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正社員との比較・転職

正社員に戻ったときの社会保険・税金の切り替え|国保・年金・住民税・確定申告

公開 2026-10-29 監修:株式会社エージェントベスト

フリーランスから正社員に戻ると、健康保険と厚生年金の加入は勤務先が手続きしますが、国民健康保険の脱退は自分で、14日以内に市町村へ届け出ます。国民年金は、厚生年金に入れば自分での切り替えの届出は要りませんが、口座振替や前納をしている場合は、保険料の行き違いに注意が要ります。

税金は、住民税が前年のフリーランスの所得をもとに納税通知書で届くため、勤務先を通じて給与からの天引き(特別徴収)に切り替えを申し出られる場合があります。所得税は、入社した年のフリーランスの所得が年末調整に含まれないため、確定申告が必要になることが多くなります。転職の進め方はフリーランスから正社員に戻る記事で扱っているため、この記事では入社前後の切り替えの手続きに絞って整理します(2026年10月時点)。

切り替えの手続きを一覧で見る

手続き誰がするか期限・時期届出先
健康保険・厚生年金の加入勤務先(本人は書類を出す)勤務先は入社から5日以内に届出勤務先経由で日本年金機構など
扶養する家族の届出本人が勤務先に出す入社時勤務先
国民健康保険の脱退本人14日以内住所地の市町村
国民年金届出は不要(勤務先の加入手続きで切り替わる)――
住民税の特別徴収への切り替え勤務先が申請(本人が依頼)納期限の前住所地の市区町村
年末調整勤務先入社した年の年末勤務先
確定申告本人入社した年の翌年税務署

健康保険と厚生年金は勤務先が手続きする

日本年金機構の案内では、健康保険と厚生年金保険の「被保険者資格取得届」は、事業主が事実の発生から5日以内に提出します。本人がすることは、基礎年金番号の分かる書類やマイナンバーカードなど、勤務先が求める書類を用意して出すことです。

扶養する配偶者や子がいる場合は、本人が「健康保険被扶養者(異動)届」を勤務先に出します。配偶者が国民年金の第3号被保険者になる場合は、「国民年金第3号被保険者関係届」も必要です。配偶者がこれまでフリーランスの家族として国民年金の第1号被保険者だった場合などは、入社のときに扶養に入れるかを勤務先に確かめます。扶養の条件は家族の扶養に入れる条件の記事で扱っています。

国民年金は自分での切り替えは不要

日本年金機構の「被保険者のしおり」では、国民年金の第1号被保険者が就職して厚生年金保険に加入した場合、第2号被保険者になり、届出は勤務先が年金事務所に行うとしています。市区町村で国民年金をやめる手続きをする必要はありません。

口座振替・前納をしている人の注意

日本年金機構のQ&Aでは、国民年金保険料を口座振替で納めている人が就職し、厚生年金の加入手続きがされると口座振替は止まるものの、手続きに一定の期間がかかるため、就職後もいったん引き落とされる場合があるとしています。厚生年金と重なる期間の国民年金保険料が引き落とされた場合は、後日還付されます。前納していた場合も、厚生年金に入った月以降の分の扱いは、年金事務所にご確認ください。

国民健康保険の脱退は自分で届け出る

国民健康保険は、勤務先の健康保険に入っても自動ではやめられません。厚生労働省の案内では、勤務先の健康保険に加入したときは、14日以内に住んでいる市町村の国民健康保険の窓口に届け出ます。国民健康保険組合に入っている場合は、その組合に届け出ます。必要な書類や、オンラインで届け出られるかは市町村によって違うため、市町村のホームページで確かめてください。

届出が遅れると、国民健康保険料の請求が続き、あとから払いすぎた分の精算が必要になることがあります。勤務先の健康保険の資格を取得した日が分かる書類が出たら、早めに手続きをします。

家族が国民健康保険に残る場合

国民健康保険料には、世帯ごとにかかる部分や、世帯の加入者の所得をもとに計算する部分があります。本人だけが勤務先の健康保険に移り、家族が扶養に入らない場合は、家族の国民健康保険の扱いや保険料の計算が変わることがあります。家族の分の手続きもあわせて、市町村の窓口で確かめてください。国民健康保険料の仕組みは国民健康保険の記事をご覧ください。

住民税は普通徴収から特別徴収へ切り替えられる場合がある

入社しても、その年度の住民税は通知書で届く

住民税は前年の所得をもとに計算されます。フリーランスの間は、市区町村から届く納税通知書で自分で納める普通徴収でした。会社員の住民税は、勤務先が給与から差し引いて納める特別徴収で、千葉市の案内では、6月から翌年5月までの12回に分けて差し引かれます。

