISAの仕組みと注意点を確かめたうえで、iDeCo・小規模企業共済との役割の分け方を整理します(2026年10月時点)。特定の金融商品や投資方法をすすめるものではありません。

NISAの仕組みを一覧で見る

金融庁の案内による、2024年からのNISAの主な内容は次のとおりです。

項目つみたて投資枠成長投資枠
年間投資枠120万円240万円
非課税保有限度額(生涯)2つの枠の合計で1,800万円そのうち1,200万円まで
非課税保有期間無期限無期限
投資できる商品長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託上場株式・投資信託など(一部を除く)
対象年齢18歳以上18歳以上

2つの枠は併用でき、年間で最大360万円まで投資できます。制度は恒久化されており、口座を開ける期間の期限はありません。

枠の数え方と再利用

生涯の非課税保有限度額は、時価ではなく買ったときの金額(簿価)で管理されます。売却すると、売った商品の簿価の分だけ枠が翌年以降に復活し、再び使えます。年間投資枠は、その年に買った金額の合計に対する上限のため、売却しても同じ年の枠は戻りません。

口座は1人1口座で、金融機関の変更は年単位でできます。金融庁の資料では、金融機関を変えた後に、変更前の金融機関で持っていた商品を売った場合、その枠を再利用できるのは変更後の金融機関のNISA口座に限られるとされています。

非課税になるもの

国税庁の案内では、上場株式等の売却益には、所得税15%・住民税5%の税金がかかり、所得税には復興特別所得税(所得税額の2.1%)が加わります。金融庁の資料では、合計20.315%(所得税15%、地方税5%、復興特別所得税0.315%)と説明されています。NISA口座で得た売却益や配当・分配金には、これがかかりません。

2027年からの変更

金融庁の案内では、2027年1月から、つみたて投資枠の年齢要件がなくなり、0〜17歳も口座を開けるようになります。未成年者の年間投資枠は60万円、非課税保有限度額は600万円で、原則として払い出しはできません(12歳以降は一定の要件の下で可能)。子どもの教育資金をどう準備するかを考えている人は、この変更も確かめておくとよいでしょう。

フリーランスが押さえておきたい注意点

元本割れのおそれがある

金融庁の資料では、有価証券などへの投資は預金と異なり、元本割れなどのリスクを伴うとされています。NISAは税金の扱いの制度で、元本を守る制度ではありません。値下がりしているときに売ると、損失が確定します。

損失は他の口座と通算できない

NISA口座の損益は、特定口座や一般口座の損益と通算できず、損失を翌年以降に繰り越すこともできません(金融庁の資料)。非課税の裏返しとして、損失にも税金上のメリットがない点を理解しておきましょう。

事業のお金と分けて考える

NISAは個人の制度です。会社を作っても、会社のお金をNISA口座で運用することはできません。個人事業のフリーランスは事業と生活の口座が近くなりがちですが、税金や保険料の支払いに充てるお金まで投資に回すと、納付の時期に売却が必要になることがあります。

iDeCo・小規模企業共済との違い

3つの制度は、税金が軽くなるタイミングと、お金を使える時期が違います。

比べる点NISAiDeCo小規模企業共済
税金が軽くなるタイミング売却益・配当を受け取るとき掛金を払った年(全額が所得控除)掛金を払った年(全額が所得控除)
お金を使える時期いつでも売却できる原則60歳から。75歳までの間で受け取り始める廃業・退任などのとき
値動き選んだ商品による選んだ商品による共済の仕組みで決まる
月の上限年間投資枠の範囲内第1号被保険者は国民年金基金・付加保険料と合わせて月68,000円。2026年12月分(2027年1月引き落とし分)から75,000円月1,000〜70,000円
法人化したとき個人の口座なので影響しない厚生年金に入ると加入区分が変わる会社の役員として続ける手続きがある

iDeCoと小規模企業共済の掛金は、国税庁の案内で「小規模企業共済等掛金控除」として、その年に払った全額を所得から差し引けます。所得が高い年ほど税金が軽くなる額は大きく、所得が低い年は小さくなります。

それぞれの詳しい仕組みは、iDeCoの記事と小規模企業共済の記事で解説しています。小規模企業共済は、任意解約の時期によっては受け取る額が払った掛金を下回る点にも注意が必要です。

使い分けの考え方

お金を「使う時期」で分ける

制度を選ぶ前に、手元のお金を使う時期で分けると、どこに入れるかが決めやすくなります。

使う時期例向いている置き場所
いつ使うか分からない案件の切れ目の生活費、急な出費、税金・保険料値動きのない預金など
数年〜十数年先に使うかもしれない住まい、子どもの教育、働き方を変える時期の資金引き出せる制度(NISAなど)も選択肢
老後や廃業のときに使う老後の生活費、事業をやめるときの資金控除のある制度(iDeCo・小規模企業共済など)

フリーランスは、1年目と5年目で所得が大きく変わることがあります。控除のある制度は、掛金を減らせても途中で引き出しにくいため、所得が下がった年でも続けられる額にとどめ、残りをNISAなど引き出せる制度に回す、という考え方が取りやすい形です。

優先順位は人によって変わる

次のような人は、控除のある制度の比重を高めることを検討する理由があります。

一方、次のような人は、引き出せる余地を多めに残すことを検討する理由があります。

毎月の積立額を決める手順

  1. 生活費の備えの目標額を決め、先に確保する:足りないうちは、積立より備えを優先する
  2. 控除のある制度の掛金を決める:所得が下がった年でも払い続けられる額にする
  3. 残りの範囲でNISAの積立額を決める:年間投資枠の上限まで使う必要はない
  4. 年に一度見直す:確定申告で1年の所得が分かった時点で、掛金と積立額を見直す

積立は、少ない額でも続けることで意味を持ちます。収入が多い月に増やし、少ない月に止める、という使い方もNISAなら柔軟にできます。

どの制度にいくら回すかは、所得、家族構成、ほかの資産によって答えが変わります。老後資金全体の計算の仕方は老後資金の考え方の記事をご覧ください。税金の効果の試算は税理士、資産全体の配分はファイナンシャルプランナーなどの専門家にご相談ください。

よくある質問

NISAとiDeCoはどちらを先に始めるべきですか?

決まった順番はありません。所得が高く、老後まで使わないお金がある人は、掛金が控除になるiDeCoの効果が大きくなります。手元の資金が少ない人や、数年以内にお金を使う予定がある人は、引き出せるNISAのほうが合う場合があります。どちらも、生活費の備えを確保してから考えるのが基本です。

案件が途切れたらNISAを売って生活費にすればよいですか?

売ることはできますが、そのときに値下がりしていれば、損失が出た状態で現金にすることになります。生活費の備えはNISAとは別に、値動きのない形で持っておくと、売る時期を選べる余地が残ります。

法人化したらNISAはどうなりますか?

NISAは個人の口座なので、法人化しても続けられます。ただし、会社のお金をNISA口座に入れて運用することはできません。法人化すると厚生年金に加入してiDeCoの区分が変わるなど、ほかの制度の扱いは変わるため、法人化したときの社会保険の記事もあわせてご覧ください。

参考にした公的情報・資料

記事の内容は公開日時点の情報にもとづきます。制度や税率は変わることがあるため、手続きの前に必ず各機関の最新情報をご確認ください。

条件に合う案件だけ、知りたい方へ

ご登録は無料です。条件に合う案件だけを、ご本人の了承を得てからご提案します。