税金の納め方|振替納税・クレジットカード・スマホ決済など国税の納付方法の違い
公開 2026-10-29 監修:株式会社エージェントベスト
所得税と個人事業者の消費税を納めるなら、手数料がかからず金額の上限もない振替納税が使いやすい方法です。令和8年分の所得税なら、納期限は2027年3月15日で、口座からの引落しは同年4月23日です。
クレジットカード納付は納付額に応じた決済手数料がかかり、スマホアプリ納付とコンビニ納付は30万円以下の税額に限られます。また、確定申告書を出しても、税務署から納付書は送られてきません。どの方法で納めるかは自分で選んで手続きします。この記事では、2026年10月時点の国税庁の案内をもとに、国税の納付方法の違いを整理します。
申告しても納付書は届かない
国税庁は、申告書を出した後に、税務署から納付書の送付や納税の通知などのお知らせはないと案内しています。確定申告で税額が出たら、期限までに次のどれかの方法で自分で納めます。
例外として、予定納税のように税務署が税額を先に知らせる場合は、通知とあわせてバーコード付きの納付書が送られることがあります。予定納税の仕組みは予定納税の記事で解説しています。
国税の8つの納付方法
国税庁が案内している納付方法と、主な条件は次のとおりです。
| 方法 | 事前の準備 | 金額の上限 | 手数料 | 領収証書 |
|---|---|---|---|---|
| 振替納税 | 口座振替の依頼書を出す | 制限なし | 不要 | 発行されない |
| ダイレクト納付 | e-Taxの利用開始と口座の届出(使えるまで1週間程度) | 案内に記載なし | 不要 | 発行されない |
| インターネットバンキング・ATM | e-Taxの利用開始、ネットバンキングの口座 | 金融機関による | 国への手数料は不要(金融機関の手数料がかかる場合あり) | 発行されない |
| クレジットカード | なし(専用サイトで手続き) | 1回1,000万円未満、かつカードの決済可能額以下(手数料込み) | 決済手数料がかかる | 発行されない |
| スマホアプリ | e-Taxの利用開始、決済アプリの登録と残高のチャージ | 30万円以下 | 不要 | 発行されない |
| コンビニ(QRコード) | QRコードを作る | 30万円以下 | 不要 | 発行されない(払込金受領証は出る) |
| コンビニ(バーコード) | 税務署が発行するバーコード付納付書 | 1枚30万円以下 | 不要 | 発行されない(払込金受領証は出る) |
| 金融機関・税務署の窓口 | 納付書 | 制限なし | 不要 | 発行される |
振替納税からスマホアプリまでの5つは、国税庁が「キャッシュレス納付」として案内している方法です。e-Taxで申告した場合は、メッセージボックスに届く通知から、ダイレクト納付・インターネットバンキング・クレジットカード・スマホアプリ・コンビニ(QRコード)の手続きに進めます。e-Taxの準備はe-Taxの記事をご覧ください。
確定申告の所得税・消費税は振替納税が向いている
振替納税は、自分名義の預貯金口座から、国税庁が決めた振替日に自動で引き落とす方法です。対象は、期限内に申告した所得税の確定申告分、予定納税、個人事業者の消費税の確定申告分と中間申告分です。
令和8年分の納期限と振替日は次のとおりです。
| 区分 | 納期限 | 振替日 |
|---|---|---|
| 所得税の予定納税 第1期 | 2026年7月31日 | 2026年7月31日 |
| 所得税の予定納税 第2期 | 2026年11月30日 | 2026年11月30日 |
| 所得税の確定申告 | 2027年3月15日 | 2027年4月23日 |
| 消費税の確定申告(個人事業者) | 2027年3月31日 | 2027年4月30日 |
確定申告分は、納期限から振替日までおよそ1か月あるため、その間の資金繰りに余裕ができます。依頼書は、e-Tax(e-Taxソフト(WEB版))で出すか、書面で税務署または引き落とす金融機関に出します。書面で出す場合は、利用する国税の納期限までに提出します。インターネット専業銀行などの一部の金融機関や、ネット支店などの一部の店舗では使えない場合があるため、口座のある金融機関に確かめておきます。
残高が足りないと延滞税がかかる
振替日に残高が足りず引き落とせなかった場合、法定納期限の翌日から延滞税がかかります。国税庁は、振替日の前日までに残高を確かめ、同じ口座からほかの引落しがないかも確認するよう案内しています。引き落とせなかったときは、早めに税務署へ連絡し、別の方法で納めます。
クレジットカード納付の手数料と注意点
クレジットカード納付は、国税庁長官が指定した納付受託者が運営する専用サイトを経由して、カードで立替払いを委託する方法です。24時間使えます(メンテナンスの時間を除く)。
