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法人をたたむときの手続き|解散・清算の流れと、登記・官報公告・申告の期限

公開 2026-10-29 監修:株式会社エージェントベスト

法人をたたむときは、「解散」で事業をやめることを決め、「清算」で財産と債務を整理し、最後に「清算結了」の登記をして会社が消えます。解散したら2週間以内に解散と清算人の登記をし、官報で2か月以上の期間を定めて債権者に申し出を求める公告をします。このため、解散から清算結了までは少なくとも2か月以上かかります。

解散したあとも、法人税の申告は続きます。解散した日で事業年度が区切られ、最後は残余財産が確定した日の翌日から1か月以内に申告します。手続きが多いため、司法書士・税理士に相談しながら進めるのが一般的です(2026年10月時点)。

解散から清算結了までの流れ

債務を払いきれる会社が、自分たちで解散して清算する場合の流れです。

順番やること期限・目安
1解散を決める(株主総会の特別決議、合同会社は総社員の同意)解散日を決める
2解散と清算人の登記解散の日から2週間以内
3税務署・都道府県・市区町村・年金事務所への届出速やかに(年金事務所は5日以内)
4解散日の財産目録と貸借対照表を作る清算人の就任後、遅滞なく
5官報で債権申出の公告、知れている債権者には個別に催告申出の期間は2か月以上
6解散した事業年度の確定申告解散の日の翌日から2か月以内
7財産を現金に換え、債務を払い、残った財産を分ける公告の期間が過ぎてから
8残余財産が確定した事業年度の確定申告確定の日の翌日から1か月以内
9決算報告の承認(株式会社は株主総会、合同会社は社員)清算事務が終わったら
10清算結了の登記と、税務署などへの届出承認の日から2週間以内

債務が財産を上回り、払いきれない場合は、ここで説明する手続きとは別の手続きになります。その場合は弁護士にご相談ください。

解散の前に整理しておくこと

解散を決める前に、次のことを書き出しておくと、清算の手続きが滞りにくくなります。

解散を決めて登記する

解散の決め方

株式会社は、株主総会の決議で解散できます。この決議は特別決議で、議決権の過半数を持つ株主が出席し、出席した株主の議決権の3分の2以上の賛成が必要です。一人会社なら、株主である自分が決議し、議事録を残します。

合同会社は、総社員の同意で解散します。社員が自分一人なら、自分の同意で決まります。

清算人を決める

株式会社では、定款や株主総会で別の人を選ばない限り、取締役がそのまま清算人になります。一人会社なら、多くは代表者本人が清算人として手続きを進めます。

解散と清算人の登記

解散したら、2週間以内に本店の所在地で解散の登記をします。清算人の登記も同じく2週間以内です。法務局は、株式会社と合同会社のそれぞれについて「解散及び清算人選任登記申請書」の様式を公開しています。登録免許税は次のとおりです。

登記登録免許税
解散の登記3万円
清算人の登記9,000円
清算結了の登記2,000円

解散のあとに出す届出

解散の登記と並行して、税金と社会保険の届出を進めます。

給与の支払いをやめるときの源泉所得税の届出、消費税の届出など、会社の状況によってほかの手続きも必要になります。どれが必要かは税理士にご確認ください。

官報公告と債務の整理

2か月以上の債権申出の公告

清算する会社は、解散したあと遅滞なく、一定の期間内に債権を申し出るよう官報に公告し、知れている債権者には個別に知らせます。この期間は2か月を下回ることができません。公告には、期間内に申し出なければ清算から除かれる旨を書き添えます。合同会社も同じです。

一人会社で取引先が少なくても、官報公告は省けません。公告の期間中は、原則として債務を払うことができないため、未払いの経費などは期間が過ぎてからまとめて払います。

財産の整理と残余財産の分配

公告の期間が過ぎたら、売掛金を回収し、資産を現金に換え、債務を払います。残った財産(残余財産)は、株主や社員に分けます。清算人は就任後遅滞なく、解散の日の財産目録と貸借対照表を作り、株式会社では株主総会の承認を受けます。

解散したあとも法人税の申告は続く

会社が事業年度の途中で解散すると、事業年度は解散の日で終わり、その翌日から次の事業年度が始まります。解散したあとの申告は、主に次の3つです。

  1. 解散した事業年度の確定申告:期首から解散の日までの分。期限は通常の決算と同じく、解散の日の翌日から2か月以内
  2. 清算中の事業年度の確定申告:清算が長引いて事業年度をまたぐ場合に、その事業年度ごとに出す
  3. 残余財産が確定した事業年度の確定申告:期限は確定の日の翌日から1か月以内。その期間内に残余財産の最後の分配を行う場合は、分配の日の前日まで

清算中の会社は、原則として中間申告をしなくてよいとされています。消費税の課税事業者であれば、消費税の申告も必要です。通常の決算と申告の流れは法人の決算と申告の記事で解説しています。

帳簿は清算結了から10年間保存する

清算人は、清算結了の登記の時から10年間、会社の帳簿と事業・清算に関する重要な資料を保存します。会社がなくなったあとも、資料を捨てないようにしましょう。

清算結了の登記で会社がなくなる

清算の事務が終わったら、株式会社は決算報告を作って株主総会の承認を受けます。合同会社は、清算に係る計算をして社員の承認を受けます。承認の日から2週間以内に、清算結了の登記をします。そのあと、税務署などに清算結了の届出を出して、手続きは終わりです。

放っておいても会社はなくならない

事業をやめても、解散と清算の手続きをしない限り、会社は残ります。会社が残っている間は、事業年度ごとの申告の義務も残ります。

株式会社は、最後の登記から12年たつと「休眠会社」として扱われ、法務大臣の公告から2か月以内に届出をしないと、解散したものとみなされます。ただし、みなし解散のあとも清算の手続きは必要です。使わなくなった会社は、自分で解散と清算を進めるほうが、あとの手間は少なくなります。

株式会社と合同会社の違い

項目株式会社合同会社
解散の決め方株主総会の特別決議総社員の同意
官報での債権申出の公告必要(2か月以上)必要(2か月以上)
清算の最後の承認株主総会で決算報告を承認社員が清算に係る計算を承認
登録免許税解散3万円・清算人9,000円・清算結了2,000円同じ

設立や運営のときの違いは合同会社と株式会社の違いの記事にまとめています。

よくある質問

解散と清算は自分でできますか?

登記の申請や官報公告の申し込みは自分でもできます。ただし、解散後の法人税の申告は事業年度が分かれて複雑になり、残余財産の分配の税務も絡みます。登記は司法書士、申告は税理士に相談しながら進めると、期限の漏れを防げます。

解散したら、すぐに個人で仕事を始めてもよいですか?

個人で仕事を始めることはできます。個人事業として始めるなら、開業届などの手続きは開業届の記事をご覧ください。法人で結んでいた取引先との契約をどう切り替えるかは、法人化後の契約の切り替えの記事の考え方が参考になります。

会社に借入金が残っています。それでも解散できますか?

清算の中で財産を換えて借入金を払いきれるなら、通常の清算で進められます。払いきれない場合は別の手続きになり、代表者が保証人になっている借入金の扱いも関わります。解散を決める前に、金融機関や弁護士・税理士にご相談ください。

参考にした公的情報・資料

記事の内容は公開日時点の情報にもとづきます。制度や税率は変わることがあるため、手続きの前に必ず各機関の最新情報をご確認ください。

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