年度の途中で入社した場合、その年度の住民税は、すでに普通徴収として通知されています。そのまま通知書で納め続けることもできますし、残りの分を給与からの天引きに切り替えられる場合もあります。

切り替えは勤務先から申請する

広島市の案内では、普通徴収から特別徴収への切り替えは、給与支払者(勤務先)が「普通徴収から特別徴収への切替申請書」を市に出す形で、次の両方を満たす場合にできるとしています。

様式の名前や締め切り、口座振替をしている場合の扱いは、市区町村によって違います。切り替えたいときは、入社の手続きのときに勤務先の給与担当に伝え、住所地の市区町村の案内を確かめてください。翌年度からは、勤務先の給与からの天引きが基本になります。住民税の計算と納め方はフリーランスの住民税の記事で解説しています。

所得税:年末調整と確定申告

年末調整にはフリーランスの所得が入らない

国税庁の案内では、年の途中で就職して年末まで勤めている人は、勤務先の年末調整の対象になります(給与の総額が2,000万円を超える人などは除く)。中途で就職した人の年末調整では、同じ年に前の勤務先から受けた給与も、源泉徴収票で確かめて含めます。一方、年末調整は給与について行うものなので、フリーランスとしての事業の所得はここに含まれません。

確定申告が必要になる場合

国税庁の案内では、1か所から給与を受けている人でも、給与所得と退職所得以外の所得の合計が20万円を超える場合は、確定申告が必要です。年の途中まで業務委託で働いていた場合、その年の事業の所得が20万円を超えることが多いため、入社した年の翌年に確定申告をすると考えておきます。報酬から源泉徴収された所得税があれば、確定申告で精算されます。

確定申告では、勤務先から受け取る源泉徴収票の給与と、フリーランスの期間の売上・経費をあわせて申告します。流れは確定申告の流れの記事をご覧ください。

国保と国民年金の保険料は控除できる

入社前に払った国民健康保険料と国民年金保険料は、社会保険料控除の対象です。国税庁の案内では、控除できるのはその年に実際に払った金額の全額で、年末調整で控除を受ける場合は「給与所得者の保険料控除申告書」を出します。国民年金の保険料は、払った金額を証明する書類の添付か提示が必要です。確定申告をする場合は、確定申告で控除を受けることもできます。控除の仕組みは社会保険料控除の記事で整理しています。

事業をやめるか続けるかで変わる手続き

業務委託をすべてやめる場合は、税務署に個人事業の廃業の届出を出します。青色申告やインボイスの登録をしている場合は、ほかの届出が必要になることもあります。手続きの概要はフリーランスから正社員に戻る記事で扱っています。

勤務先の規定で認められていれば、業務委託を副業として続ける選択肢もあります。その場合は、翌年以降も事業の所得について確定申告が続きます。両立の注意点は正社員と業務委託の掛け持ちの記事をご覧ください。

前年の所得によっては、入社した年やその翌年に、所得税の予定納税の通知や個人事業税の納税通知書が届くことがあります。仕組みは予定納税の記事と個人事業税の記事で解説しています。どの手続きが自分に当てはまるかは、税務署や税理士にご確認ください。

よくある質問

入社日が月の途中の場合、その月の国民健康保険料はどうなりますか?

保険料の計算の仕方は市町村によって違うため、脱退の届出のときに、住所地の市町村の窓口で確かめてください。届出が遅れると、すでに勤務先の健康保険に入っている期間の国民健康保険料が請求され、あとで精算が必要になることがあります。

住民税を普通徴収のまま払い続けてもよいですか?

その年度の分は、届いている納税通知書で納め続けることもできます。特別徴収に切り替えるかどうかは、勤務先と市区町村の手続きによって決まります。翌年度からは、勤務先の給与から差し引かれるのが基本です。

正社員になった年は、年末調整だけで手続きが終わりますか?

フリーランスとしての所得が年末調整に含まれないため、その所得が20万円を超える場合は、翌年に確定申告が必要です。業務委託をやめた場合でも、入社前の期間の所得について申告します。判断に迷うときは、税務署や税理士にご確認ください。

参考にした公的情報・資料

記事の内容は公開日時点の情報にもとづきます。制度や税率は変わることがあるため、手続きの前に必ず各機関の最新情報をご確認ください。

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