エージェントベストジョブ フリーランスフリーランスのエンジニア・コンサル向け案件紹介

トップ › お役立ち記事 › 確定申告・所得税

確定申告・所得税

個人事業税とは|フリーランスのエンジニア・コンサルが対象になる業種と計算

公開 2026-10-29 監修:株式会社エージェントベスト

個人事業税は、法律で決められた業種(法定業種)の事業を営む個人に、都道府県がかける税金です。1年間の事業の所得から事業主控除290万円などを差し引き、残った額に業種ごとの税率をかけて計算します。税率は多くの業種で5%です(東京都の場合。2026年10月時点)。

所得税の確定申告をしていれば、事業税の申告は別に出す必要はありません。8月ごろに都道府県から納税通知書が届き、東京都では8月と11月の2回に分けて納めます。事業の所得が290万円以下なら、税額は生じません。

個人事業税がかかる人と法定業種

東京都主税局によると、個人事業税を納めるのは、事務所や事業所を設けて法定業種の事業を行っている個人です。法定業種は70業種あり、ほとんどの事業が当てはまるとされています。

法定業種は3つの区分に分かれ、区分ごとに税率が決まっています。

区分業種の数税率(東京都)主な業種
第1種事業37業種5%物品販売業、請負業、製造業、印刷業、広告業、電気通信事業、不動産貸付業、飲食店業など
第2種事業3業種4%畜産業、水産業、薪炭製造業
第3種事業30業種5%(一部3%)医業、弁護士業、税理士業、コンサルタント業、デザイン業、理容業など。あんま・はり・きゅうなどと装蹄師業は3%

フリーランスのエンジニアやコンサルに関係しそうなのは、第1種の「請負業」、第3種の「コンサルタント業」「デザイン業」などです。

エンジニアは法定業種に当たるのか

法定業種の一覧には「システム開発業」「情報サービス業」という名前の業種はありません。エンジニアの仕事が法定業種に当たるかどうかは、仕事の実態から、請負業やコンサルタント業などに当たるかで判断されます。

たとえば、成果物を完成させて納める受託開発は請負業に、助言や提案が中心の仕事はコンサルタント業に当たると判断されることがあります。一方、準委任で技術的な業務を提供する働き方の扱いは、仕事の内容によって判断が分かれます。最終的な判断は、事業所のある都道府県の税事務所が行うため、気になる場合は所管の都道府県税事務所にご確認ください。準委任と請負の違いは準委任と請負の記事で解説しています。

個人事業税の計算方法

東京都主税局が示している計算式は次のとおりです。

(事業所得 + 所得税の事業専従者給与(控除)額 − 事業税の事業専従者給与(控除)額 + 青色申告特別控除額 − 各種控除額)× 税率

ポイントは3つあります。

  1. 青色申告特別控除は使えない:所得税で差し引いた青色申告特別控除の額は、事業税の計算では所得に足し戻す
  2. 事業主控除290万円を差し引く:各種控除額の中心になるのが事業主控除で、年290万円。事業をした期間が1年未満なら月割り(1か月24万2,000円)
  3. 業種の税率をかける:差し引いた後の額に、業種ごとの税率をかける

計算の流れ

ステップ内容
1確定申告の事業所得を確認する
2青色申告特別控除の額(65万円など)を足し戻す
3事業主控除290万円(と、あれば繰り越した損失など)を差し引く
4残った額に税率(多くは5%)をかける

たとえば、青色申告特別控除を差し引く前の事業所得が500万円の第1種事業の人なら、(500万円−290万円)×5%で、事業税は10万5,000円になります。青色申告特別控除を受けていても、事業税の計算では控除前の所得を使う点に注意してください。

事業専従者給与は、青色申告者なら支払った額、白色申告者なら配偶者86万円、それ以外の家族は1人50万円が限度です。

申告と納付のスケジュール

申告は確定申告で済む

個人事業税の申告期限は、毎年3月15日です。ただし、所得税の確定申告や住民税の申告をした人は、事業税の申告は不要です。確定申告書の「事業税に関する事項」の欄に、必要な事項を書きます。

納付は8月と11月の2回

東京都の場合、8月に届く納税通知書で、次の2回に分けて納めます。

期納期限(東京都)
第1期8月31日
第2期11月30日

期限が土日祝日なら翌日になります。納め方は、金融機関の窓口、口座振替、コンビニ、クレジットカード、スマートフォンの決済アプリ、ペイジーなどが使えます。

独立した年の事業所得に対する事業税は、翌年の8月以降に通知されます。確定申告(3月)、住民税(6月から)、事業税(8月から)と、独立の翌年は支払いが続くため、資金を分けて取っておくことが大切です。

事業税は経費にできる

国税庁は、事業税を必要経費になる税金として挙げています。所得税・住民税は経費になりませんが、事業税は納めた年の経費(租税公課)として計上できます。

たとえば2027年8月と11月に納めた事業税は、2027年分の確定申告で経費にします。経費にできるもの・できないものは経費の記事でまとめています。

赤字の繰越しと開業・廃業の手続き

赤字は3年間繰り越せる

東京都主税局によると、青色申告をしていて事業所得が赤字になった場合、その損失を翌年以降3年間繰り越して、事業税の計算で差し引けます。繰り越すには、原則として所得税・住民税・事業税のいずれかの申告を、期限内に毎年出していることが条件です。

開業・廃業したときの届出

東京都では、事業を始めたときは15日以内に、廃業したときや事業所・住所を変えたときは10日以内に、「事業開始(廃止)等申告書」を都税事務所に出すことになっています。期限や様式は都道府県によって違うため、事業所のある都道府県の案内をご確認ください。

税務署に出す開業届とは別の書類です。開業届の出し方は開業届の記事をご覧ください。

事業税が減免される場合

東京都主税局は、次のような場合に事業税の減免を受けられることがあると案内しています。

減免を受けるには、納期限までに申請する必要があります。対象や手続きは都道府県によって違うため、当てはまりそうな場合は早めに所管の税事務所にご相談ください。

よくある質問

事業所得が290万円以下なら事業税はかかりませんか?

事業主控除が年290万円のため、青色申告特別控除を足し戻した後の事業所得が290万円以下なら、事業税はかかりません。青色申告特別控除を差し引いた後の所得ではなく、足し戻した額で判断する点に注意してください。

フリーランスのエンジニアは事業税がかからないと聞きましたが本当ですか?

一律にかからないわけではありません。法定業種に当たるかどうかは仕事の実態で判断され、受託開発のように請負業に当たる場合や、コンサルタント業に当たる場合は課税されます。自分の仕事が当たるかどうかは、事業所のある都道府県の税事務所にご確認ください。

年の途中で独立した場合、事業主控除はどうなりますか?

事業をした期間が1年未満の場合、事業主控除は月割りになります。東京都の場合は1か月あたり24万2,000円です。たとえば年の途中から6か月間事業をした場合は、6か月分の控除額を使います。

参考にした公的情報・資料

記事の内容は公開日時点の情報にもとづきます。制度や税率は変わることがあるため、手続きの前に必ず各機関の最新情報をご確認ください。

条件に合う案件だけ、知りたい方へ

ご登録は無料です。条件に合う案件だけを、ご本人の了承を得てからご提案します。