決済手数料は納付額によって決まり、1円から1万円までが99円、1万円を超えるごとに99円ずつ加わります(2026年10月時点)。仮に税額が25万円なら、決済手数料の額は2,475円(99円×25)になります(仮の数字)。正確な額は、専用サイトのシミュレーションで確かめられます。手数料は国の収入にはなりません。
ほかにも次の点に注意します。
- 手続きが完了すると取り消せない
- 完了後、その国税について納税の猶予などは受けられない
- 金融機関・コンビニ・税務署の窓口では、カードで納付できない
- 納付後に納税証明書を請求すると、立替払いが終わるまで(最大3週間程度)は、カード納付が行われている旨が記載される
スマホアプリ納付とコンビニ納付は30万円以下
スマホアプリ納付は、決済アプリの残高から払う方法です。2025年2月から、e-Taxで申告などを送信したうえで、e-Taxを経由して専用サイトに進む方法に集約されています。使えるのは納付額が30万円以下の場合で、国税庁は、30万円を超える税額をアプリで払うために分けて納めることは控えるよう求めています。決済手数料はかかりません。
コンビニ納付(QRコード)は、確定申告書等作成コーナーやQRコード作成専用の画面でQRコードを作り、コンビニの端末で読み取らせて出てきた書面で納める方法です。コンビニ納付(バーコード)は、税務署が発行するバーコード付納付書を使います。どちらも30万円以下で、コンビニの窓口ではクレジットカードや電子マネーは使えません。
領収証書が必要なら窓口で納める
振替納税や電子納税、カード、スマホアプリ、コンビニでは、領収証書は発行されません。領収証書が必要な場合は、納付書を添えて金融機関か所轄の税務署の窓口で現金で納めます。税務署の窓口は、2026年10月1日から、受付時間が原則として午前9時から午後3時までになっています。
納めた記録の残し方
領収証書が出ない方法で納めたときは、自分で記録を残しておきます。電子納税なら納付の手続き後に届くe-Taxのメッセージ、振替納税なら口座の取引明細、カードやスマホアプリなら手続き完了の画面や通知、コンビニなら払込金受領証が、納めた事実を確かめる手がかりになります。
融資や賃貸の審査などで納税証明書が必要になる場合は、発行までの日数にも注意します。国税庁によると、振替納税で納めた場合は、口座から引き落とされてから納付済の納税証明書を出せるようになるまで1週間程度かかる場合があります。カードやコンビニで納めた場合は、前に書いたとおり最大3週間程度、納税証明書にカード納付やコンビニ納付が行われている旨が記載されます。証明書が必要な時期が決まっているなら、余裕をもって納めておきましょう。
住民税・国民健康保険料・個人事業税は別の手続き
ここまでは、国税庁が扱う国税(所得税・消費税など)の話です。住民税や国民健康保険料(税)は市区町村、個人事業税は都道府県が扱い、届いた納付書や口座振替で納めます。使える方法は自治体ごとに違うため、届いた通知書の案内をご確認ください。それぞれの仕組みは住民税の記事、国民健康保険の記事、個人事業税の記事で解説しています。
よくある質問
振替納税の手続きはいつまでにすればよいですか?
書面で依頼書を出す場合は、振替納税を使う国税の納期限までに、税務署か依頼書に書いた金融機関に提出します。令和8年分の所得税の確定申告分なら、2027年3月15日が納期限です。e-Taxで出すこともでき、こちらは金融機関の対応状況や利用可能時間を確かめてから手続きします。
一度振替納税にしたら、毎年手続きが必要ですか?
依頼した口座を変えない限り、改めて出す必要はありません。口座を変えるときは新しい口座の依頼書を出し、やめるときは「振替納税の取りやめ申出書」を税務署に出します。
期限までに全額を納められそうにありません。どうすればよいですか?
納期限を過ぎると延滞税がかかるため、払えないと分かった時点で、早めに所轄の税務署に相談してください。スマホアプリ納付で30万円を超える税額を分けて払うことは、国税庁が控えるよう求めています。資金繰りの見通しを含めて迷う場合は、税理士にもご相談ください。
参考にした公的情報・資料
- G-2 国税の納付手続(納期限・振替日・納付方法)(国税庁)
- 主な国税の納期限(法定納期限)及び振替日(国税庁)
- G-2-1 振替納税手続による納付(国税庁)
- G-2-2 ダイレクト納付(国税庁)
- G-2-3 インターネットバンキング等からの納付手続(国税庁)
- G-2-4 クレジットカード納付の手続(国税庁)
- G-2-5 スマホアプリ納付の手続(国税庁)
- G-2-6 コンビニ納付(QRコード)(国税庁)
- G-2-7 コンビニ納付(バーコード)(国税庁)
- G-2-8 金融機関又は税務署の窓口での納付(国税庁)
- 電子納税(国税庁 e-Tax)
記事の内容は公開日時点の情報にもとづきます。制度や税率は変わることがあるため、手続きの前に必ず各機関の最新情報をご確認ください。